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神代辰巳監督『嗚呼!おんなたち 猥歌』

2015-10-04 05:17:00 | ノンジャンル
 WOWOWプライムで、神代辰巳監督・共同脚本の’81年作品『嗚呼!おんなたち 猥歌』を見ました。
 若者のバンドのライヴ。ソープ嬢の泡踊りのショットがカットイン。タイトル。
 オノヨーコと全裸のジョン・レノンが抱き合う写真のポスター。車を運転している男(内田裕也)に、助手席の女は「いつまであんな仕事をさせるの? 奥さんと別れて、私と結婚する気はないの?」と詰め寄ります。ソープで働く女のショットがカットイン。男は女に、自分と別れて堅気の男と一緒になり、やり直せと言いますが、女はその返事に逆上し、男の首を絞め、ハンドルを切ると、車は道路から転落し、2人は血だらけになります。車から出てくる男。意識を失っている女。
 病院に担ぎ込まれる女は、意識が戻らず、うなされています。男は女の病室に入ってくると(バックに救急車の音)、先にそこにいたナースは男に、今夜のコンサートのことを訊きます。ナースの体に手を伸ばそうとする男に、ナースは「頑張ってください」と手を振って部屋を出ようとしますが、男はナースを捕まえ、男に平手打ちをし、男もし返します。ナースは泣きだし、男にしなだれかかり、男はナースにキスして、やがて2人はセックスを始めます。
 風呂でシャワーを浴びる男。電話が鳴り、男は全裸のまま、電話に出て「大丈夫だろう。今、入院してる。分かった。行くから」と言って、電話を切ります。
 男のマネージャー(安岡力也)は、レコードを売るために店回りのキャンペーン活動をしましょうと男に提案し、「今さら何で?」と言う男を説得します。道具一式は揃えてあると言うマネージャー。その2人のやりとりが電車越しに映されます。
 マスカラを塗る男。レコード店に頼みこむマネージャー。店頭でブルース調の歌を歌い始める男でしたが、聴く客は誰もいません。オノヨーコとジョン・レノンの写真がカットイン。やがて1人の若い女が立ち止まりますが、しばらくすると行ってしまいます。歌い終わると、若い女の店員が男にサインをねだり、男はその女を「夜に会おう」と誘います。
 うがいをする男。
 雨の中を歩く男。
 広いバーで男が歌うと、やくざ風の客たちが「そんな陰気な歌、歌っんじゃねえ。『与作』を歌え。『与作』を」と絡みます。客たちにペコペコするマネージャー。やがて男は歌うのを止めて、レコーダーに新たなカセットを入れると、『与作』を歌い出します。それでも騒ぐ客。男はついにキレて、客たちと殴り合いを始め、マネージャーも男に加勢して、2人はその場を去ります。
 「初めて会ってすぐするなんて。ほんとはそんな女じゃないのよ」と言う若い女とセックスに及ぶ男。
 病院に花をもって来た男は、ナースから女が昨日退院したと聞き、ナースに花を渡します。「できたら産んじゃう」と言うナース。「結婚を前提としないお付き合いを」と男が言うと、ナースは自分の電話番号を言います。トイレで小便をして出てきた男は「忘れちゃった。紙に書いてくれ」と言い、ナースは紙に自分の電話番号を書いて、男に渡します。
 まだ包帯だらけの女は男の全身をなめ、「あんただけの女でいたいの。抱いて」と言いますが、男はうつ伏せになって寝たままです。
 ナースの電話番号が書かれた紙を発見し、それを破く包帯だらけの女。
 走る男。バックに横切る電車。
 リモコンカーを室内で走らせる男。やがて室内にいる男の妻(絵沢萌子)が映り、「たまにそんなものを子供に買ってきたって」と言ってキレ、「もうたくさん。生殺しよ。私と別れて。子供は今まで通り、私が育てます。父親参観日に行けるような人を探します。このままおばあさんになるのは嫌」と言いますが、男は妻を押し倒し、妻は「別れて。別れて」と言って、抵抗します。そこに玄関のベルの音が聞こえ、幼い息子が帰ってきます。一緒に入ってきたマネージャーを平手打ちする男。
 スナックのカウンターで飲んでいた男は、そばで話していた客たちに怒り、ものを投げつけ、殴り合いのケンカになります……。

 とここまで見たところで、先を見ることを断念しました。内田裕也演じる男のすさみように辟易したことが大きいと思います。この先、石橋蓮司や高橋明が出てくるので、そこまでは見たかったのですが、気力が起こりませんでした。やはり神代監督が一番輝いていたのは『一条さゆり 濡れた欲情』が撮られた1972年から、『赫い髪の女』が撮られた1979年までで(ある意味、この作品で神代作品はピークを迎えたのだと思います)、その後は急速に輝きを失っていったような気もするのですが、そう思うのは私だけでしょうか? 今後、他の神代作品を見て、その辺は検証していきたいと思っています。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/