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歴史を偽造する極右勢力による政治支配を一日も早く終わらせる!

2015-01-06 | 日本共産党の機関決定文書

綱領を指針にさらなる躍進に挑戦しよう

党旗びらき 志位委員長あいさつ

いっせい地方選挙での躍進、強く大きな党づくりを

 

 

 日本共産党は5日、2015年の党旗びらきを党本部で行いました。志位和夫委員長があいさつに立ち、画期的躍進を果たした先の総選挙について 「『国民が主人公』の日本に向け、新たな時代の幕が開ける重要な成果をおさめた」とのべ、安倍政権の暴走に立ち向かい、戦後70年の歴史的節目を迎えるに あたっての政治的構えを提起しました。告示まで3カ月を切ったいっせい地方選挙での躍進、強く大きな党づくりを力強く呼びかけました。全国にインターネッ トで中継されました。

(あいさつ全文と録画は、日本共産党のホームページをご覧ください)


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(写真)2015年党旗びらきで志位和夫委員長のあいさつを聞く参加者=5日、党本部

 冒頭、昨年の総選挙結果に関して、本格的な「自共対決」時代の到来とともに、「衆院選での躍進は、実に、18年ぶりの出来事」と強調。全党の10年余の不屈のたたかい、苦闘が実ったこと、苦闘を通じて築いてきた今後に生きる財産を3点にわたって語りました。

 第一は、新しい綱領を決定したことです。綱領が反共作戦の逆風のもとで羅針盤となり、党の政策活動の新たな発展の土台となったことを強調し、「党綱領の科学的生命力は、全党の奮闘で証明された」と力説しました。

 第二は、一致点にもとづく共同―「一点共闘」を発展させる活動です。このなかで沖縄新基地建設を許さない保革を超えた「島ぐるみ」の選挙勝利にふれ、日本の政治の未来を先取り的に示したと強調。同様の共同がやがて全国的に発展する可能性に言及しました。

 第三は、草の根で国民と結びついた強く大きな党づくりです。「党勢拡大大運動」や若手幹部の系統的な養成をあげ、この数年来の党づくりの取り組みが「この努力なくして躍進はなかった」といえる大きな力を発揮したと強調しました。

 これらを踏まえ、第3次安倍政権をどうとらえて、どう立ち向かうのか。安倍首相は首相指名後の記者会見で、自らの政治を「戦後以来の大改革」と称し、「当然賛否は大きく分かれ、激しい抵抗もある」「総選挙で…国民から力強く背中を押していただいた」などとのべています。

 志位氏は首相の言明について、国民の「賛否が大きく分かれ」「激しい抵抗」があろうとも暴走を続けるという新たな“暴走宣言”だと厳しく批判しま した。3分の2を超える与党議席は小選挙区制による「虚構の多数」であること、安倍政権がすすめようとしている主要な問題すべてが国民多数の意思に背くも のであり、破綻した「先のない」道だと明らかにしました。

 その上で、日本共産党が総選挙で訴えた「日本の政治の五つの転換」―消費税に頼らない別の道、暮らし第一の経済再生、原発ゼロの日本、憲法9条を 生かした平和外交、基地のない平和な沖縄―の旗を高く掲げ、「対決、対案、共同」の政治姿勢を貫いて奮闘する決意を表明しました。

 戦後70年の歴史的節目の年にあたって、(1)広大な国民的共同のたたかいを発展させ「海外で戦争する国」づくりを許さない(2)歴史を偽造する極右勢力による政治支配を一日も早く終わらせる―という日本の命運がかかった二つの焦点で力を尽くすことを訴えました。

 志位氏は最後に、いっせい地方選挙にのぞむ政治的な構えを訴え、この選挙で躍進してはじめて「“第3の躍進”を本格的な流れに発展させた」ということができると強調しました。同時に、国政選挙で躍進した今こそ強く大きな党づくりでも躍進をつくりだそうと呼びかけました。

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新春のごあいさつ  

2015-01-01 | 日本共産党の機関決定文書

新春のごあいさつ

                  2015年1月1日 志位 和夫

 

 

「自共対決」時代の本格的な到来

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(写真)志位委員長

 2015年、明けましておめでとうございます。

 昨年12月に行われた総選挙で、日本共産党は、比例代表で606万票を獲得し、沖縄1区で赤嶺政賢さんの勝利をかちとり、21議席に躍進、議案提案権を獲得することができました。

 この選挙で唯一躍進した党が日本共産党だったという事実は、「自共対決」時代の本格的な到来を告げるものとなりました。

 お寄せいただいたご支持とご支援に、心からの感謝を申し上げるものです。

10年来の不屈の苦闘が実った

 衆議院選挙での躍進は、実に、18年ぶりの出来事となります。

 この10年余を振り返ると、2003年に本格的に開始された「二大政党づくり」の動き、それに続く「第三極」の動きなど、日本共産党を封じ込めようとするさまざまな逆流によって、わが党は前進を阻まれてきました。

 しかし、私たちは、2004年に確定した新しい綱領を土台に、自民党政治と正面から対決し、国民の立場に立った対案を練り上げ、あらゆる分野で国 民との共同を広げ、強く大きな党づくりへの努力を重ね、複雑で困難な情勢を一歩一歩切り開いてきました。今回の総選挙における結果は、わが党のこうした一 貫した姿勢が評価をいただいたものだと考えます。10年来の全党と後援会のみなさんの不屈の苦闘が、躍進という結果に実ったのです。

新たな“暴走宣言”――矛盾は劇的に広がる

 安倍首相は、首相指名後の記者会見で、自らの政治を「戦後以来の大改革」と称し、「当然賛否は大きく分かれ、激しい抵抗もある。しかし、今回の総 選挙で、引き続きこの道をまっすぐに進んでいけと国民から力強く背中を押していただいた」などと述べました。国民の「賛否が分かれ」ようとも、「激しい抵 抗」があろうとも、暴走を続けるという、新たな“暴走宣言”にほかなりません。

 しかし、総選挙の結果は、国民が安倍首相の「背中を押した」などとは到底いえないものです。総選挙で自民党が獲得した得票は比例代表で33%にす ぎず、与党多数の議席は小選挙区制が人為的につくり出した「虚構の多数」にほかなりません。くわえて、安倍政権が、これから進めようとしているどの問題 も、国民多数の意思に背くものばかりであり、強行するなら大きな矛盾が劇的に広がることは避けられません。

戦後70年――日本の進路が根本から問われる年に

 今年は、戦後70年の節目の年となります。新しい年は、日本の進路が根本から問われる年となるでしょう。そして、この年は、民意に背く暴走と国民のたたかいが激突する、新たな激動の時代の幕開けの年となるでしょう。

 日本共産党は、総選挙で国民から与えられた新しい力を存分に生かし、国民との共同で安倍政権の暴走をストップし、「国民が主人公」の新しい政治を おこすために全力をあげます。衆参両院で獲得した議案提案権を生かし、国民の切実な願いを法案の形で提起し、現実政治を動かすために知恵と力をつくして頑 張りぬきます。

 目前に迫ったいっせい地方選挙で必ず躍進をかちとり、一昨年の都議選・参院選で開始され、昨年の総選挙で発展させられた“第3の躍進”を、地方政治でも花開かせるために、全力をあげて奮闘します。

 今年も、「しんぶん赤旗」読者のみなさんの温かいご理解、ご支持、ご支援を、心からお願いするものです。

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いっせい地方選挙勝利、安倍政権打倒の国民的大運動、党勢拡大の引き続く前進と 高揚を!

2014-08-04 | 日本共産党の機関決定文書

前進を絶対に中断することなく、さらに大きな発展を

「躍進月間」うけ 党幹部会開く

 
 
 

 

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(写真)幹部会で報告する志位和夫委員長(正面右から2人目)=3日、党本部

 日本共産党は3日午前、党本部で幹部会を開き、「開始された前進を絶対に中断することなく、さらに大きな発展を―『躍進月間』の成果を踏まえ、全党のみなさんに訴えます」とよびかける決議を全会一致で採択しました。

 幹部会決議は、(1)「躍進月間」の到達点―全党の努力で重要な前進(2)三つの確信を力に、党づくりの持続的発展を(3)最大のカギ―「支部が 主役」の流れを全党の大勢に(4)いっせい地方選挙勝利、安倍政権打倒の国民的大運動と一体に、強く大きな党を―の4項目からなっています。「躍進月間」 でつかまれた確信を全党の共通のものとし、いっせい地方選挙勝利のための活動を前面に、安倍政権打倒の国民的大運動に取り組み、党勢拡大の引き続く前進と 高揚をつくりだそうとよびかけています。

 志位和夫委員長が提案説明を行い、「『開始された前進を絶対に中断することなく、さらに大きな発展を』という表題に決議の中心点がこめられています」と強調しました。

 決議は、「月間」でつかんだ「三つの確信」として第一に、いま、党を大きくする客観的条件が存在すること、第二に、主体的にも強大な党づくりの事業をすすめる条件があること、第三に、党の事業を世代的に継承する大きな展望をつかんだことをあげています。

 志位氏は、これを全党の共通の確信にして、持続的前進をめざすことを訴え、「大事業ですが、条件をくみつくし、8月からのいっそうの前進につなげよう」とよびかけました。

 決議は、前進のために突破すべき課題として「支部が主役」の流れを全党の大勢にする問題をあげ、全国のすすんだ党組織の教訓として、(1)熱い政 治指導(2)いっせい地方選挙と次期国政選挙を正面にすえる(3)民主連合政府を展望した「成長・発展目標」を生きた自覚的目標としている、という先進的 経験に学ぶ意義を強調しています。

 今後の党活動として、(1)安倍政権打倒の国民的大運動をおこす(2)いっせい地方選挙勝利めざす独自の活動に本格的に取り組む(3)党建設のさらなる持続的発展に取り組む―の三つの具体的な方向を示しました。

 11月1~3日の「第41回赤旗まつり」までの3カ月を節に、党勢拡大のひきつづく前進と高揚をつくりだすことを提起しています。

 志位氏は、「全党的には、いまいよいよこれから本格的に力が発揮されるというときです。『赤旗まつり』にむけて次の高揚をつくっていきましょう」とよびかけました。

 幹部会を受け、3日午後から都道府県委員長会議が行われました。山下芳生書記局長が幹部会決議にもとづき報告し、それを受けて20人が発言し、活発に討議しました。

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集団的自衛権――「海外で戦争する国」づくりを許さない

2014-07-17 | 日本共産党の機関決定文書

日本共産党創立92周年記念講演会

「亡国の政治」と決別し、未来に責任を負う新しい政治を

志位委員長の講演

 
 
 

 

 日本共産党の志位和夫委員長が15日、党創立92周年記念講演会で行った講演「『亡国の政治』と決別し、未来に責任を負う新しい政治を」(全文)は以下の通りです。


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(写真)記念講演をする志位和夫委員長=15日、東京・日本青年館

 参加されたみなさん、インターネット中継をご覧の全国のみなさん、こんばんは(「こんばんは」の声)。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫 でございます(拍手)。今日はようこそお越しくださいました。私からも心からのお礼を申し上げさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

 安倍政権が発足して1年半がたちました。ここへきてその正体がはっきり見えてきました。この政権は、国会での多数を背景に、あらゆる分野で暴走し ています。しかし、この暴走は、どれも彼らなりの先の見通しをもってやっているわけではありません。どれもが日本の未来、国民の未来に責任を負わない、 「後は野となれ山となれ」のやみくもな暴走にほかなりません。一言でいえば、日本の国を亡ぼし、日本国民を亡ぼす「亡国の政治」――これこそが安倍政権の 正体ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)  党創立92周年の記念すべきこの日にあたって、日本共産党は、この「亡国の政治」と正面から対決し、どの分野でも日本の未来、国民の未来に責任を負う新 しい政治への展望を指し示して、国民とともにたたかい抜く決意を表明するものです。(拍手)

 今日は、「『亡国の政治』と決別し、未来に責任を負う新しい政治を」というテーマで、いくつかの角度からお話をさせていただきます。どうか最後までよろしくお願いいたします。(拍手)

集団的自衛権――「海外で戦争する国」づくりを許さない

アメリカの戦争に、自衛隊が「戦闘地域」まで行って軍事支援を行う

 まず集団的自衛権の問題についてお話ししたいと思います。

 安倍政権は、7月1日、国民多数の反対の声を踏みつけにして、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を強行しました。私は、まず、みなさんとともに、憲法9条を破壊するこの歴史的暴挙に断固抗議するとともに、「閣議決定」の撤回を強く要求するものであります。(拍手)

 この「閣議決定」のどこが問題でしょうか。それは、「海外で戦争する国」づくりを、二つの道で推し進めるものとなっています。

 第一は、アメリカが世界のどこであれ戦争に乗り出したさいに、自衛隊が「戦闘地域」までいって軍事支援を行うということです。

 私は、5月28日の衆院予算委員会でこの問題を追及しました。2001年の米国によるアフガニスタン報復戦争、2003年の米国によるイラク侵略 戦争にさいして、日本は自衛隊を派兵しました。しかし、どちらの場合も、派兵法の第2条で、「武力行使をしてはならない」「戦闘地域に行ってはならない」 という二つの歯止めが明記されていました。当時の小泉純一郎首相はよく言っていました。「自衛隊を派遣するが、戦闘地域に行くんではありません。非戦闘地 域にしか行きません。自衛隊のいるところが非戦闘地域なんです」。ここにはゴマカシがありましたが、一つの歯止めになったことも事実でした。自衛隊の実際 の活動は、インド洋での給油活動、イラクでの給水活動や空輸活動にとどまりました。

 私は、安倍晋三首相にただしました。「集団的自衛権の行使ができるとなれば、この二つの歯止めが外されてしまうのではないですか」。再三、ただし ましたが、首相は歯止めを残すと言いませんでした。反対に自衛隊の活動を拡大する方向で、「従来のあり方を検討する」と答弁しました。自衛隊が「戦闘地 域」に行くことを認めたのであります。

 「閣議決定」には、そのことがあからさまな形で明記されました。自衛隊が活動する地域を「非戦闘地域」に限るという従来の枠組みを廃止し、これまで「戦闘地域」とされてきた場所であっても支援活動ができるとしたのです。

 そうなったらどうなるか。「戦闘地域」での活動は、それがたとえ補給、輸送、医療などの「後方支援」であっても、相手からの攻撃を受けることにな ります。攻撃されたらどうなるか。わが党の笠井亮衆院議員と小池晃参院議員が連続追及しました(7月14日・衆院予算委員会、7月15日・参院予算委員 会)。攻撃されたらどうするのか、わが党の追及に対して、首相は「逃げます」と答えました(笑い)。それではすまないでしょうとさらに追及されまして、 「武器の使用はする」と、しぶしぶ認めました。結局、応戦し、武力行使となるのであります。

 それが何をもたらすか。アフガン戦争にさいして、NATO(北大西洋条約機構)の国ぐには集団的自衛権を発動して参戦しました。NATOが決めた 当初の活動内容は、「後方支援」ばかりだったのです。それでも泥沼の戦争に巻き込まれていきました。米国以外のNATO軍の犠牲者は、戦争開始から今日ま で21カ国、1035人にのぼっています。

 みなさん。安倍政権がやろうとしているのは、日本の国を守ることでも、国民の命を守ることでもありません。アメリカが起こすアフガン戦争やイラク 戦争のような戦争で、自衛隊が「戦闘地域」まで行って軍事活動ができるようにする、アメリカの戦争のために日本の若者の血を流す、これこそが正体だという ことを私は訴えたいと思うのであります。(拍手)

