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南京大虐殺は本当にあった?

2015-10-15 06:22:00 | ノンジャンル
 今日は、ジャズ・ピアニストの木住野佳子さんの誕生日です。Happy Birthday!

 さて、昨日の東京新聞の朝刊に斎藤美奈子さんがコラムを書いていらっしゃいました。以下、引用させていただきます。
「世界記憶遺産に『南京大虐殺』の関係資料が登録された件。外務省報道官は『極めて遺憾』との談話を出し、菅官房長官はユネスコへの拠出金停止もありと示唆した。
 菅官房長官は2日にも『日中間の過去の1時期における負の遺産をいたずらに強調しようとする』と不満を述べたが、なぜ中国は『負の遺産をいたずらに強調』するのか。安倍政権の歴史認識に疑いを持っているからにほかなるまい。
 南京大虐殺の死者については20万人説(東京裁判)、30万人説(中国政府)などがあり、最近は4万人説が有力らしい。が、たとえ4万人でも日本軍が南京攻略に際し、非戦闘員を含む万単位の人を殺戮したのは歴史的な事実である。死者数を是正したければ、歴史を謙虚に受け止め、反省を示すのが先。『気に入らないから金は出さない』では恫喝でしょ。
 虐殺自体を隠蔽したい思惑が見える現政権。自民党が推薦する育鵬社の中学歴史教科書でも南京事件の記述は曖昧だし、馳新文部科学大臣もそんな歴史観の支持者だし。
 原爆ドームやアウシュビッツの世界遺産登録に反発し、アメリカやドイツが『金は出さん』と表明したらどう思う? 相手は牽制球を投げて日本の出方を見ているのだ。認識を(または政権を)変えない限り、日中関係は泥沼化するばかり。同じようなことが続くだろう」。
 同日の東京新聞の別の記事や同日のテレビ朝日の番組『報道ステーション』でも、このような日本政府の外交姿勢に対して、世界のマスコミの大半が“大人げない”と論じていることを紹介していました。親の顔が見たいというのは、まさに菅官房長官にふさわしい言葉でしょう。実際、菅官房長官のご両親がまだご健在でしたら、菅官房長官に何と言うのでしょうか? 「お前、何を考えて物を言ってるんだ? 世界がお前の言っていることを見守っているんだぞ。あんまり恥ずかしいことを言うな!」と一喝されるのではないかと思うのですが……。
 また同じく昨日のテレビ朝日の番組『羽鳥モーニングショー』の中では、長崎に戦中作られた平和の塔の中に、中国の遺跡の石が使われているのが分かり、中国が返還を求めているニュースが報じられていました。画面には精緻な彫刻が施されている石が映り、石の端は無残に削り取られ、そこに「日本政府~」という文字が彫られていました。長崎市は中国のこの申し出に困惑していて、市民も「昔からあった塔なのに、今さら……」という反応を示していると報じていました。
南京大虐殺の件も長崎の平和の塔の件も、今の日本国民の多くが想像力を失ってしまっていることを端的に表しているのだと思います。「もし相手の立場だったら」という簡単な想像力を働かせることができなくなっている。これは精神(こころ)の退行以外の何物でもありません。人は生まれてから「自分と相手」という関係を理解するようになった後、成長するにしたがって「自分でも相手でもない第三の目」を獲得するようになり、自分も相手も客観的に見ることができるようになるのが普通ですが、その普通のことを日本の人々の多くができなくなってきていることが、この2つの出来事によって示されているように思います。
 ちょっと立ち止まって考えれば、この“第三の目”は獲得することができます。もし「東京大空襲で亡くなった人の人数は日本が主張している数よりもずっと少ない」とアメリカが言い出したら、あるいは「日本の古来の国宝級の石仏が、最近作られた中国の巨大な塔の建設に使われてしまっている」と判明したら、日本政府や日本の人々はどういった対応をするのでしょうか? 興味あるところです。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/