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石井輝男監督『いれずみ突撃隊』その1

2013-06-04 05:47:00 | ノンジャンル
 宮田珠己さんが著書『はるか南の海のかなたに愉快な本の大陸がある』の中で“立体読書”の例として紹介していた、逆柱いみりさんのマンガ『赤タイツ男』を読みました。つげ義春さんのマンガをもっと奇想天外にした感じで、今はなき九龍城を彷佛とさせる場面もありました。

 さて、石井輝男監督・脚本の'64年作品『いれずみ突撃隊』をスカパーの東映チャンネルで見ました。
 昭和14年。諸木一等兵(高倉健)が南支の機関銃小隊に転属してきます。次郎長一家の流れを汲む、駆け出し者だと仁義を切る若者・宮田(津川雅彦)は、先輩の兵隊たち(潮健児)らにからかわれ、平手で殴られますが、諸木は彼らの前に立ちはだかり、宮田に代わって殴る蹴るの暴力を受けます。諸木のことをイカしてる、とさざめく多くの若い兵隊。諸木は浅草の出の一匹極道だと仁義を切り、転属に転属を重ねてここへ来たと自己紹介し、先輩の兵隊に改めてケンカを仕掛けます。
 小隊長の阿川准尉(安部徹)は「諸木を上官侮辱罪で営倉に入れた」と中尉(杉浦直樹)に報告すると、中尉は営倉に諸木を尋ね、「あまりハデにやるな」と言います。諸木は「お前は俺より星の数が多いだけだ。金筋抜きで勝負しろ!」と中尉に喰ってかかり、中尉は受けて立ちます。泥の広がる夜の広場で殴り合いをする2人。諸木は泥が目に入り、目が見えなくなり、中尉に向かって「なかなか、やるなあ。除隊したら面倒見てやる。5分の兄弟分でもいいぞ」と言い、中尉が「お前、浅草から来たという話だが、どこが縄張りだったんだ?」と聞くと、「俺の縄張りは六区よ」とうそぶきます。中尉は「六区は確か関東安川一家の縄張りだと思ったが?」と返すと、諸木は「親分とは昵懇(じっこん)の仲で、例のケンカの時に助っ人をやったことで縄張りを貰ったのだ」と言います。「あの時、確か親分は中風で寝たきりだったと思うが?」と中尉がまた返し、自分が安川組三代目の実子であることを明かすと、諸木は急に弱気になり、「実は六区の木馬館の脇でトウモロコシ、夏には氷水を売っていました」と言います。中尉は「軍は改革せねばならないことが多いが、非常時なので、堅気の方に恩返ししよう」と言い、諸木も頷きます。
 “部隊対抗相撲大会”の看板。諸木を励まそうと声をかけた慰安婦のリーダー・みどり(朝丘雪路)は、諸木に「気安く声をかけるな」と言われ、頭に来ます。女丈夫の慰安婦・栄子(三原葉子)に「みどり姉さんは慰安所ではナンバーワンなのよ」と教えられた諸木は、「女なんかに惚れないよ。惚れるなら男さ」と言い、栄子に「あんた、変態?」と笑われます。強い兵隊が次々に他の兵隊を負かし、周囲にはやし立てられて、嫌々向かった宮田も投げ飛ばされます。しかしその兵隊の10人抜きの最後の相手として出た諸木は、簡単にその兵隊を負かすと、現れる兵隊を次々に投げ飛ばしていきます。喜ぶ宮田ら。先輩の兵隊(潮健児)は土をかけて諸木の目を封じますが、諸木は目が見えない状態でも先輩の兵隊を投げ飛ばします。平手打ちをして来た先輩には、やはり平手打ちを返して負かす諸木。
 慰安婦の光子は「いれずみ一等兵が10人抜きをした」と言って、彼から賞品を全部貰ってきます。光子はみどりに「半分あげる」と言い、諸木がみどりのことを盛んに聞いていたと伝えますが、みどりは「あんなの大嫌い!」と答えます。そこへ阿川准尉が入って来て、みどりを無理矢理抱こうとして抵抗されます。「前線で俺に睨まれたら、どうなるか分かってないな?」と阿川は言いますが、他の慰安婦たちに追い出されます。阿川は諸木を呼び出し、「官製品を慰安婦にあげるとは何だ!」と叱責し、「急降下爆撃機をやれ!」と言って、諸木に逆立ちをさせます。木刀で諸木をいたぶる阿川。「これ以上付き合ってらんない」と諸木が逆立ちを止めると、阿川は「貴様!」と木刀を振りかざしますが、山本軍曹は必死になって阿川を止めます。諸木が去った後、「あいつは危険思想の持ち主だ!」と語る阿川。夜の警備についていた宮田は、諸木が戻ってくると、「あんたのことを、俺は神様だと思ってる」と言って、ちょろまかしてきた沢庵を諸木に渡します。「うめえなあ」と宮田と沢庵をボリボリ喰う諸木。(明日へ続きます‥‥)

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