集団的自衛権――「自衛の措置」の名で海外での戦争にのりだす

 第二は、「自衛の措置」という名目で、集団的自衛権行使容認に公然と踏み込んだということです。「閣議決定」は、日本に対する武力攻撃がなくて も、「日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」には、武力の行使=集団的自衛権の行使ができるとしています。

 それは一体どんな場合でしょうか。安倍首相が一つ覚えのように繰り返しているのは、「紛争時に邦人輸送をする米艦船の防護」であります。彼は、記 者会見で、繰り返し、お母さんが赤ちゃんを抱っこしている絵の入った大きなパネルを使って、「助けなくていいのか」と熱弁をふるいました。しかし、緊急時 の邦人の避難というのは、あくまでも日本政府の責任で行われるべきものです。1997年の日米ガイドラインの協議の場で、日本側は「米軍による邦人救出」 を要請しましたが、米側から断られ、「日米両国政府は、自国の国民の退避は各々の責任で行う」ことが確認されています。だいたいアメリカの救出活動の特徴 は、国籍による優先順位があることです。第1位はアメリカ国籍保持者、第2位はアメリカ永住権保持者、第3位はイギリス国民、第4位はカナダ国民、第5位 はその他国民、日本人は最後のその他に入るのです。米軍は日本人を運んでくれないのです。現実にはありえないこんな例しか持ち出せない。これは、「国民の 命を守る」という自らの言明がいかに空理空論であるかを、自ら証明するものではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 許し難いのは、安倍首相が、集団的自衛権行使容認という、「海外で戦争する国」への大転換に踏み出しながら、国民に事の真相を語らず、ウソとゴマカシに終始していることであります。私は、三つのウソとゴマカシということを指摘したいと思います。

 一つは、首相が、「現行の憲法解釈の基本的考え方は、何も変わるところがない」としていることです。しかし、従来の政府の第9条に関するすべての 見解は、「海外での武力行使は許されない」ことを土台として構築されてきました。集団的自衛権というのは、日本に対する武力攻撃がなくても、他国のために 武力行使をする=海外での武力行使をするということです。従来の憲法解釈の土台を百八十度覆しておきながら、「何も変わるところがない」とは、こんな厚顔 無恥な詭弁(きべん)はないではありませんか(拍手)。しかも、首相は、先週、オーストラリアの連邦議会の演説で「日本は安全保障の法的基盤を一新しよう としている」と語りました。国内では「何も変わるところがない」といいながら、外国では「法的基盤を一新」と売り込む。このような国民を欺く二枚舌政治 は、断じて許されるものではありません。(拍手)

 二つは、首相が、集団的自衛権の行使は、「明確な歯止めがある」「限定的なもの」としていることです。これも悪質なゴマカシです。「明白な危険」 があるかどうかを判断するのは誰か。時の政権ではありませんか。それは、首相が「政府が全ての情報を総合して判断する」と答弁したとおりであります。しか し、いざというときに国会で「その情報を明らかにせよ」といっても、「それは特定秘密です」ということになるでしょう。さらに、首相は、昨日(7月14 日)、「石油の供給不足」や「日米関係に重大な影響」がある場合でも武力の行使がありうると答弁しました。結局、「歯止め」などどこにもないではないです か。国会にも国民にも真実が明らかにされないまま、時の政権の一存で海外の武力行使が底なしに広がるというのが、事の真相だということを私は言わなければ なりません。(拍手)

 三つは、首相が、「日本が戦争に巻き込まれることはあり得ない」としていることです。私は、1997年の国会で質問したことがあります(10月7 日、衆院予算委員会)。「戦後、アメリカが世界各地でおこなった武力行使のなかで日本がそれに批判的立場をとったケースが一回でもありましたか」。当時の 橋本龍太郎首相は、悔しそうに、こう答弁しました。「第二次世界大戦後、わが国が国連に加盟いたしまして以来、わが国は米国による武力行使にたいし国際法 上違法な武力行使であるとして反対の意を表明したことはございません」。こんな国は、世界の主要国で日本しかありません。それでもアメリカの戦争に戦闘部 隊を送ることがなかったのは、「集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」という歯止めがあったからです。この歯止めをなくしてしまって、米国からの要求 があった時にどうして断れるでしょうか。日本が、ベトナム戦争や、イラク戦争のような無法な侵略戦争に加担することになることは明らかではないでしょう か。(拍手)

 1941年12月8日に発せられた太平洋戦争開戦の「詔書」には、次の言葉がありました。

 「帝国ノ存立亦(また)正ニ危殆(きたい)ニ瀕セリ…帝国ハ今ヤ自存自衛ノ為蹶然(けつぜん)起ツテ一切ノ障礙(しょうがい)ヲ破碎(はさい)スルノ外ナキナリ」

 無制限の海外での戦争を、「国の存立」「自衛の措置」の名で推し進めることは、かつて日本軍国主義が「帝国の存立」「自存自衛」の名で侵略戦争を進めた誤りを、ふたたび繰り返すものであり、断じて許すわけにはいきません。(大きな拍手)

戦後日本の国のあり方を根底から覆す――失われるものは何か

 みなさん。こうした二つの道で「海外で戦争する国」づくりをめざす「閣議決定」は、戦後日本の国のあり方を、根底から覆そうというものにほかなりません。

 戦後日本の政治は、その大部分が自民党政権によって担われてきました。それによる深刻なゆがみがあらゆる分野でつくりだされました。しかし、私 は、そのもとでも、戦後日本の歴史のなかには、世界に誇っていい歴史もあると考えます。その最大のものは、日本国憲法第9条と、この条項を守り生かす国民 のたたかいがつくりだした歴史ではないでしょうか。(拍手)

 今年は、自衛隊創設からちょうど60年になります。この60年間、自衛隊は、一人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出していません。これは歴代の 自民党政権が立派だったからではありません。憲法9条の偉大な力ではないでしょうか(拍手)。憲法9条は自衛隊員の命をも守ってきたということを強調した いと思うのであります。(拍手)

 安倍政権は、こうした戦後日本の国のあり方を根底から覆し、「殺し、殺される国」につくりかえようとしています。そのことによって失われるものは何でしょうか。私は、次の三つの点をあげなければなりません。

 第一に、若者の命と人生が失われます。戦争がもたらす犠牲とはどのようなものか。自衛隊員の戦死者は一人もいないといいましたが、戦争の犠牲者が いないわけではありません。「非戦闘地域」への派遣が建前だったイラク派兵でも、迫撃砲やロケット弾による宿営地への攻撃は14回に及びました。緊張と恐 怖から、派遣された隊員の1割から3割が精神に不調をきたしました。そしてアフガン派兵とあわせて帰国後40人の隊員が自ら命を絶っているのです。

 これが「戦闘地域」への派兵、「殺し、殺される」状況に投げ込まれたらどうなるでしょう。米国にはイラク戦争とアフガニスタン戦争の帰還兵が 200万人以上います。うち60万人が戦地で経験した戦闘や恐怖から心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを患っています。そして米国政府の統計による と、何と1日平均22人が自殺をしています。戦場での戦死に加えて、年間8千人もの自殺です。これを日本の若者に押しつけようというのでしょうか。戦争で まっさきに犠牲とされるのは、未来ある若者です。若者を戦場に送るな――この声を突きつけようではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

 第二に、日本が憲法9条とともに築いてきた国際的信頼が失われます。「日本国際ボランティアセンター」(JVC)は、6月10日、声明を発表し、 次のように訴えました。「先進主要国のほとんどがアフガニスタン本土に軍を派遣する中、日本だけは反政府武装勢力にも住民にも銃を向けることがありません でした。これが、アフガニスタンにおいて日本が最も信頼される国と見なされてきた理由です」「政府の議論に欠けているのは、『失うもの』の大きさに対する 認識です。これまで日本は、…非軍事に徹した国際平和協力を行ってきました。これは他国にできない日本の独自性であり、これにより日本が国際的な信頼を獲 得してきたことは、まぎれもない事実です。…第二次世界大戦以降およそ70年間をかけて築き上げてきた資産や信頼を決して失ってはならないのです」。

 世界の紛争地で、献身的にボランティア活動にとりくんできた多くのNGOから、日本が「海外で戦争する国」になったら、海外で他国民に銃を向ける ようになったら、世界から日本に寄せられてきた信頼が憎悪に変わり、日本人がテロの対象とされ、「失うもの」はあまりに大きいという警告が発せられていま す。安倍政権はこの声を真剣に受け止めるべきだと、私は言いたいと思います。(拍手)

 第三に、日本社会から人権と民主主義が失われます。「海外で戦争する国」づくりは、戦争に国民を動員する体制づくりと一体のものであります。秘密保護法は、その重大な一歩でした。改悪教育基本法にそって、子どもたちに「愛国心」を押しつける動きも重大であります。

 この点にかかわって、私は、徴兵制の問題に触れないわけにいきません。「自衛隊に犠牲者が出れば、自衛隊員が激減し、徴兵制になりかねない」―― 多くの識者の懸念は、決して杞憂(きゆう)とはいえません。政府は、これまで徴兵制について、憲法18条が禁止する「奴隷的苦役」にあたり許されないとし てきました。しかし、自民党の石破茂幹事長は、国会の発言で、つぎのようにのべています。「国を守ることが意に反した奴隷的な苦役だというような国は、国 家の名に値しない。徴兵制が奴隷的な苦役だとする議論にはどうしても賛成しかねる」(2002年5月23日、衆院憲法調査会・基本的人権の保障に関する調 査小委員会)。憲法の根幹をなす9条の解釈さえ勝手に変更する勢力が、憲法18条の解釈を変更しないと、いったい誰が保証できるでしょうか。

 秘密保護法、「愛国心」の押しつけ、そして徴兵制――国民を無理やり戦争に動員するあらゆる企てを、きっぱり拒否しようではありませんか。(大きな拍手)

何のためにこんな暴走をしているのか――根本に安倍首相自身の反動的野望

 ここで疑問がでてきます。それにしても何のために、安倍首相はこんなとんでもない暴走をしているのか。

 根底には、日米軍事同盟を侵略的に強化しようという日米支配勢力の思惑が働いていることは間違いありません。しかし、それだけでは説明がつきませ ん。公明党の会議で「なぜそんなに拙速に進めるのか」と質問する公明党議員に、北側一雄副代表はこう返したそうです。「安倍首相が急いでいるんだ」(笑 い)。答えになっていませんが(笑い)。安倍首相の異常な性急さ、乱暴さの根本には、安倍首相自身の反動的野望があるということを、私は指摘しなければな りません。

 首相は、『この国を守る決意』(2004年、扶桑社)という著書で、彼の祖父・岸信介首相について、60年安保改定を「断固としてやり抜いた」 「祖父の世代は祖父の世代の責任を果たした」と礼賛しています。そして、「われわれには新たな責任がある。それは、日米安保条約を堂々たる双務性にしてい くことだ」「軍事同盟というのは、“血の同盟”です。…今の憲法解釈のもとでは、日本の自衛隊はアメリカが攻撃されたときに血を流すことはない。…それで は完全なイコールパートナーとは言えない」とのべて、集団的自衛権の行使を説いています。

 つまり、安倍首相の行動というのは、日本の安全や世界の平和という目的から出発したものでは決してないのです。自分の祖父に続く「日本のリーダー」として歴史にその名を刻みたい、そうした自らの野望の実現のために、「海外で戦争する国」に突き進んでいるのであります。

 しかし、それによって失うものははかり知れないではありませんか。若者の命を危険にさらし、日本の国際的信頼を投げ捨て、人権も民主主義も破壊する――これは文字通りの「亡国の政治」そのものではないでしょうか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

たたかいの帰すうを決めるのは世論と運動――空前の国民的反撃を

 みなさん。安倍政権のたくらみは危険ですが、大局で見れば、決して思惑通りに進んでいるわけではありません。

 彼らはまず、憲法9条の明文改憲を狙いましたが、改憲反対が国民世論の多数を占め、うまく進みませんでした。そこでつぎに憲法96条の改憲手続き を緩和しようとしましたが、今度は憲法9条改定の是非を超えて「邪道だ」という声が起こり頓挫しました。そこで解釈改憲で集団的自衛権行使容認を進めよう としていますが、保守政治を中枢で支えてきた人々を含めて「こんな裏口入学は許せない」「立憲主義の否定だ」との批判が広がっています。暴走の一歩一歩 が、新たな人々の批判を広げています。各メディアの世論調査では、どれも5割から6割の国民が反対の声をあげているではありませんか。大局で見れば、追い つめられているのは、安倍政権の側ではないでしょうか。(拍手)

 平和を願う国民のエネルギーは広く深いものがあると感じます。6月30日と7月1日の官邸前行動には、連日、数万人の人々が参加し、「海外で戦争 する国」づくりに反対する抗議の国民的エネルギーを目に見える形で示しました。若い世代が、「最大の被害者となるのは私たちだ」と、この問題を文字通り自 らの問題としてとらえ、たたかいの主人公となっているのは素晴らしいことであります(拍手)。子育て世代は、「子どもたちが戦争に巻き込まれるのではない かと不安だ。私たちの責任で平和憲法を子どもたちの世代に引き渡したい」と声をあげています。高齢者世代は、「あの悲惨な戦争を、孫の世代に体験させるわ けには絶対にいかない」と立ち上がっています。

 日本弁護士連合会と全国各地の52の弁護士会のすべてで反対声明が採択されています。日本の弁護士全員が加入する弁護士会が、弁護士法第1条の 「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」との使命に燃えて、立憲主義を守り、恒久平和主義を求めて、たたかいの先頭に立っていることは、心強い限りで あります。(拍手)

 宗教者の批判の広がりも目覚ましいものがあります。日本の伝統仏教界における唯一の連合組織で、主要な59の宗派、36の都道府県仏教会、10の 仏教団体、合計105団体が加盟する全日本仏教会は、つぎのような談話を発表しました。「仏陀(ぶっだ)の『和の精神』を仰ぐ者として、このたびの集団的 自衛権の行使を容認する閣議決定には、人間の知恵の『闇』を垣間見るがごとき、深い憂慮と危惧の念を禁じ得ません」。

 自民党の歴代元幹事長、改憲派といわれてきた憲法学者が、つぎつぎと「しんぶん赤旗」に登場し、反対の論陣を張っています。「日経ビジネス」電子 版コラム(5月16日)は、「行く手に翻るのは赤い旗のみか?」(笑い)と題して次のように書きました。「安倍政権が発足して以来、日本共産党の機関紙で ある『赤旗』のインタビュー欄に、保守系の論客や、自民党の元重鎮が登場するケースが目立つようになっている。これは、普通に考えれば赤旗編集部内に優秀 な交渉役がいるということなのだろうが(笑い)、それだけでもないはずだ。保守系の論客と見なされている人々が、次々と赤旗のインタビューに応じている背 景には、安倍政権に対して、真正面から反論する場を提供してくれる媒体が、もはや赤旗ぐらいしか残っていないことを示唆している」(拍手)。かつての論争 の相手が、いまでは共同の相手に変わっています。そして、「しんぶん赤旗」が日本の理性と良心のよりどころになっているのは、ほんとうにうれしいことであ ります。(拍手)

 みなさん。「閣議決定」が強行されたからといって、自衛隊を動かせるわけでは決してありません。たたかいはこれからです。日本共産党は、憲法違反 の「閣議決定」の撤回を強く求めるとともに、「閣議決定」を具体化し、「海外で戦争する国」をめざすいっさいの立法作業をただちに中止することを強く要求 するものであります。(拍手)

 日本は今、戦争か平和かをめぐって、戦後最大の歴史的岐路を迎えています。このたたかいの最終的な帰趨(きすう)を決めるのは、国民の世論と運動 であります。「海外で戦争する国」づくりを許すな、解釈で憲法を壊すな――この一点で、空前の国民的反撃のたたかいをおこし、安倍政権の軍国主義復活の野 望を必ず打ち砕くために、ともに力をあわせようではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

北東アジアの平和と安定をどうはかるか――「北東アジア平和協力構想」

 この問題の最後に、北東アジアの平和と安定をどうはかるかについての日本共産党の考えをお話ししたいと思います。

 安倍首相は、ことあるごとに「我が国を取り巻く安全保障環境が悪化している」と言い募り、集団的自衛権行使容認の口実にしています。第1次安倍政権のときにも、「環境が悪化している」と言ったものでした。彼が登場すると「環境が悪化」する。(笑い)

 北東アジアには緊張と紛争の火種が存在することは事実です。しかし、首相のように専ら「抑止力」の強化、軍事力増強で構えたらどうなるでしょう。 相手も軍事力増強を加速することになります。そうなれば、「軍事対軍事」の悪循環に陥ってしまうではありませんか。いま日本にとって何よりも大切なこと は、どんな問題も、道理に立った外交交渉による解決、平和的解決に徹する、憲法9条の精神に立った外交戦略を確立することではないでしょうか。(拍手)

 日本共産党は、今年1月の第26回党大会で、次の四つの目標と原則に立った「北東アジア平和協力構想」を提唱しました。

 第一に、域内の平和のルールを定めた北東アジア規模の「友好協力条約」を締結しよう。

 第二に、北朝鮮問題を「6カ国協議」で解決し、この枠組みを地域の平和と安定の枠組みに発展させよう。

 第三に、領土問題の外交的解決をめざし、紛争をエスカレートさせない行動規範を結ぼう。

 第四に、日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は、不可欠の土台となる。

 この4点ですが、これは決して理想論ではありません。机上の議論でもありません。この間、私たちは、東南アジアを訪問して、ASEAN(東南アジ ア諸国連合)の国ぐにの取り組みをじかに見てまいりました。ASEANでは、「東南アジア友好協力条約」(TAC)といいまして、「紛争の対話による解 決」をめざす平和の地域共同の枠組みがしっかりつくられています。インドネシアのジャカルタにあるASEAN本部を訪問して話を聞きますと、「ASEAN では年間1000回もの会合をやっています。あらゆるレベルで対話と信頼醸成をはかっています。だからこの地域にもいろいろな紛争問題があるけれども戦争 になりません。何でも話し合いで解決します。それを実践しています」。こういう説明でした。東南アジアで現につくられている平和の枠組みを、北東アジアに も築こうではないかというのが、日本共産党の提案であります。(拍手)

 私たちは、この提案をもって内外の人々と懇談を重ねてまいりました。ある国の大使は、私たちの提案に対して次のように答えてくれました。「全面的 に共感します。志位委員長がいわれた構想通りになれば、真の意味での北東アジアの平和と協力の枠組みとなります。だから一刻も早く、日本共産党に政権を とっていただき、ぜひこの構想を実現していただきたい」(拍手)。うれしい期待であります。

 元外務省高官の一人は、次のような感想を寄せてくれました。「極めて正論で、当然支持を得られるべきです。日本と中国、韓国も入れて、どういう東 アジアをつくるのか、その議論を始めましょう。角を突き合わせていがみ合う東アジアではなく、平和でむつみ合い誠実に、相手に対して寛容な、そういうもの がいきわたる東アジアをつくりたい」。

 みなさん。日本共産党の「北東アジア平和協力構想」こそ、地域の平和と安定を守り、未来に真に責任を負う提案ではないでしょうか。(拍手)

 日本共産党は、野党であっても憲法9条を生かした自主自立の野党外交で世界とアジアの平和のために力を尽くしていますが、私たちの野党外交の方針が、一日も早く、日本政府の外交方針になる日が訪れるように、みなさんのお力添えを訴えるものであります。(大きな拍手)

暮らし破壊の「逆立ち」経済を大本からただそう

消費税大増税――国民に説明がつかない“3重の「逆立ち」税制”

 つぎに暮らしと経済についてお話ししたいと思います。

 安倍首相は、通常国会閉会後の記者会見で、「この国会は、まさしく好循環実現国会でありました」「企業の収益が雇用の拡大や所得の上昇につなが り、まさに経済の好循環が生まれようとしています」と自画自賛しました。しかし、「経済の好循環」なるものは、現実にはどこにも存在しておりません。首相 の頭のなかにだけ(笑い)存在する、「幻」にすぎません。

 4月から消費税大増税が強行されました。8%への引き上げで8兆円もの負担増です。家計がどうなっているか。私が最も重大だと思うのは、労働者の 実質賃金が、4月に前年比マイナス3・4%、5月にマイナス3・6%と大幅に減少したことです。賃金が上がらないのに、円安によって物価だけ上がり、消費 税増税が追い打ちをかけた結果であります。調べてみますと、4、5月としては、この20年来、最大の落ち込みであります。ところが政府は、増税後の景気動 向を「想定内」だと言い張っています。実質賃金の下落、購買力の低下を、「想定内」だとするのは、暮らしと経済に責任を負うべき政府が決して口にすべきこ とではないのではないでしょうか。(拍手)

 みなさん。今回の消費税大増税ほど、国民に説明のつかない、道理のたたないものはありません。私は、これは“3重の「逆立ち」税制”だということを告発したい。

 第一の「逆立ち」は、「社会保障のため」といって消費税増税を強行しながら、悪名高い社会保障給付の「自然増削減」の方針を復活させたということ です。安倍政権が6月に決定した「骨太の方針」というのがあります。国民の“骨身を削る”方針です。この方針で、「社会保障給付について、…『自然増』も 含め聖域なく見直す」ことが明記されました。それが何をもたらすか。国民のみなさんは散々な体験をされていると思います。かつて小泉内閣は、「構造改革」 の名で社会保障費の「自然増」を毎年2200億円削減する方針を掲げ、日本の社会保障をボロボロにしてしまいました。そして、さすがの自民党もこれを「諸 悪の根源」と認め、麻生内閣のもとでこの方針は撤回されたのであります。それを臆面もなく復活させる。しかも国民には大増税を押しつけながら復活させる。 こんな無反省・無責任な政治はないではありませんか。(拍手)

 第二の「逆立ち」は、「財政再建のため」といって消費税増税を強行しながら、大企業には大減税の大盤振る舞いが行われていることです。今年度、大 企業には、復興特別法人税の廃止、投資減税など、1・5兆円もの減税がばらまかれました。さらに「骨太の方針」には、法人税率の引き下げが明記されまし た。財界が求める法人税率10%引き下げを実行したら、5兆円もの大減税になります。「社会保障のため」「財政再建のため」といって消費税を増税しておい て、それを大企業減税に使うとは、これは国家的詐欺に等しいやり方だといわねばなりません。(大きな拍手)

 そして第三の「逆立ち」は、その大企業減税の財源のためとして、「外形標準課税」の拡大など、赤字で苦しむ中小企業からも税金を取り立てようとし ていることであります。中小企業は、日本の雇用の7割を支えています。少なくとも12兆円にのぼる社会保険料を負担しています。中小企業が従業員へ支払う 賃金から発生する所得税は約3兆円にのぼります。日本経済の根幹を支えているのは中小企業ではありませんか。大企業減税の財源のために、この根幹を犠牲に して恥じないというのは、「逆立ち」税制ここにきわまれりというほかありません。(拍手)

 みなさん。消費税大増税はどこから見ても道理のかけらもありません。消費税大増税ストップの声を突きつけようではありませんか(拍手)。来年の いっせい地方選挙では、日本共産党の躍進で、増税勢力に国民の怒りの審判をくだそうではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

株価のためなら何でもあり――「後は野となれ山となれ」の政治でいいのか

 それでは安倍政権が「成長戦略」の名でやろうとしていることは何でしょうか。これはおよそ経済政策の名に値するものではありません。

 一言でいって、政権を維持するために、株価を引き上げることの一点を目的とし、そのためならば何でもあり――これがその中身です。官邸の安倍首相 の執務室には「株価ボード」なるものが設置されているといいます。日々の株価に一喜一憂する「株価連動政権」(笑い)。これが「アベノミクス」なるものの 正体であります。

 安倍首相は、今年5月、イギリス・ロンドンの金融センター、シティで行ったスピーチで、外国人投資家を前に、つぎの三つのことを約束し、「日本株を買ってください」と訴えました。

 一つは、「法人税の改革を、一層進めます」。“法人税を引き下げます、そうすれば企業の利益が増え、株主への配当が増え、株価が上がります。どう か日本株を買ってください”というわけです。財政危機だと国民には消費税増税を強いながら、さらに中小企業に新たな増税計画を押しつけながら、法人税大減 税を世界に約束したのです。それによって税収に穴があき、財政危機がさらにひどくなってもお構いなしというわけであります。

 二つは、「世界最大の年金基金の改革を進めていきます」。“日本の公的年金の積立金は130兆円にのぼりますが、この巨額の資金を使って日本株を 買い増します。政府が買うのですから確実に株価は上がります。どうか日本株を買ってください”というわけです。しかし、国民の虎の子の年金積立金を株に投 じるということは、それを大きなリスクにさらすことにほかなりません。金融大国アメリカでさえ公的年金の積立金で株を買うことはしていません。文字通りの 禁じ手を使ってまで株価を引き上げようというのは許すわけにいかないということを、私は訴えたいのであります。(拍手)

 三つは、「労働の制度は、新しい時代の新しい働き方に合わせ、見直しを進めます」。“残業代はゼロにしましょう、派遣労働への規制はすべて取り払 いましょう、そうすれば企業の利益は確実に上がり、株価は上がります。どうか日本株を買ってください”というわけです。そのことによる長時間労働で「過労 死」が増えようと、「生涯ハケン」「正社員ゼロ」社会になろうと、知ったことではないというわけであります。とんでもないではありませんか。(「その通 り」の声、拍手)

 株価のためなら、庶民や中小企業が重税に苦しもうと、国の財政がどうなろうと、年金がどうなろうと、雇用がどうなろうと、「後は野となれ山とな れ」。さらに株価引き上げ以外のメニューを見ますと、日本の食と農を破壊するTPP(環太平洋連携協定)の推進、原発再稼働、原発輸出、武器輸出、そして カジノ賭博解禁です。これが「成長戦略」というのですから聞いてあきれるではありませんか(拍手)。ここには、まっとうなものは一つもありません。国民の 命と暮らしを守るという立場はかけらもないではありませんか。

 暮らし破壊の「逆立ち」経済、文字通りの「亡国の政治」というほかないではありませんか。(拍手)

 安倍政権に、もはや日本経済のかじ取りする資格なしということを、私はいいたいと思います。(大きな拍手)

 

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原発再稼働を許さず、「原発ゼロの日本」への道を開こう!

2014-07-17 | 日本共産党の機関決定文書

後半

正されるべき日本経済の病理はどこにあるのか――日本共産党の提案

 みなさん。それでは本当に正されるべき日本経済の病理はどこにあるでしょうか。

 大企業のもうけがいったいどこにまわっているのか、この1年間の動きについて調べてみました。2013年度の決算を集計してみますと、上位500 社で見て、利益は1年間で12兆円から22兆円へと2倍近くに急増しています。この利益がどこにまわったか。1人あたりの役員報酬は11%増と大幅アップ しています。株主への配当金総額は20%増と大幅アップしています。ところが正社員に払われた給与総額はわずか1%しか増えていません。その一方で、 500社の大企業の内部留保は、1年間で20兆円も増えました。

 大企業の利益が増えても、そのお金は、株主への配当、役員報酬の引き上げ、そして内部留保に積まれてしまい、労働者の賃金には少しもまわらない。ここにこそ、メスを入れるべき日本経済の一番の病理があるということを私は訴えたいと思います。(拍手)

 そういう診断が明瞭になれば、処方箋もおのずから明らかになるのではないでしょうか。私は、この日本経済の病理を正し、日本経済を再生させるために、二つの改革を提唱したいと思います。

 第一は、税金は負担能力に応じてという「応能負担」の原則に立った税制改革を進めることであります。

 トヨタ自動車が、2008年度から12年度までの5年間、法人税ゼロだったということが話題になりましたが、大企業の法人税負担率はさまざまな優 遇税制のおかげでたいへんに低いのです。500社の集計をやってみますと、法人税負担率はわずか24%にすぎません。政府・財界は、口を開けば、日本の法 人税実効税率は35%で諸外国に比べて高いから、「20%台をめざす」といいますが、実際はもう少しで20%台を割り込むところまで税負担率は下がってい るのです。

 みなさん。増税するなら、巨額の株の配当などで潤っている富裕層、そして巨額の利益をあげている大企業への優遇税制をただし、もうけ相応の税金を払ってもらおうではありませんか。(拍手)

 第二は、大企業の内部留保を、日本経済に還流させ、国民の所得を増やす経済改革に取り組むことです。

 日本共産党は、これまで、大企業の内部留保の1%を取り崩すだけで、「月1万円以上」の賃上げが可能だと主張してきました。しかし、いまや多くの 大企業は賃上げのために内部留保を取り崩す必要すらありません。この1年間で増えた内部留保――20兆円の一部を使うだけでも、大幅賃上げは可能になりま す。全労連は、消費税増税による「賃下げ効果」も考慮し、「月1万6000円以上」の賃上げを要求していますが、これは、この1年間で増えた内部留保のわ ずか2割程度を使えば実現します。

 みなさん。大企業の巨額の内部留保を活用して、すべての労働者の大幅賃上げを実現しようではありませんか。(拍手)

 労働者派遣法を抜本改正して、「雇用は正社員が当たり前の社会」をご一緒につくろうではありませんか。(拍手)

 「過労死」を生む長時間・過密労働を是正して、安定した雇用を増やそうではありませんか。(拍手)

 中小企業への手当てをしっかり行いながら最低賃金を時給千円以上に引き上げ、この日本から「働く貧困層」をなくしていこうではありませんか。(拍手)

 若者を使いつぶす「ブラック企業」を厳しく規制しましょう。(拍手)

 中小企業と大企業の公正な取引のルールをつくり、適正な単価を実現させようではありませんか。(拍手)

 ここにこそ、国民の暮らし第一で日本経済再生をはかる大道があります。

 私は、日本共産党が示す改革こそ、日本経済の病理を正し、未来に責任を負う唯一の方策であると確信するものであります。(拍手)

 みなさん。その実現のためにともにたたかおうではありませんか。(大きな拍手)

原発再稼働を許さず、「原発ゼロの日本」への道を開こう

被災地切り捨て政治は許せない――「オール福島」の声に連帯してたたかう

 つぎに原発の問題についてお話ししたいと思います。

 安倍政権は、原発を永久に使い続ける「エネルギー基本計画」を決定し、原発再稼働への暴走を行っています。まず私が強調したいのは、この暴走が、被災地・福島の願いに真っ向から背くものだということであります。

 東日本大震災と原発事故から3年4カ月。いまだに13万人もの県民のみなさんが先の見えない避難生活を余儀なくされておられます。福島県の調査に よりますと、県内外に避難されている家族の49%が2カ所以上に離れ離れになって暮らさなければならなくなっています。避難後心身の不調を訴えるように なった人がいる世帯は68%に達しています。「震災関連死」は1700人を超えて増え続けています。

 にもかかわらず安倍政権の姿勢はどうでしょうか。原発再稼働や輸出に向けた環境づくりのために、収束も、賠償も、除染も「終わったことにしよう」――これがその姿勢ではありませんか。

 福島原発では汚染水問題がますます深刻になっています。地下水をくみ上げて海に放出する地下水バイパスを行っていますが、くみ上げ用井戸1カ所で 放射性トリチウムの上昇が続き、基準値を上回りました。ところが東電は、汚染地下水を他の地下水と混ぜて、基準値を下回ったとして、海への放出を続けてい ます。「薄めれば捨ててよい」ということが許されるなら、およそ海への放射能汚染水の放出は天下御免になります。こんな無責任な姿勢を許すわけにはまいり ません。(「そうだ」の声、拍手)

 避難指示を解除し、住民が戻ろうが戻るまいが、1年後に避難にかかわる賠償を打ち切るという避難者切り捨て政策が始まっています。除染について も、従来の目標である「年間追加線量1ミリシーベルト以下」を引き上げて、事実上「除染は終わり」という状況を広げようとしています。

 そして石原伸晃環境大臣の「最後は金目でしょ」の発言です。地元紙「福島民報」は、「『金など要らない。古里を返せ(拍手)、元の暮らしを返せ』 この心の叫びが国には聞こえないのか」と厳しく批判しました。この発言は単なる「失言」ではなく、安倍政権の被災地切り捨て政策の本性が露呈したものとし て、断じて許すわけにはいきません。(大きな拍手)

 「収束宣言を撤回し、住み続けられる福島に戻せ」「福島原発の全基廃炉を決断せよ」「徹底した除染と完全賠償を行え」――日本共産党は、「オール福島」のこの声に固く連帯し、福島復興のために最後まで力をつくす決意を表明するものです。(大きな拍手)

原発再稼働差し止めの福井地裁判決の歴史的意義

 原発再稼働に突き進む安倍政権に痛打を与える画期的な出来事が起こりました。5月21日、福井地裁は、関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止め を命じる歴史的判決を下しました(拍手)。私は、判決文を、何度も読みましたが、福島原発事故から真摯(しんし)に教訓を引き出し、誰もが納得できる、簡 単には覆すことのできない太い論理に貫かれています。私は、とくに四つの点に深い感動を覚えました。

 第一は、この判決が、憲法で保障された「人格権」を最優先していることです。

 判決では、「個人の生命、身体、精神及び生活に関する利益」の全体を「人格権」とよび、人格権は憲法上の権利であって、日本の法律のもとでは「こ れを超える価値を他に見出(いだ)すことはできない」と宣言しています。「人格権はもっとも尊い権利なのだ」と天下に宣言したのです。そして原発の運転に よって、この「根源的な権利が極めて広汎に奪われる」という事態を招く「具体的危険性が万が一でもあれば、その差し止めが認められるのは当然である」とし て、運転差し止めを命じたのであります。(拍手)

 ひらたく言いますと、“国民の命と暮らしを守ること以上に大切なことはない”という当たり前の大原則にたって、原発再稼働ストップの判定を下したのであります。(拍手)

 第二は、この判決が、原発の他の技術とは異なる「本質的な危険性」を繰り返し強調していることです。

 判決は、「原子力発電技術の危険性の本質及びそのもたらす被害の大きさは、福島原発事故を通じて十分に明らかになったといえる」と指摘し、次のよ うに述べています。「原子力発電においては、…いったん発生した事故は時の経過に従って拡大して行くという性質を持つ。このことは、(他の技術とは)異な る原子力発電に内在する本質的な危険である」。他の技術の場合には、仮に大事故が起こっても時とともに収束に向かいます。ところが原発は違う。ひとたび大 事故が起こったら、時とともに事故の被害は拡大していきます。

 日本共産党は、原発は他の技術にはない「異質の危険」を持っている、ひとたび大事故が起こったら、被害は空間的にも時間的にもとめどもなく広が る、だから人類と原発は共存できないと主張してきましたが、同じ論理が司法によって下されたことはたいへんに重要なことだと考えるものであります。(拍 手)

 第三は、判決が、原発「安全神話」に対して厳しい断罪を下したということです。

 関西電力は、訴訟の中で、基準地震動――想定される最大の地震の揺れ――を超える地震が到来することはまず考えられないと主張しました。それに対 して判決は、「全国で20箇所にも満たない原発のうち4つの原発に5回にわたり想定した地震動を超える地震が平成17年以後10年足らずの間に到来してい るという事実を重視すべき」だと一蹴し、つぎのように述べました。

 「この地震大国日本において、基準地震動を超える地震が大飯原発に到来しないというのは根拠のない楽観的見通しにしかすぎない上、基準地震動に満 たない地震によっても冷却機能喪失による重大な事故が生じ得るというのであれば、そこでの危険は、万が一の危険という領域をはるかに超える現実的で切迫し た危険と評価できる。このような施設のあり方は原子力発電所が有する前記の本質的な危険性についてあまりにも楽観的といわざるを得ない」

 原発「安全神話」に対して、司法による峻烈(しゅんれつ)な断罪が下されたのであります。(拍手)

 第四に、判決は、国民の安全よりもコストを優先する考え方をきっぱりと退けました。一番最後の部分なのですが、判決のなかでも特に感動的な部分であります。判決は、こう述べています。

 「被告(関電)は、原発の稼働が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利 と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている」 (拍手)

 多数の人々の命と電気代の高い低いの問題は、次元を異にする問題であって、天秤(てんびん)にかけること自体、「法的には許されない」。素晴らしいですね。(「その通り」の声、拍手)

 さらに判決は、日本の国の国富――国の富とは何かについて深い考察を示しました。

 「このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ…原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出 や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であ ると当裁判所は考えている」(拍手)

 くわえて判決は、地球温暖化対策を理由にした原発推進論に対して、次のように一刀両断の批判をくわえています。

 「被告(関電)は、原子力発電所の稼働がCO2(二酸化炭素)排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが、原子力発電所でひとたび深 刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子 力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである」(大きな拍手)

 これらはみんな、私が言っているのではありませんよ(笑い)。司法の判断なのです。(拍手)

 みなさん。この四つの判断は、大飯原発だけでなく、全国すべての原発にあてはまるものではないでしょうか。(拍手)

 私は、安倍政権がこの判決を重く受け止めて、全国すべての原発の再稼働を断念することを強く求めるものであります。(大きな拍手)

 それにしても、こうした事実と道理に立った理性的判決がなぜ生まれたか。根本には国民の世論と運動があると思います。

 官邸前で、全国各地で、粘り強く続けられた「再稼働反対・原発ゼロ」の運動が、司法への不当な圧力をとりはらい、司法をよみがえらせた。司法が本 来の「法と正義」に基づく理性的判決を下すことを可能にしたのではないでしょうか(拍手)。その点ではこの判決は、国民のたたかいが勝ち取った判決ともい えるのではないでしょうか(拍手)。これをみんなの確信にして、国民のたたかいで「原発ゼロの日本」への道を開こうではありませんか。がんばりましょう。 (大きな拍手)

米軍新基地建設ストップ、基地のない平和な沖縄を

「銃剣とブルドーザー」による土地強奪の再現――この暴挙は許せない

 つぎに沖縄の米軍基地問題について訴えたいと思います。

 安倍政権は、7月1日、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を強行したその日に、もう一つの暴挙を開始しました。沖縄県名護市辺野古のキャンプ・ シュワブ内で、米軍新基地建設の工事に着工したのであります。政府は、7月中にも、埋め立て工事に向けた海底ボーリング調査を強行しようとしています。

 地元紙はそろって、政府の動きを、60年前、「銃剣とブルドーザー」で住民を追い出し、家に火を放ってなぎ倒し、土地を強奪して基地を拡大した蛮 行とうり二つだと糾弾しました。県民の7割以上が反対し、稲嶺進名護市長も断固反対しているなかで、この声を一顧だにせず強行する姿勢は、およそ民主主義 国家とはいえません(拍手)。みなさん。ここでも「亡国の政治」がむき出しになっているではありませんか。(拍手)

 この間、安倍政権は強圧をもって、沖縄県選出の自民党国会議員と自民党県連に「県外移設」の公約を裏切らせ、仲井真弘多知事を裏切らせ、新基地建 設を容認させました。しかし、裏切りは許せないとの声がわきおこり、「オール沖縄」はいよいよ結束を固めつつあります。新基地建設の現場では、海上デモ、 反対集会、座り込みなど、粘り強いたたかいが日夜進められています。

 私は、言いたい。どんな強圧をもってしても沖縄県民を屈服させることは不可能だということを政府は思い知るべきであります。(「そうだ」の声、大きな拍手)

沖縄「建白書」こそ団結の要――保守・革新の枠組みをこえ島ぐるみのたたかいを

 「オール沖縄」の団結の要となっているのは、オスプレイ配備撤回、普天間基地閉鎖・撤去、県内移設断念を求める2013年1月の沖縄「建白書」で あります。沖縄の全41市町村長、議会議長、県議会と、主要な経済的、社会的団体の代表が直筆で署名し、連名で提出したこの歴史的文書にこそ、「オール沖 縄」の総意が込められています。一部の勢力が裏切り、脱落しても、「オール沖縄」のこの総意はみじんも揺らぐことはありません。反対に、これまでの保守・ 革新の枠組みを超えて、文字通りの島ぐるみのたたかいが力強く前進しています。

 「沖縄『建白書』を実現し未来を拓(ひら)く島ぐるみ会議」が立ち上げられ、7月末には結成総会が予定されています。すでに「島ぐるみ会議」の呼 びかけに呼応して、日本共産党から自民党の那覇市議団まで、超党派で県議・市町村議130人が参加し、議員団会議が発足しています。県の経済界の中から も、「基地頼みでは沖縄の未来はない」「裏切りは許せない」と「建白書」実現をめざす動きが起こっています。

 60年前の「銃剣とブルドーザー」による土地強奪の暴挙は、島ぐるみの本土復帰闘争を呼び起こしました。本土でも全国各地で沖縄の復帰闘争を支持 し連帯するたたかいがわきおこりました。それは乗り越えることが不可能にも見えた壁を乗り越え、本土復帰へと実を結んでいきました。今回の安倍政権によ る、県民の総意を踏みつけにした暴政もまた、島ぐるみのたたかいの巨大な発展を呼び起こさずにはおかないでありましょう。「沖縄は断じて屈しない」――沖 縄県民のこの決意に、全国が応えようではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

 日本共産党は、名護市辺野古への新基地建設に断固反対するとともに、普天間基地の無条件撤去、基地のない平和な沖縄をめざして、最後までたたかいぬく決意を表明するものです。(拍手)

 みなさん。11月に行われる沖縄県知事選挙は、県民を裏切って新基地建設を進める勢力と、「建白書」の実現をめざす「オール沖縄」の勢力とのたた かいとなるでしょう。この歴史的なたたかいに必ず勝利するために、全国のみなさんの支援を集中することを心からよびかけるものであります。(大きな拍手)

安倍政権打倒の国民的大運動をよびかける

 みなさん。集団的自衛権、暮らしと経済、原発、米軍基地――四つの問題を見てきましたが、安倍政権がやっていることは、どの分野でも、日本の国を亡ぼし、日本国民を亡ぼす、文字通りの「亡国の政治」ではないでしょうか。

 安倍政権は、歴代自民党政権のなかでも、戦後最悪の反動政権と言わなければなりません。(「そうだ」「その通り」の声、大きな拍手)

 このような内閣は、1日続けば、その分だけ、日本と国民に災いをもたらすことになることは、もはや明らかではないでしょうか。(大きな拍手)

 私は、心からよびかけたい。安倍政権打倒の国民的大運動を起こそうではありませんか。(歓声、長く続く大きな拍手)

 日本共産党は、このたたかいの先頭に立つとともに、国政の緊急の四つの転換を強く求めてたたかいます。

 第一は、「海外で戦争する国」づくりを中止し、憲法9条を生かした平和日本に転換することであります。(拍手)

 第二は、暮らし破壊の「逆立ち」経済を正し、暮らし第一で日本経済を再生することであります。(拍手)

 第三は、原発再稼働をストップし、「原発ゼロの日本」に転換することであります。(拍手)

 第四は、米軍新基地建設をストップし、基地のない平和な沖縄を実現することであります。(拍手)

 みなさん。それぞれの分野で、一致点にもとづく共闘――「一点共闘」を広げに広げ、それを安倍政権打倒の国民的大運動へと大合流させようではあり ませんか(大きな拍手)。みんなの力で安倍政権を打ち倒そうではありませんか。(「おう」「そうだ」の声、歓声、鳴りやまない大きな拍手)

未来に責任を負う党――日本共産党を強く大きく

綱領――未来への確かな羅針盤を持つ党

 みなさん。日本共産党こそ、未来に責任を負う政党です。最後に私は、この党の特質を、三つの角度から訴えたいと思います。

 第一は、日本共産党が、綱領という未来への確かな羅針盤を持っているということです。

 私たちの綱領では、日本の政治のあらゆる問題の根源に、「アメリカいいなり」「財界中心」という二つの異常なゆがみがあることを明らかにし、この ゆがみをただし「国民こそ主人公」の新しい日本への改革の展望を指し示しています。私たちが、今日お話ししたように、外交でも、経済でも、安倍政権の暴走 に正面から対決するとともに、国民の立場にたった具体的で建設的な対案を示すことができる根本には、綱領の力があるということを強調したいと思うのであり ます。(拍手)

 さらに私たちの綱領は、人類の歴史は資本主義で終わりでない、この矛盾に満ちた社会をのりこえて未来社会――社会主義・共産主義社会に進むという 展望を明らかにしています。その未来像の特質は、一言で言えば、人間の自由、人間の解放であります。私たちの党は、資本主義で世の中が終わりと思っている 政党とは違うんです。ましてや日々の目先の株価にしか(笑い)関心のない安倍政権とは違うんです(「そうだ」「違う」の声、拍手)。壮大な人類史的視野を もった政党が、日本共産党であります(拍手)。日本共産党という党名は、私たちのこの理想とかたく結びついた名前であり、これからも大切に使っていきたい ということを申し上げたいと思います。(拍手)

歴史――確かな歴史を持つ党でこそ、未来を拓く先頭に立てる

 第二に、日本共産党は、ちょうど今日で党をつくって92年になりますが、確かな歴史を持つ党でこそ、未来を拓く先頭に立てるということを私は訴えたいと思います。

 かつて日本が、戦争か平和かの歴史的岐路に立ったとき、政党の真価が厳しく試されました。1931年9月18日、日本軍国主義が中国侵略戦争を開始したとき、これに敢然と反対の旗を掲げて立ち向かった政党は、日本共産党だけでありました。(拍手)

 今日ここに持ってまいりましたが、これは戦争が開始された翌日の9月19日、日本共産党が発表した声明です。次のようによびかけています。

 「日本帝国主義の満蒙侵略を撃退せよ! 奉天並びに一切の占領地から、即時軍隊を撤退せよ! 中国満州に於ける日本軍隊軍艦の即時撤退! 一人の兵士も戦線に送るな!」。(拍手)

 それから日本敗戦までの15年間、日本共産党は、多くの先輩たちを弾圧で失いながらも、反戦平和の旗を不屈に掲げ続けました。(拍手)

 このとき、他の政党はどうだったか。日本共産党以外の各政党――自民党の前身の民政党や政友会、社会党の前身の社会民衆党は、積極的に侵略戦争を 支持しました。政友会は、議員総会で、「満州事変は在満同胞の保護と既得権益の擁護とを基調とする自衛権の発動」であり「断じて撤兵を許さず」と決議しま した。何やら安倍首相と同じようなセリフが(笑い)並んでいるではありませんか。これらの諸党は、太平洋戦争を前にして党を解散し、「大政翼賛会」に合流 して侵略戦争を推進しました。

 どの党が日本の未来に真に責任を負う党だったか。すでに歴史の審判ははっきり下っているのではないでしょうか。(拍手)

 みなさん。今再び、日本は、戦争か平和かの歴史的岐路に立っています。

 「日本を取り戻す」という名で、歴史を偽造し、「戦前を取り戻そう」という勢力に決して負けるわけにはいきません。(「そうだ」の声、大きな拍手)

 日本共産党は、92年の歴史で、反戦平和を一筋につらぬいた政党としての存在意義にかけて、「海外で戦争する国」づくりを許さないために全力をあげる決意を、党創立92周年のこの記念すべき日にあたって表明するものであります。(大きな拍手)

草の根――国民の力を一つに集め、歴史を動かし、未来を拓く力に

 第三は、日本共産党が、草の根で国民と結びつき、国民とともに未来を拓く政党だということです。

 日本共産党は、全国に2万の党支部、30万人を超える党員、2687人の地方議員をもち、草の根で国民としっかり結びついた自前の組織をもつ唯一 の政党です。結党以来、企業・団体献金を一円も受け取らず、政党助成金も一円も受け取らず(拍手)、財政も自前でまかなう唯一の政党が日本共産党でありま す。(拍手)

 社会の進歩は、支配勢力と国民との客観的矛盾が深刻になるだけでは現実のものとはなりません。社会変革の主人公は国民です。主人公である国民のな かに「社会を変えよう」という多数派がつくられてこそ、それは現実のものとなります。一人ひとりの国民の力は小さくとも、それを一つに集めるならば、国を 動かし、歴史を動かし、未来を拓く力に必ずなっていきます。国民の力を一つに集め、社会を変える多数派をつくる仕事に、全国で草の根からコツコツと取り組 んでいる政党が日本共産党であります。国民とともに希望ある未来をつくる政党が日本共産党なのであります。(拍手)

日本共産党への入党を心からよびかけます

 みなさん。日本共産党を大きくすることに、日本の未来はかかっています。実は、いま私たちは、「躍進月間」と申しまして、党創立92周年、いっせ い地方選挙勝利をめざして、党を強く大きくする運動に取り組んでいます。今日の私の話を聞いていただきまして、共産党もなかなかいいことをいうなと、共感 していただいた方は、今日お会いしたのも何かのご縁ですから(笑い)、この記念すべき日に日本共産党に入党されることを心から訴えたいと思います。(拍 手)

 私も、大学1年生の時に日本共産党に入党しまして、今年で41年になります。私の場合、父も母も日本共産党員でありまして、“家業”を継いだと (笑い)いう面もあるのですが、もちろん私自身の意思で選んだ道であります。振り返ってみまして、この道を選択してよかったなとつくづく思います。いいと こですよ(笑い)。温かい人間的絆で結ばれた人間集団が日本共産党です。どうかご一緒に新しい日本への世直しに取り組もうではありませんか。(拍手)

 みなさん。「亡国の政治」と決別し、日本共産党とともに、未来に責任を負う新しい政治を築こうではありませんか(「そうだ」の声、大きな拍手)。 そのことを訴え、私自身、日本共産党のさらなる躍進の先頭に立ってがんばりぬく決意を申し上げて、記念講演を終わります。(「よーし」の声、大きな拍手)

 日本共産党創立92周年万歳!(会場から「万歳!」の声)

 ありがとうございました。(歓声、鳴りやまぬ大きな拍手)

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大会決定文書は、共産党ホームページで見ることができます。

2014-01-19 | 日本共産党の機関決定文書

日本共産党第26回大会閉幕

 

志位委員長が結語

 

 
 
 

 

 結語にのぞんだ志位委員長は「全党が心一つに、いっせい地方選挙での躍進を必ず勝ち取り、引き続く国政選挙での躍進を勝ち取り、2010年代を民主連合政府への道を開く躍進の時代にしていくために頑張り抜こう」と奮起を呼びかけました。

 

 このなかで志位氏は、3日間の討論について「決議案と中央委員会報告が豊かに深められるとともに、この間の党躍進の息吹がみなぎり、涙あり、笑いあり、明るく、楽しい、素晴らしい感動的な討論となりました」と語り、つぎのような特徴点をあげました。

 

 第一は、「『自共対決』時代の本格的始まり」という情勢の特徴が生き生きと語られたことです。全国すべての地域・職場・学園が「自共対決」の舞台となった胸おどる情勢をとらえ、強く大きな党をつくって実力のうえでも「自共対決」といえる時代を開こうと呼びかけました。

 

 第二は、2010年代に「党勢倍加」の大目標をやりきる展望がみえてきたことです。目標をやりきる確信と展望にあふれたいくつもの発言を紹介しな がら、この確信と展望を会場だけに終わらせずに全国に持ち帰ってみんなで実践し、実現しようと訴えました。「どんな情勢が展開しようとも、日本共産党のさ らなる躍進を勝ち取り、民主連合政府樹立の道を切り開こう」と力説しました。

 

 第三は、もう一つの大目標―「世代的継承」をやりとげる展望も見えてきたことです。社会と政治の矛盾に苦しむなかで党と出会い、成長を語った数々 の青年党員の発言にふれ、「日本共産党という希望を届け、未来への展望を語ることは、日本共産党の現代の若者にたいする重大な責任です。全党をあげて日本 の未来を担う世代を党に迎え入れる活動を、大きく発展させよう」と呼びかけました。

 

 第四は、決議案が示した日本における未来社会の展望が発言のなかで生き生きと語られ、全国からの感想でも大きな反響を呼んでいることです。「ここ にこそ、資本主義を乗り越えるロマンと大志をもって活動する日本共産党の真骨頂があります。党の魅力を大いに発揮して躍進を勝ち取ろう」と訴えました。

 

 志位氏は、大会を傍聴した在日外交団の感想を紹介し、その後全党討論、中央委員会報告、大会討論をふまえて修正・補強した決議案を提案しました。

 

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「『自共対決』時代の本格的な始まり」という新しい情勢を開いた年

2014-01-06 | 日本共産党の機関決定文書

開始された躍進を政治変える本格的流れに

2014年党旗びらき 志位委員長のあいさつ

 
 
 

 

 日本共産党の志位和夫委員長が4日の党旗びらきで行ったあいさつは次のとおりです。


写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=4日、党本部

 みなさん、2014年、あけましておめでとうございます。インターネット中継をご覧の全国のみなさんにも、新春にあたって心からのあいさつを送ります。

 私たちは、この新春を、第26回党大会を目前にひかえて迎えました。

党勢拡大の高揚のなかで党大会成功をかちとり、「大運動」目標総達成を

 まず報告しておきたいのは、「第26回党大会成功・党勢拡大大運動」のとりくみについてであります。

 昨年12月は、全党の大奮闘で、約2000人の新しい党員を迎え、「大運動」4カ月の通算で新入党員は4700人を超えました。私は、この間、新しく党の一員となったすべての仲間のみなさんに、心からの歓迎のメッセージを送ります。(拍手)

 昨年12月、「しんぶん赤旗」の読者の拡大は、日刊紙1800人、日曜版5800人、あわせて7600人の前進をかちとりました。この前進幅は、 12月としては20年ぶりの成果となりました。10月、11月、12月と、3カ月連続の前進であり、「大運動」の通算では、日刊紙2400人、日曜版1万 人、あわせて1万2400人の増加であります。私は、大奮闘された全党と後援会員のみなさんに、心からの敬意と感謝を申し上げるものであります。(拍手)

 この間のとりくみの最大の特徴は、参議院選挙での日本共産党の躍進、安倍政権の暴走と「自共対決」の様相が鮮明になるもとで、「暴走を止めたい。 政治を変えたい。それができるのは共産党しかない」という党への新しい期待が広がり、こうした情勢の変化に働きかけたところでは、これまでにない広範な 人々が入党し、読者になってくれるという状況が広がっていることです。そして、こうした情勢の特徴と党の役割を深くつかむうえで、大会決議案が大きな力を 発揮していることです。

 奈良県・奈良地区委員会は、昨年末までの大奮闘で、「大運動」目標とした150人の党員拡大を超過達成しました。西本文子地区委員長は、つぎのような報告を寄せています。

 「党員と読者の拡大で歩けば歩くほど、『共産党に頑張ってほしい』という声にあたります。秘密保護法反対のたたかいのなかで、『安倍政権は怖い』 など危機感を語る人が多く、話し込むと『頼りは共産党だけ』『自分にも何かできることはないか』などの話になり、入党を決意する経験があちこちで生まれて います。消費税増税反対の署名と結んで働きかけると『消費税で頑張っているのは共産党だけだ』などの対話になり、入党の働きかけになります。入党している のは、有名な中小企業の元社長、党組織が空白だった職場の労働者、重要な職場の管理職、教員や自治体職員、大きな農家の夫婦など、年齢も階層も多士済々で す。その一つひとつの経験が、『大会決議案では、情勢が変わっているといっているが、やっぱりほんまなんや』という確信になり、運動が加速する状況が生ま れました。大会決議案の内容をつかみ、狭くせず、広い視野で対象者をとらえて、働きかけることです。そうすれば情勢の変化を実感し、次々と入党してくれま す」

 大会決議案を力に、情勢の変化に確信を持ち、広く足を踏み出せば、必ず飛躍はかちとれる。奈良地区委員会の経験はこのことを示していると思います。

 「大運動」の期日は1月末までであり、党員拡大、読者拡大の党大会時の到達は、1月末時点の到達が記録されます。

 みなさん、党勢拡大の大きな高揚のなかで党大会の大成功をかちとり、「大運動」の目標総達成に挑戦する――この決意を新しい年の初めにみんなで固めあおうではありませんか。(拍手)

全党の奮闘によって「『自共対決』時代の本格的始まり」という新しい情勢を開いた

 昨年の特徴を一言であらわすならば、全党の奮闘によって、「『自共対決』時代の本格的な始まり」という新しい情勢を開いた年となったということにあります。

昨年5月、7中総報告 で打ち出した「自共対 決」のスローガン 

 一昨年12月の総選挙で誕生した安倍・自公政権は、325議席という衆議院での圧倒的多数の力を背景に、あらゆる分野で暴走を開始しました。「ア ベノミクス」の名での国民犠牲・大企業応援の政治、原発の推進、TPP(環太平洋連携協定)の推進、沖縄新基地建設のごり押し、憲法改定にむけた動きな ど、国政の全分野で逆流がつくりだされました。

 こうした安倍政権の暴走のもとで、すべての政党の立ち位置が試され、浮き彫りにされていきました。野党に転落した民主党は、安倍政権の暴走のどの 問題をとっても、自分たちが政権についていた時期に手を付けた問題であるだけに批判もできず、野党としても存在意義を失いました。維新の会やみんなの党な ど「第三極」といわれた勢力も、構造改革推進、憲法改定の先兵になるなど、自民党の補完勢力そのものの姿をあらわにしていきました。

 こうした情勢のもとで、日本共産党は、都議選、参院選を目前にして開催された5月の第7回中央委員会総会で、「自共対決」というスローガンを正面から打ち出しました。7中総報告では、つぎのように呼びかけました。

 「他党がみなそろって、『自民党へ、安倍首相へ』となびくなかで、国民とともに安倍政権の暴走と正面から対決しているのが日本共産党でありま す。……『自民党対共産党』の対決――“自共対決”こそ、参議院選挙の真の対決軸であります。この真の政党対決の構図を押し出しながら、必ず勝利をつかも うではありませんか」

「自共対決」にたった論戦は、都議選・参院選躍進に実を結んだ

 この提起は、全体としてきわめて積極的に受けとめられました。当初、一部からは、「独り相撲になるのではないか」という声もありました。しかし、 「自共対決」という提起、その姿勢にたった論戦は、多くの国民の共感を広げていきました。それは、選挙戦での躍進という結果に実を結ぶことになりました。

 わが党は、6月の東京都議会議員選挙で、8議席から17議席に倍増、民主党を抜いて都議会第3党に躍進しました。「朝日」大阪本社版は、社会面トップで「都議選躍進『自・共対決だ』」と報じました。

 続いて、7月の参議院選挙で、改選前の3議席から8議席へと躍進し、議案提案権を獲得しました。国政選挙での躍進は15年ぶりの出来事となりました。

 私は、昨年の選挙で寄せられたご支持、ご支援にあらためて感謝を申し上げるとともに、開始された躍進を決して一過性のものに終わらせることなく、 日本の政治を変える本格的な流れに発展させるために全力をつくす決意を、新しい年の年頭にあたって表明するものであります。(拍手)

秘密保護法をめぐる攻防は、「自共対決」をいっそう浮き彫りにした

 参議院選挙の結果生まれた政党地図は、「自共対決」という対決構図を、いっそう際立たせるものとなりました。

 とりわけ臨時国会での秘密保護法をめぐる攻防は、すべての政党の本性を浮き彫りにするものとなりました。維新の会とみんなの党は、自公との「修正 合意」をして、希代の悪法の共同提案者となり、「翼賛政党」ぶりをあらわにしました。民主党は、最後まで「廃案」を主張できず、右往左往を繰り返しまし た。法案が採決された参院本会議は、民主党、みんなの党、維新の会が退席し、討論を放棄するなかで、賛成討論を行ったのは自民党議員、反対討論を行ったの は共産党の仁比議員と、「自共対決」を象徴する光景となりました。

 こうして、昨年は、「『自共対決』時代の本格的な始まり」という新たな情勢を開く歴史的画期をなす年となりました。この情勢は自然に訪れたもので はありません。「二大政党による政権選択論」や「第三極論」など、長期にわたる日本共産党排除の反共作戦に抗しての、全党の不屈の奮闘が、この時代を切り 開いたということを、私は、強調したいと思うのであります。このことをみんなの深い確信にして、新しい年のたたかいにのぞもうではありませんか。(拍手)

「自民一強」というが――暴走の具体化の一歩一歩が国民との矛盾を広げている

写真

(写真)2014年党旗びらきであいさつする志位和夫委員長=4日、党本部

 さて、今年の展望はどうでしょうか。

 「そうはいっても自民一強ではないか」という声もあるかもしれません。たしかに自公政権が衆参両院で多数を握っているのは事実であります。しかし、日本社会全体の力関係ではどうでしょうか。

 「大会決議案」は、「安倍政権の暴走の具体化の一歩一歩が、多数の民意に逆らうものであり、国民とのあいだでの矛盾を深めつつある」とのべていま すが、この指摘どおりの情勢が進展しているではありませんか。とくに、昨年末の安倍政権の暴走につぐ暴走は、この政権の国民との矛盾、さらには世界との矛 盾を劇的に拡大するものとなりました。

秘密保護法の強行――廃止・撤廃のために力をつくそう

 昨年の12月6日、国民多数の反対の声を踏みつけにしての秘密保護法の強行は、安倍政権の「終わりの始まり」を告げる出来事となりました。

 この問題で何よりも重要なのは、ごく短期間に、これまでにない広大な人々が反対の声をあげ、たちあがったことであります。法律家、学者・研究者、 文化人・芸術家、メディア関係者、市民団体、労働組合、地方自治体など、あらゆる層の団体や市民が、廃案を求めてたちあがりました。その多くは、法案が強 行された後も、秘密保護法の廃止・撤廃を求めて、声をあげ続けています。そして、多くの人々が、この企ての真の目的が、「海外で戦争する国」づくりにある ことを、見抜きはじめています。これは、日本国民の中の平和と民主主義を求めるエネルギーがいかに広く、深いものであるかを示すものであります。安倍政権 はその全体――日本国民の良識の全体を敵にまわしたのです。

 さらに秘密保護法にたいして、国際的にも批判と懸念が集中しました。国連人権高等弁務官、国連人権理事会、国際人権NGOヒューマン・ライツ・ ウォッチ、国際ジャーナリスト連盟、国際ペンクラブなどから、つぎつぎと批判の声がおこりました。米軍の準機関紙「スターズ・アンド・ストライプス(星条 旗)」までが、「日本がジャーナリストを沈黙させかねない秘密法を強行」と批判的に報道しました。安倍政権の暴挙は、人権と民主主義を求める世界の流れに てらしても時代逆行、時代錯誤というほかないものでありました。

 秘密保護法とのたたかいは、今年も引き続く重要課題となっています。日本共産党は、通常国会に、秘密保護法の廃止法案を提出します。憲法違反の希 代の悪法の問題点を、国会の場で、また広く国民のなかで徹底的に明らかにし、これを廃止・撤廃するために力をつくそうではありませんか。(拍手)

「海外で戦争する国」づくりへの青写真――国民的共同で包囲しよう

 安倍政権は、秘密保護法強行に続いて、12月17日、「国家安全保障戦略」、新「防衛計画の大綱」、新「中期防衛力整備計画」を閣議決定しました。

 これらの一連の文書は、「海外で戦争する国」づくりへの野望の青写真となっています。「国家安全保障戦略」の基本理念として「積極的平和主義」な るものが据えられました。その内容は、明示こそされていないものの、集団的自衛権行使をはじめ、憲法9条の破壊を志向していることは、これまでの首相の発 言から明らかであります。

 一連の文書には、「専守防衛」というこれまでの建前すら投げ捨て、「統合機動防衛力」を掲げ、今後5年間に約24兆6700億円の軍事費をつぎ込 み、自衛隊を海外派兵の部隊へと大改造する計画が盛り込まれました。さらに、「武器輸出三原則」を廃止し、国民に「愛国心」を強要しようとしていることも 重大であります。

 こうして、「海外で戦争する国」づくりへの暴走は、戦後、保守政治がまがりなりにも掲げてきた諸原則すら、ことごとく否定するものとなっています。

 保守の立場にたつ作家からも、「問題を戦争で解決しないという誇りを日本の保守政党、自民党が守ってきた」、「今の自民党は、保守政党じゃなくて 右翼化した全体主義政党」という批判の声が寄せられていることは偶然ではありません。安倍政権の暴走は、保守の人々も含めて、日本国憲法の平和主義を守ろ うという広大な人々の大きな批判をよびおこさざるをえないでしょう。

 みなさん、日本国民の理性と良識を総結集し、今年を、「海外で戦争する国」づくりを許さない国民的共同を大きく発展させ、安倍政権の暴走を包囲していく年にしようではありませんか。(拍手)

靖国参拝に内外の批判広がる――歴史問題での逆流の一掃を

 安倍首相は、12月26日、靖国神社参拝という暴挙に打って出ました。

 靖国神社は、戦争中は、国民を戦場に動員する道具としての役割をになった神社でした。そしてこの神社は、現在も、過去の日本軍国主義による侵略戦 争を、「自存自衛の正義のたたかい」「アジア解放の戦争」と美化し、宣伝することを存在意義とする特殊な施設となっています。戦争を起こした罪を問われた A級戦犯が、戦争の犠牲者として合祀(ごうし)されている施設であります。この施設に首相が参拝することは、侵略戦争を肯定・美化する立場に自らの身を置 くことを、世界に向かって宣言することにほかなりません。首相は、「不戦の誓い」をしたと弁明しましたが、「不戦の誓い」に最もふさわしくない場所が、靖 国神社なのであります。

 第2次世界大戦後の国際秩序は、日独伊による侵略戦争を不正不義のものと断罪することを共通の土台としています。首相の行為は、今日の国際秩序に対する正面からの挑戦であり、断じて許すわけにはいきません。

 首相の靖国参拝に対して、内外からごうごうたる批判がわき起こっています。中国政府、韓国政府からのきびしい批判はもとより、米国政府も「失望し た」との異例の批判を行いました。さらに批判の声は、国連事務総長、欧州連合、ロシア政府、シンガポール政府にも広がりました。安倍首相は、自らがよって 立つ特殊な右翼的勢力――「靖国」派にこびを売る行動によって、文字通り、世界全体を敵にまわしたのであります。

 このような行動を続けるならば、日本は世界のどの国からもまともに相手にされない国となるでしょう。日本共産党は、侵略戦争と植民地支配に命がけ で反対を貫いた党として、今年を、歴史問題での逆流を日本の政治から一掃していく年にしていくために、全力をあげて奮闘するものであります。(拍手)

沖縄新基地建設問題――「沖縄は屈しない」という決意に全国が応えよう

 さらに、翌日の12月27日には、沖縄問題をめぐって重大な動きが起こりました。

 沖縄県の仲井真知事は、安倍政権が申請していた名護市辺野古(へのこ)に新基地を建設するための公有水面埋め立てを承認すると表明しました。これ は、辺野古移設反対という沖縄県民の総意を踏みにじり、「県外移設」という自らの公約にも背くものであり、沖縄県民に対する歴史的裏切りといわなければな りません。

 裏切った者の責任はもとより重大ですが、裏切らせた安倍政権の責任はさらに重いものがあります。安倍政権は、強圧をもって沖縄県選出の自民党国会 議員と自民党県連に「県外移設」の公約を撤回させ、新基地建設容認に転じさせました。そして、沖縄振興費など、「札束」の力で仲井真知事に圧力をかけ続け て、埋め立てを承認させました。アメとムチによって、公約を撤回させ、自分たちの仲間を裏切り者にして、新基地建設を押し付ける。これは民主主義の国では 決してあってはならない理不尽な暴政であり、断じて許すわけにはいきません。

 政府は、知事の承認によって問題が解決するかのように歓迎しています。しかし、実際には、これは手続き面での一段階にすぎず、新基地建設は簡単に 進むものではありません。「オール沖縄」の意思は、昨年1月の、沖縄の41の市町村長と議会議長が署名した「建白書」に示されるように、オスプレイ配備撤 回と、普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念にあります。この声は、強圧や裏切りによって決して揺らぐものではありません。この総意を踏みつけにした暴走 によって、安倍政権は、沖縄県民全体を敵にまわすことになったのであります。

 日本共産党は、沖縄県民の総意を踏みにじる辺野古埋め立て承認の撤回を求めます。普天間基地の無条件撤去を強く求めてたたかいます。

 1月19日投票の名護市長選挙は、沖縄の未来のかかった重大なたたかいとなりました。私たちは、この4年間、辺野古の海にも陸にも基地をつくらせ ないという態度をきっぱり貫いてきた稲嶺ススム市長の勝利のために、多くの人々と手をつないで、全力をあげて奮闘します。この歴史的たたかいで必ず勝利を かちとるために、全国のみなさんのご支援を心から呼びかけるものです。(拍手)

 「沖縄は屈しない」――沖縄県民のこの決意に、全国が応えようではありませんか。今年を、「基地のない沖縄」「基地のない日本」に向けて、歴史が動いたと記録される年にするために、がんばりぬこうではありませんか。(拍手)

原発問題――国民世論によって、推進勢力を包囲・孤立させる年に

 私たちは、稼働原発ゼロで新しい年を迎えました。今年は、原発推進への暴走を許すのか、原発ゼロに道を開くのか。この問題をめぐっても激しい対決の年となります。

 安倍政権は、12月13日、原発を「重要なベース電源」として将来にわたって維持・推進し、「再稼働を進める」とした「エネルギー基本計画案」を 発表し、1月にも閣議決定しようとしています。こうした政府の姿勢を受けて、全国の48基の原発のうち16基が再稼働の申請を行っています。1月以降、さ らに再稼働申請の動きが続くとみられます。

 しかし、昨年末に行われた「毎日」の世論調査でも、原発の今後について、「今すぐ廃止」が24%、「将来は廃止」が59%で、合計83%と圧倒的 多数になっています。首相自身、「(再稼働を)決断するときには秘密保護法以上に国民世論は厳しくなるかもしれない」と語りました。日本社会を「3・ 11」以前の“原発依存社会”に引き戻そうとする時代逆行の道を暴走するならば、ここでも安倍政権は多数の国民を敵にまわすことになるでしょう。

 この分野で、原発ゼロをめざす運動が持続し、広がっていることは、大いなる希望であります。2012年3月に始まった首相官邸前の毎週金曜日の抗 議行動は、主催者の熱い思いと、参加者の熱意によって、85回を数えたとのことです。同様の抗議行動は全国各地に広がっています。節々で、東京と全国各地 で大規模な集会がとりくまれています。福島では、被災地復興と一体に「オール福島」で原発ゼロの運動が広がっています。これらは、日本の国民運動史上にも かつてない創意的で画期的な運動であります。

 みなさん、今年、この運動をさらに発展させ、圧倒的な原発ゼロを求める国民世論によって、原発推進勢力を包囲・孤立させる年にしていこうではありませんか。(拍手)

「アベノミクス」の本性があらわになった――抜本的対案示し奮闘しよう

 国民の暮らしをめぐっても、今年は激突の年となります。

 12月24日に発表された2014年度政府予算案は、「アベノミクス」なる政策の正体を浮き彫りにするものとなりました。国民には、4月からの消 費税8%への引き上げで、8兆円もの負担増が襲いかかろうとしています。社会保障でも、年金、生活保護の削減に加えて、お年寄りの医療費の窓口負担増な ど、あらゆる分野で手あたり次第の切り捨てが進められようとしています。

 その一方で、大企業に向けては、復興特別法人税の廃止など大減税をばらまき、「国土強靱(きょうじん)化」の名で、東京外環道をはじめ三大都市圏 環状道路、国際コンテナ港湾など、巨大公共事業に税金をばらまこうとしています。新「中期防」の初年度として、2年連続で軍事費が増額されようとしていま す。

 消費税大増税で庶民から吸い上げ、大企業と軍拡に税金を注ぐ――あまりの逆立ちぶりに、メディアからも、「家計 増す重圧 優遇策は企業偏重」(「毎日」)、「暮らしより安保 増税の痛み顧みず」(「東京」)など、批判が寄せられました。

 首相は、昨年末、株価が上がったことをもって、「来年もアベノミクスは買いだ」と自慢げに語りました。しかし、金融的操作で一時的に株価が上がっ ても、庶民に恩恵はありません。何よりも働く人の賃金は下がり続けたままであり、消費は低迷し、経済成長も急減速しています。「アベノミクス」の本性はす でにあらわになっているのであります。ここに巨額の負担増をかぶせれば、暮らしと経済をどん底に突き落とすことになることは、明らかではありませんか。

 日本共産党は、「4月からの消費税増税中止」の一点で、国民的共同を広げ、増税の実施を阻止するために、最後まで力をつくします。働く人の賃金と 安定した雇用を増やして日本経済を立て直す、消費税に頼らない別の道で社会保障充実をはかり、財政危機を打開するという、抜本的対案を示して、奮闘するも のであります。

今年を、国民運動でも党建設でも画期的成果を記録する年に

 秘密保護法、「戦争する国」づくり、靖国参拝、沖縄基地問題、原発問題、暮らしの問題と見てきましたが、どの問題でも、今年は、安倍政権の暴走と国民のたたかいが激突する年となります。

 安倍政権の暴走は、国民多数の声に背き、世界の流れに背く逆流であります。この暴走の先に未来はありません。逆流は、必ず歴史と国民によって裁かれます。大義は国民のたたかいにあります。ここに深い確信をおいて、新しい年にのぞもうではありませんか。

 そして、どの問題でも、国民多数の声にたって、この暴走と正面から対決できる党は、日本共産党をおいてほかにありません。今年は、「自共対決」こ そが、日本の政治の真の対決軸であることが、いよいよ際立つ年となるでしょう。また、そういう年としていくために、力いっぱい奮闘しようではありません か。(拍手)

 2月9日投票の東京都知事選挙は、都政の進路とともに、安倍政権の暴走への審判をくだす重大な意義をもつたたかいとなりました。すでに、1年前に 都政刷新のために奮闘された宇都宮健児氏が出馬表明をされ、近く公約などを正式に発表するとのことであります。党としての態度表明は、それを受けておこな うことにしたいと考えています。日本共産党は、政策で一致する政党、団体、個人の共同のたたかいの一員として大いに奮闘し、都知事選の勝利をめざして全力 をあげる決意であります。(拍手)

 歴史的党大会は目前に迫りました。「党勢拡大大運動」の目標総達成に正面から挑戦し、党勢の大きな高揚のなかで党大会を大成功に導こうではありま せんか。そして、今年を、あらゆる分野での国民運動の発展に力をつくすとともに、強く大きな党をつくる仕事でも画期的な前進を記録したといえる年としよう ではありませんか。

 一つひとつの中間地方選挙で着実な勝利を積み重ねながら、来年のいっせい地方選挙、来るべき総選挙と参議院選挙では、開始された党躍進を本格的な流れに発展させる成果を必ずかちとろうではありませんか。

 今年を新しい躍進の年にしようではありませんか。そのことを最後に呼びかけて、年頭にあたってのあいさつといたします。ともにがんばりましょう。(大きな拍手)

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日本における未来社会の展望について、自民党政権の反動的暴走と対決し、新しい日本をめざす

2013-11-13 | 日本共産党の機関決定文書

「自共対決」時代の始まり “第3の躍進”を本格的流れに

 

第26回党大会決議案を提案

 

日本共産党が第9回中央委員会総会

 

志位委員長が報告

 

 
 
 

 

 日本共産党は12日、党本部で第9回中央委員会総会(9中総)を開きました。志位和夫委員長が第26回党大会(来年1月15~18日)決議案の提 案報告を行いました。市田忠義書記局長が「『大運動』目標総達成の特別期間」を呼びかける9中総決議案を提案しました(記事2面)。総会は2日間の日程で す。

 


 

「大運動」目標総達成へ「特別期間」

 

写真

(写真)第9回中央委員会総会で第26回党大会決議案を報告する志位和夫委員長=12日、党本部

 

 志位委員長は冒頭で、6章29項(別項)からなる大会決議案全体の特徴について端的に説明しました。

 

 今度の大会は、自公政権が復活する一方、2013年夏の参院選で日本共産党が躍進した情勢のもとで開かれます。志位氏は「決議案全体を貫く主題は 『自共対決』になっています。『自共対決』という角度から、情勢をどうとらえ、たたかいにどうのぞむか、今後の方向を太く明らかにする内容になっていま す」と強調しました。

 

 第1章は、日本の現在の情勢の特徴をどうつかみ、どうのぞむかについて明らかにしています。志位氏は「決議案全体の総論」との位置づけを示したう えで、「自民党政権と正面から対決し、どんな問題でも対案を示し、国民との共同を広げる『三つの政治姿勢』を堅持して奮闘することを呼びかけています」と 語りました。

 

 第2章は、世界の動きをどうとらえ、どう働きかけるかです。

 

 国内政治の前にこの章を設けた理由について、「国際政治の中心問題を広い視野で正確にとらえることが、日本の情勢をとらえる不可欠の前提になるからです」と語りました。

 

 その上で、「20世紀に起こった世界の構造変化が、『世界の平和と社会進歩を促進する力として生きた力を発揮しだした』と規定づけ、そのことが国際政治や国際経済にどう表れているのかを解明しています」と語りました。

 

 第3章は、自民党政治の反動的暴走と対決し、新しい日本を目指すたたかいの課題です。大会から2~3年を展望し、「自共対決」の熱い焦点となる問題について具体的に提起しています。

 

 志位氏は「経済提言」「即時原発ゼロ提言」「外交ビジョン」など前大会からの政策的発展に言及し、「どれも一時でなく、今後に生きる『綱領的生命力』を持っています。決議案では、それぞれの政策的発展のもつ意義と位置づけを明らかにしています」と語りました。

 

 第4章は、来るべき国政選挙と地方選挙で躍進を勝ち取り、第3の躍進を本格的流れにするための方針について、のべています。

 

 志位氏は国政選挙や地方選挙の意義や目標を示した上で、「15年4月のいっせい地方選は、直面するもっとも早い全国的政治戦になる可能性が大きい。この重大な関門を躍進的に突破し、『第3の躍進』を本格的流れにしよう」と訴えました。

 

 第5章は、党躍進を支える質量ともに強大な党建設の方針です。

 

 志位氏は、10年代の党建設の二つの大きな目標として(1)「成長・発展目標」を実現するために現在の党勢の倍加に取り組む(2)その際、世代的継承を綱領実現の成否に関わる戦略的課題と位置づけ全党をあげて取り組む―ことを提起しました。

 

 第6章は、日本における未来社会の展望を叙述しています。

 

 志位氏は、社会主義を目指す国ぐにの革命が政治・経済・社会的に発達の遅れた国から出発したこととの対比で、「日本の未来社会を展望した場合に は、未来社会への移行の過程は高度に発達した経済力の水準、自由と民主主義という点で出発点が異なります。きわめて豊かで壮大な展望を持っていることを太 く明らかにしています」と語りました。

 

 このあと、志位氏は各章ごとにより詳しく説明しました。

 


 

日本共産党第26回大会決議案(目次)

 

第1章 「自共対決」時代の本格的な始まりと日本共産党

 

 (1)「自共対決」時代の本格的な始まり

 

 (2)これまでにない新しい特徴はどこにあるか

 

 (3)日本共産党の不屈の奮闘がこの時代を切り開いた

 

 (4)この情勢に日本共産党はどういう政治姿勢でのぞむか

 

第2章 世界の動きをどうとらえ、どう働きかけるか

 

 (5)「世界の構造変化」が生きた力を発揮しだした

 

 (6)アメリカをどうとらえるか――党綱領の立場を踏まえて

 

 (7)平和の地域共同体の前進と発展――東南アジア、中南米の動きについて

 

 (8)「核兵器のない世界」をめざすたたかい

 

 (9)民主的な国際経済秩序を確立するためのたたかい

 

 (10)地球温暖化対策の取り組みの到達点と今後の課題

 

 (11)日本共産党の野党外交の発展について

 

第3章 自民党政権の反動的暴走と対決し、新しい日本をめざす

 

 (12)安倍自民党政権の危険な暴走、それがはらむもろさと矛盾

 

 (13)東日本大震災からの復興を最優先課題に

 

 (14)暮らしと経済――大企業応援から暮らし応援の政治への抜本的転換を

 

 (15)原発とエネルギー――原発政策の発展と焦眉の課題

 

 (16)「アメリカいいなり」をやめ、独立・平和の日本を

 

 (17)北東アジア平和協力構想を提唱する

 

 (18)日本国憲法を守り、生かすたたかいを

 

 (19)侵略戦争を肯定・美化する歴史問題での逆流を日本の政治から一掃する

 

 (20)統一戦線の現状と展望について

 

第4章 国政と地方政治で躍進を本格的な流れに

 

 (21)来るべき国政選挙で党躍進をかちとる意義と目標について

 

 (22)地方政治をめぐる焦点、地方選挙での躍進をめざして

 

 (23)結びつきを生かして選挙戦をたたかう方針――「選挙革命」を発展させる

 

第5章 躍進を支える質量ともに強大な党建設を

 

 (24)“第3の躍進”を支え、「成長・発展目標」を保障する強大な党を

 

 (25)党建設の重視すべき基本方向について

 

 (26)全党あげて世代継承のとりくみに力をそそごう

 

 (27)党機関の指導の改善・強化、態勢の強化について

 

第6章 日本における未来社会の展望について

 

 (28)“社会主義をめざす国ぐに”をどうみるか

 

 (29)日本における未来社会は、きわめて豊かで壮大な展望をもっている

 

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法案の成立にむけた国民の共同の発展をよびかけ、実 現のために力をつくします。

2013-10-17 | 日本共産党の機関決定文書

ブラック企業規制法

 

「人間使い捨て」やめさせよう

 

 
 
 

 

 日本共産党国会議員団が「ブラック企業規制法案」を参議院に提出しました。7月の参議院選挙で前進して獲得した議案提案権を行使して、公約実現をめざす活動です。

 

 日本共産党は、若者をはじめ働く人を酷使し、モノのように使い捨てる「ブラック企業」問題を重視し、国会でも取り上げてきました。法案は「ブラッ クな働かせ方」をなくすために、違法行為へのペナルティー強化と長時間労働の規制、離職率などの情報公開で悪質な「手口」を封じようという提案です。国民 的な論議を起こして、成立をめざしていきます。

 

「手口」封じる三つの対策

 

 法案は、大きくいって三つの柱で構成されています。

 

 第一は、長時間労働の是正です。際限のない長時間勤務、残業手当をまともに支払わないサービス残業(ただ働き残業)の横行など、若者を消耗品のよ うに働かせる「手口」の規制はきわめて重要です。事業場ごとに労働時間管理台帳をつくり、労働時間を正確に把握・記録することを使用者に義務づけ、労働者 がいつでも台帳を閲覧できるようにします。

 

 残業時間は、年間の上限を360時間とします。休日がとれない「連続出勤」を規制するために7日に1日の法定休日がとれるよう労働基準法に明記し ます。1日の労働が終わり、次の出勤まで最低11時間の休息時間を保障します。サービス残業が発覚したら残業代を2倍にさせます。サービス残業が企業に とって「割に合わない」と抑止する効果があります。

 

 第二は、労働条件や職場環境の情報公開です。大量に採用して過酷な労働を押し付けて使い捨て、使いつぶすのが「ブラック企業」の特徴です。これを やめさせるために、企業が採用者数と離職者数を公表する制度をつくります。またハローワークなど公的機関が求職者の問い合わせに情報を提供する仕組みをつ くります。残業代込みで賃金を高額にみせかけるなどの誇大な求人募集や虚偽記載をやめさせます。

 

 第三は、パワーハラスメントをやめさせることです。暴行、暴言、侮辱など身体的、精神的な攻撃で会社や上司の命令に「絶対服従」を強要し、深夜ま で働いても達成できないような過大なノルマで働かせるのが「ブラック企業」の典型です。これをきびしく取り締まります。厚生労働省は、勧告にしたがわない 企業名を公表します。

 

 若者をはじめ人間を使い捨て、使いつぶす働かせ方は、絶対に放置することはできません。これを許せばブラックな働かせ方が日本社会全体に広がり、企業経営と働く人の生活に重大な被害をもたらします。

 

暴走と対決する対案

 

 日本共産党の法案は、ブラック企業の規制にとどまらず、すべての労働者に共通する問題を解決する力をもっています。とくに安倍晋三政権が、派遣労 働の完全自由化をめざす派遣法改悪や、解雇自由の「ブラック特区」構想で労働法制が及ばない無法地帯をつくろうとしている暴走と対決し、人間らしい雇用の ルールをつくる対案として重要な意義をもつものです。国会のすべての会派に賛同をよびかけるとともに、法案の成立にむけた国民の共同の発展をよびかけ、実 現のために力をつくします。

 


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第26回党大会を2014年1月15日から4日間、伊豆学習会館で開催

2013-09-19 | 日本共産党の機関決定文書

第8回中央委員会総会について

2013年9月18日 日本共産党中央委員会書記局

 
 
 

 

 一、日本共産党第8回中央委員会総会は、9月18日、党本部で開かれた。総会には、幹部会が決定した「決議案」が提案され、志位和夫幹部会委員長の報告は、この案文を説明する形で行われた。

 一、志位委員長は最初に、この総会の任務は、第26回党大会の招集と、その大会に向けた「党勢拡大大運動」の提起の二つであり、「決議案」では、 情勢と党の任務を包括的にのべることはしておらず、引き続き「党創立91周年記念講演」が、決定後の「決議」とともに政治的意思統一の基本文書となるとし たうえで、「決議案」の内容を丁寧に説明した。

 「決議案」は、(1)参議院選挙の結果と教訓について、(2)第26回党大会の招集と意義について、(3)「第26回党大会成功・党勢拡大大運動」のよびかけ、(4)党活動の総合的前進と一体に「党勢拡大大運動」の成功を、の4章からなっている。

 (1)では、参院選の結果の意義、政治的教訓、宣伝・組織活動の教訓、最も遅れた分野としての党の自力の問題の4点を明らかにして、参院選の総括 をおこなっている。ここでは、今回の躍進が「実力以上の結果」であることを直視し、躍進を本格的な流れにしていく上で強く大きな党をつくることが絶対不可 欠であると強調している。

 (2)では第26回党大会を2014年1月15日から4日間、伊豆学習会館で開催すること、その議題、大会の意義を明らかにしている。

 (3)では、大会の成功をめざして党勢拡大に思い切って力を集中する「第26回党大会成功・党勢拡大大運動」を8中総から来年1月末までの運動と して呼びかけた。党員拡大を中心・根幹にすえた運動として、すべての党支部が新しい党員を迎えること、すべての党組織が日刊紙、日曜版とも25回党大会時 の水準を回復・突破することなどが目標である。「決議案」は、この「大運動」の政治的意義を、日本共産党に投票してくれた515万人の期待に応える、躍進 を本格的な流れにする、日常不断に党勢拡大にとりくむ気風を定着させる――の3点にわたって強調している。

 (4)では、「大運動」を成功させる上での留意点を、安倍政権の暴走とたたかう国民運動の発展と一体に、「国民に溶け込み結びつく」力を強めて、 「集い」を活動の軸に、量とともに質を、中間地方選挙の勝利といっせい地方選の候補者の年内決定とあわせて――など4点にわたって具体的に明らかにしてい る。

 一、決議案について、23人が討論した。

 一、志位委員長が討論の結語をのべた。提出された意見にもとづく決議案の修正を提案したあと、「大運動」の政治的意義について「第26回党大会成 功」と銘打つことの意味を補足的に解明した。「大運動」成功の客観的・主体的条件が豊かに広がっていることを、討論もふまえて明らかにした。最後に、8中 総決議の徹底について、記念講演ダイジェストDVDと一体で一気に進めることの重要性を強調した。

 一、総会は、決議案と結語を全会一致で採択し、大会の成功に向け、「党勢拡大大運動」の目標達成へ全党の先頭に立って奮闘することを誓いあって、閉会した。

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「もはや東電に『当事者能力』がないことは誰がみても明らかです。

2013-09-18 | 日本共産党の機関決定文書

英知と総力を結集し放射能汚染水の危機打開を

志位委員長が緊急提言発表

 
 
 

 

 日本共産党の志位和夫委員長は17日、国会内で記者会見し、「福島第1原発の放射能汚染水の危機打開のための緊急提言」を発表しました。小池晃副委員長が同席しました。

(緊急提言全文)共産党のホームページを見てください。


写真

(写真)記者会見する志位和夫委員長(左)と小池晃副委員長=17日、国会内

 緊急提言は、東京電力福島第1原発の放射能汚染水の問題は、きわめて深刻な事態であり「放射能汚染の拡大を制御できない非常事態におちいってい る」と指摘。会見で志位氏は、「原発への態度や将来のエネルギー政策の違いをこえて、汚染水問題の抜本的解決を最優先にすえ、政府やすべての政党、科学 者、技術者、産業界の英知と総力を結集することが緊急かつ最重要の課題となっています」と強調しました。

 その上で、「『国が全責任を持って危機を打開する』というなら、少なくとも四つの問題をただし、姿勢を転換することが必要です」と述べ、4点にわたる問題提起をおこないました。

 (1)「放射能で海を汚さない」ことを、基本原則として確立する(2)放射能汚染水の現状を徹底的に調査・公表し、「収束宣言」を撤回するととも に、非常事態という認識の共有をはかる(3)再稼働と原発輸出のための活動をただちに停止し、放射能汚染水問題の解決のために、もてる人材・物的資源を集 中する(4)東京電力を「破たん処理」し、「コスト優先・安全なおざり」を抜本的にただす―の4点です。

 志位氏は、ここまで事態を悪化させた根本には、「コスト優先、安全なおざり」の東電任せになっていたことがあると指摘。汚染水問題をめぐっても、 「もはや東電に『当事者能力』がないことは誰がみても明らかです。こういう東電に事故対策の主体を続けさせていいのかという問題がいまきびしく問われてい ます」と強調し、東電を破たん処理し、国が事故収束と賠償、除染に全責任を負う体制を速やかに構築すべきだと述べました。

 また志位氏は、「閉会中審査が提案されており、緊急提言を踏まえ国会論戦にのぞみたい」と述べるとともに、「各党、政府、各界に提言をもって協力を呼びかけたい」と語りました。

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私も参加しておりました。東京都新宿区の日本青年館に。 笑いと大歓声に包まれ、展望にあふれた集い

2013-08-12 | 日本共産党の機関決定文書

“第3の躍進”を本格的な流れに

参院選勝利うけ 党創立91周年講演会

東京・日本青年館 志位委員長が講演

 
 
 

 

 開始した“第3の躍進”を、日本の政治を変える大河のような流れに―。日本共産党は10日、東京・日本青年館(新宿区)で党創立91周年記念講演 会を開き、志位和夫委員長が「“第3の躍進”を本格的な流れに」と題して講演しました。東京都議17氏が勢ぞろいし、吉田信夫団長があいさつ。参院選で当 選した紙智子、小池晃、井上哲士、山下芳生、仁比聡平、吉良よし子、倉林明子、辰巳孝太郎の8氏がそれぞれ決意と抱負を述べると、躍進を喜ぶ割れんばかり の拍手と大声援に沸きかえりました。講演で志位氏は「選挙結果」「歴史的意義」「躍進を維持・発展させる努力方向」という三つの主題で今回の選挙を解明 し、「さらなる前進・躍進に力をつくそう」と力いっぱい呼びかけました。第3会場まで満杯となり、約2千人が参加しました。会場は猛暑を吹き飛ばすような 笑いと大歓声に包まれ、展望にあふれた集いとなりました。全国1千カ所近くで視聴会が開かれ、1万7千を超える人がリアルタイムで見るなど、史上最大規模 の取り組みとなりました。


全国1000カ所で視聴会

選挙結果―

「自共対決」が鮮明に

写真

(写真)講演する志位和夫委員長

  講演の第一の主題「選挙結果」について志位氏は、(1)比例代表で「5議席絶対確保」の 目標実現(2)東京・大阪・京都の3選挙区で議席獲得(3)都議選の躍進が参院選に連動した―という特徴をあげ、「全国は一つ」で奮闘し、47都道府県す べてが勝利者となったと強調しました。政治論戦では、「自民と対決、抜本的対案を示す」という立場で日本政治の「四つの転換」を訴え抜き、それが評価され たことを選挙の出口調査やジャーナリストのコメントも示して明らかにしました。

 そのうえで、選挙の結果、「自共対決」の政党地図が鮮明になったと語り、その最大の特徴は「自民党と共産党との間の自民批判票の『受け皿政党』が消滅したことにあります」とズバリ解明しました。

写真

(写真)志位和夫委員長の講演を聞く会場いっぱいの参加者=10日、東京都新宿区の日本青年館

 志位氏は、国民を裏切った民主党や、自民党より「右翼」に立つ「第三極」が「受け皿政党」としての地位を喪失するもとで、「共産党は自民党への批 判、国民の願いを託せる唯一の党になっています。戦後日本の政治史を見ても、こうした地図はかつてないものです。自民党政治への唯一の対決者、変革者とし ての党の姿を鮮明にし、さらなる躍進を目指す決意です」と表明しました。

 また、今回の選挙の結果、現実の力の上でも「自共対決」に一歩近づいたことは重要だと語りました。10都道府県と550市町村で比例の得票率が 10%を超えたことにふれ、この流れが全国に広がれば「自共対決」が政治的・政策的対決にとどまらず、現実の力の上での対決になると力説し、民主連合政府 に向けた展望が開かれてくると語りました。

歴史的意義―

“第3の躍進”の始まり

  第二の主題として志位氏は選挙結果の持つ「歴史的意義」について言及し、1960年代終わりから70年代にかけての「第1の躍進」、90年代後半の「第2の躍進」に続く「第3の躍進」の始まりだと位置づけました。

 「この躍進は、自然に起こったものでも、『風』が吹いて起こったものでもありません。この十数年の全党と後援会の不屈の活動の積み重ねが実ったも のにほかなりません」と強調したうえで二大政党による政権選択論」など反共作戦に立ち向かい、敗北から学び、鍛えられる過程を振り返りつつ、今後に生かす べき教訓を三つあげました。

 第一の教訓は、綱領を土台に、政治的・理論的に大きな発展をとげたことです。

 志位氏は、反共作戦の逆風が吹くもとで、情勢を根底からとらえ、希望と展望を持って頑張り抜くことができた根底に新しい綱領の力があったと力説。 「経済提言」「外交ビジョン」「即時原発ゼロ提言」「賃上げ・雇用提言」―綱領を土台とした政策提起が参院選で威力を発揮したと指摘しました。

 第二の教訓は、さまざまな分野の「一点共闘」が画期的に発展し、日本共産党への信頼と支持が広がっているということです。

 保守の立場だった人びとが「一点共闘」を通じて公然と共産党を支持し、温かいエールを送った数々のエピソードを紹介した志位氏。民主連合政府を目 指すうえで「日本共産党と無党派との共同」を本流にしつつ、同時に「一点共闘」をたたかう保守だった人のなかからも「連合」の相手が生まれるという展望を 持ってもよいのではないかと語るとともに、そうした動きともあいまって政党戦線でも必ず「連合」の相手が生まれてくると確信しているとのべ、さらなる運動 の発展に尽力しようと訴えました。

 第三の教訓は、草の根で国民と結びついた強く大きな党づくりへの努力です。

 なかでも志位氏は、選挙戦で大きな力を発揮した二つの分野に言及。若い候補者が自らの体験や思いと重ねて党の姿を訴えぬいた奮闘が多くの有権者に 「日本共産党の未来」を感じさせたと強調。解禁されたインターネット選挙でも「発信力」「拡散力」の点で「草の根の力」「内容ある政策」が威力を発揮した と述べ、さらなる開拓と発展を呼びかけました。

躍進を本格的な流れに

写真

(写真)志位和夫委員長の講演を聞く会場いっぱいの参加者=10日、東京都新宿区の日本青年館

 講演の第三の主題として志位氏は、始まった“第3の躍進”をいかにして本格的な流れに発展させるのかについて、「三つの努力方向」を示しました。

 第一の努力方向は、抜本的対案を掲げ、安倍政権の暴走と正面から対決することです。

 消費税大増税、雇用破壊、社会保障改悪、原発再稼働、環太平洋連携協定(TPP)、集団的自衛権の行使・憲法改悪、米軍基地問題―。安倍政権の 数々の「暴走リスト」を示した志位氏は、どれも国民多数の声に逆らっていること、首相がこれらについて何も語らず参院選をやり過ごした結果、どれ一つとっ ても国民の信任を得ていないことを厳しく指摘。空前の規模で国民運動を起こし、この暴走を包囲、孤立させ、破綻に追い込もうと力強く呼びかけました。

 第二の努力方向は、日本共産党の路線、理念、歴史を丸ごと理解してもらう活動を、日常不断の活動として強めるということです。

 綱領が示す日本改革の方針を国民多数の声にする―「共産党を丸ごと好きになってもらう」努力として、「綱領を語り、日本の前途を語り合う集い」を 日本列島すみずみで開き、発展させていくと表明。「旧ソ連、中国と同じでは」「党名を変えないわけは」などの疑問にも答え、党の全体像を縦横に語っていき たいと述べました。

 第三の努力方向は、希望ある未来を開く、強く大きな党をつくるということです。

 この点で志位氏が率直に訴えたのは、参院選でつくりだされた党の政治的影響力の広がりと、党のもっている自力―党員や「赤旗」読者などの党勢との 間には、大きなギャップがあるということです。「どんな情勢が展開しようと自力で前途を切り開く強く大きな党をつくることにこそ、開始された“第3の躍 進”を一過性のものに終わらせず、大きな流れにする最大の保障があります」と強調しました。

 そして志位氏は、選挙をともにたたかった後援会員や支持者、党に関心や期待を寄せたすべての人に向けて、“第3の躍進”の流れを大きくし、民主連合政府の樹立という歴史的大事業にともに手を携えて進もうと訴え、入党と「赤旗」の購読を心から呼びかけました。

 韓国の著名な映画監督が、今回の党の躍進に対し「韓国の進歩政治に勇気を与える一大快挙」「日本政治の新たな主役」になってほしいという熱いエー ルを寄せてきたことにもふれつつ、「共産党の躍進はアジアと世界の平和と進歩にとっても大きな意義のあることです」と語りました。

 志位氏は最後に次のように訴え、演説を締めくくりました。「開始された“第3の躍進”を、日本の政治を変える大河のような大きな流れにすることが できるかどうか。『変革者の党』としての私たちの真価が試されています。この事業を成功させることは日本国民に希望と幸福をもたらすことはもとより、アジ アと世界の平和と社会進歩への貢献ともなるものです。そのことを胸に刻み、さらなる前進・躍進に力をつくそう」

 講演後、「共産党」コールが鳴りやみませんでした。

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未来を切り開く、非常に明るい集会でした。

2013-08-10 | 日本共産党の機関決定文書

  党創立91記念集会・東京青年会館に行ってきました。

  

倉林さんあいさつ

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全文お読みになりたい方は、直接共産党のホームページをご覧ください。

2013-06-28 | 日本共産党の機関決定文書

                        「日本共産党ここにあり」の大奮闘で参院選躍進を

                          都議選の教訓生かしやるべきことをやり抜こう

全国決起集会開く

 

 

 日本共産党は27日、党本部で「参議院選挙必勝 全国決起集会」を開きました。志位和夫委員長が報告に立ち、「都議選の躍進を確信とし、そのたた かいの教訓を生かし、参院選で連続躍進を勝ち取るために全党が心一つに、残る期間、『日本共産党ここにあり』という大奮闘を心から訴えます」と力説、全党 の総決起を呼びかけました。全国の党員や後援会員が党内通信や党のホームページで視聴しました。


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(写真)報告する志位和夫委員長=27日、党本部

志位委員長が報告

 志位氏は、17議席を獲得し第3党に躍進した都議選結果について心からの謝意を述べたうえで、都議選から得た三つの教訓―(1)「自民と対決、抜 本的対案を示す」という姿勢を貫く(2)「全国は一つ」で勝ち取った成果(3)宣伝・組織戦の規模をいかにして広げるか―を明らかにしました。

 第一の教訓は、政治論戦で「自民と対決、抜本的対案を示す」という姿勢を貫くことです。

 志位氏は「安倍政権の暴走に対して、国民のなかに不安感、危機感が広がりつつあるなかで、『自共対決』というきっぱりとした政治的対決姿勢を貫いたことが都民から評価され、躍進につながった」と強調しました。

 政治論戦を進めるうえで留意すべき三つの点―(1)自民との対決姿勢とともに、責任ある抜本的対案を語る(2)「共産党を伸ばせば日本の政治は必ず変わる」と大いに語る(3)「今度は共産党かな? でも…」という疑問にかみ合って党の全体像を語る―を指摘しました。

 第二の教訓は「全国は一つ」で勝ち取った都議選の成果を参院選でさらに発展させることです。

 志位氏は全国的連帯と奮闘で生まれた数々の感動的なドラマを紹介しながら、「『全国は一つ』という立場はいよいよ大切になってきます。参院選では全党の同志たちが全国に持っているつながりをすべて生かした選挙戦を、壮大な規模で展開しよう」と訴えました。

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(写真)参院選勝利にむけ、拳をあげて決意を固めあう決起集会参加者。壇上は志位和夫委員長(左から3人目)と参院比例予定候補5氏=27日、党本部

 第三の教訓は、宣伝・組織戦の規模をいかにして広げるかです。

 志位氏は、参院選に発展的に生かすべき教訓として、(1)党の元気な姿を伝える工夫をこらした宣伝戦を全国で展開する(2)「マイ名簿」の取り組 みを軸にしつつ、テレデータを使った「声の全戸訪問」を広げる(3)選挙はがきを送った人に協力をお願いし、担い手を広げる取り組みに力を注ぐ―三つの点 を強調。

 参院選で解禁されるネット選挙への意欲的な挑戦とともに、宣伝・組織戦の飛躍のなかで党勢拡大を目的意識的に進め、その高揚のなかで選挙戦に臨むよう呼びかけました。

 最後に志位氏は、比例代表選挙について「全国は一つ」で政党の“生の力”がそのまま反映するたたかいになると述べたうえで、「都議選の躍進を確信 にしつつ、同時に参院選にあたっては『勝って兜(かぶと)の緒を締めよ』という立場で気を引き締めて臨み、少しも緩みや甘さがあってはならない」と力説し ました。

 「自共対決」を正面から押し出し、650万票以上の得票目標、「比例を軸」に5人の比例候補全員当選を全党の力を総結集してやり抜くとともに、いくつかの選挙区では積極的に議席獲得を勝ち取ることを訴えました。

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庶民が安倍政権の正体を直視できれば、再び自民党離れが生じる可能性もある。

2013-05-12 | 日本共産党の機関決定文書

        政治考 「“自共対決”の構図は自然」

             二大政党制崩壊 第三極飽き飽き

                 「政策 自民に対峙は共産」メディア関係者

 

 「共産、闘志再び/『安倍政権は暴走と破綻』/参院選『自共対決』宣言」―日本共産党の第7回中央委員会総会の翌9日、「朝日」はこんな記事を掲 げました。時事通信、「産経」、「日経」(電子版)も、「自共対決」に注目したニュースを伝えました。一般メディアからみても「自共対決」がいまの状況を 表していると感じる状況が進んでいます。(政党取材班)


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(写真)第7回中央委員会総会。報告する志位和夫委員長=8日、党本部

 「安倍首相を生直撃」。10日のフジテレビ「スーパーニュース」はこう銘打って、約1時間も安倍首相の“独演会”を報じました。メディアの安倍首 相持ち上げはとどまるところを知りません。大手メディアの中堅記者は「『戦後レジームからの脱却』を掲げ、歴史問題や憲法問題で物議をかもしていた第1次 安倍政権のときと比べてもメディアの反応が非常に弱い」と自嘲気味に語ります。

 国会ではどうか。日本共産党以外の他の主要な政党は「自民党へ、安倍首相へ」と“草木もなびく”状況。消費税大増税と社会保障改悪の「3党合意」 に首根っこを抑えられた民主党は「アベノミクスの全体方針は正しい」「心から賛成する」(2月2日参院本会議)と持ち上げる始末。参院選をにらんで批判に 転じようとしていますが、足場がありません。日本維新の会、みんなの党の安倍礼賛は目に余るひどさです。

真っ向勝負

 こうしたなかで、安倍政権に真正面から立ち向かう日本共産党の姿が浮き立っているとの声は永田町のなかからも聞こえます。

 最近、民主党を離党した議員の一人はこう語ります。「『政権交代』だけを錦の御旗にし自由党との合併で民主党をつくったが、総選挙での凋(ちょ う)落(らく)で二大政党体制も崩壊した。『第三極』に対しても国民は飽きてきていて、政党として残ったのは自民党と共産党ということだ。公明党が自民党 にくっついて残っている」

 世論調査での高支持率に“自信”を強める自民党では「自民党対その他の政党という構図だ」とおごる声がある一方、「民主党は国民的に信任を失い、 維新の勢いも止まった状況で、政党としての対決という点では共産党との真っ向勝負になる」と述べる議員もいます。「環太平洋連携協定(TPP)や原発、そ して憲法の問題では自民党内にも矛盾がはねかえってくる」と警戒しているのです。

第三極失速

 一方、いわゆる「第三極」の幹部はどうか。みんなの議員は「みんなの党のピークは2010年の参院選だった。そのときの得票が800万票で、昨年の総選挙では550万票。維新も勢いを失っている」と述べ、さらにこう語ります。

 「主張が明確な自民と、その対極で主張が明確な共産。あとは国民から見れば何を言っているのかはっきりしない第三極。直ちに共産の得票が増えるかはわからないが、国民から見れば自民党対共産党という構図に見えるのは自然」

 “自共対決”は、各党の立ち位置を見ればいっそう鮮明になります。

 たとえば、民主党。「民主党政権は消費税率引き上げにも正面から取り組んできた」(輿石東参院議員会長)、「自民党は与党になった途端、(3党合 意への)消極姿勢が目立っている」(海江田万里代表)などと、消費税増税と社会保障改悪の「3党合意」に固執しています。党内からは依然「与党ボケ」の声 も出るなど、政治的に漂流しています。

 参院選に向けて反対姿勢を強めるとしていますが、1面所報のようにアベノミクスに対しては礼賛してきた経緯があります。憲法96条改定には反対の 方向で党内の意見集約をはかるとしていますが、96条改定狙う研究会には渡辺周前防衛副大臣や蓮舫元行革担当相など有力議員が参加しています。

既成政党化

 日本維新の会やみんなの党はどうか。維新の石原慎太郎・共同代表は「維新は賞味期限」(7日)、「昨年末の衆院選と比べて今、昇り龍にあるとはい えない」(8日)と危機感もあらわ。橋下徹共同代表も“賞味期限”発言を「そうじゃないですか」と人ごとのように認めました。9日記者会見した維新の片山 虎之助副政調会長は「維新の会もできて長い(?)から、(人の)見る目も変わってくることは確かだ」「だんだん大きくなると既成の政党的になってくる」と 認めました。

ある記者は

 これに対して、どの問題でも抜本的対案を示して安倍内閣に立ち向かっているのが日本共産党―。この政党状況をメディア関係者はどうみているのかも聴きました。

 7中総を取材したあるメディアの記者は「民主党は凋落(ちょうらく)の中で、相変わらずまとまれず、維新も安倍自民党に擦り寄るなどして存在感を弱めている。その中で、志位委員長が7中総で自民党と対決路線を鮮明に強調したことは正しいと思う」と話します。

 別の記者は「『維新』は国政進出自体があだになり、自民党の補完勢力であること、国民にとって役に立たない勢力であることを自ら示した。『玉石混 交』でむしろ石のほうが多いのではないか、ということになってしまった。石原氏のアナクロニズム(時代錯誤)にも首都圏の支持層は引いている」と指摘。民 主党が「3党合意」路線でまったく野党性を発揮できない状況もあわせて、「自共対決の構図」に賛同を示しました。

 ある大手メディア関係者は「民主党は、財務省はじめ官僚のコントロールで、消費税増税や原発再稼働などの『歴史的使命』を果たし、自民党化して国民の支持を失った」と指摘したうえで、こう述べました。

 「議員の数は少ないが、政策的に自民党と対峙(たいじ)しているのは共産党だけだ。安倍バブルは必ずはじける。そのときにまた橋下氏らが危険な受け皿とならないよう、奮闘を期待する」


自民への期待は土台のない幻想

 神戸学院大学の上脇博之教授(憲法学)の話

 自民党と安倍政権に対し高支持率が続くのは、一時的な公共工事増額や株価上昇につられて政権与党となった自民党に期待するしかない、というところにまで庶民が追い込まれているからではないか。

 しかし、自民党への期待は土台のない期待であり、幻想に近い期待だ。自民党内にも“庶民はいつか目を覚ますのではないか”という不安がある。昨年 の総選挙では、圧勝したが、得票は減らしているからだ。庶民が安倍政権の正体を直視できれば、再び自民党離れが生じる可能性もある。

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