金大中元大統領が死去
日韓関係構築 「民主化」に献身
韓国の金大中(キム・デジュン)元大統領(在任、1998~2003年)が18日午後1時43分、ソウル市内の病院で死去しました。85歳。 1970~80年代に軍事独裁下で民主化運動に貢献し、大統領在任中の2000年には北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)朝鮮労働党総書記と初の南北首脳 会談を実現。同年末にノーベル平和賞を受賞しました。
7月13日に肺炎で入院し、同月16日から人工呼吸器を装着して治療を受けていました。
1924年、韓国南西部・全羅南道新安生まれ。1950年代から政治活動を開始。日米で朴正熙(パク・チョンヒ)独裁政権への反対活動を展開していた73年に東京のホテルで韓国情報機関によって拉致され、韓国に連れ戻されました。
80年5月に光州で起きた民主化運動(光州事件)を理由に、内乱陰謀罪で死刑判決を受けました(翌年無期懲役に減刑)。
軍事政権が終わった87年から3回連続で大統領選挙に立候補。97年に当選しました。
98年の訪日では小渕恵三首相(当時)との間で、植民地支配への日本の「おわび」を公式文書に初めて明記した「21世紀に向けた新たな日韓パート ナーシップ」に合意。日本大衆文化の段階的解放に踏み切るなど、日韓友好関係の構築に努力しました。ノーベル平和賞の授賞理由には、南北関係改善とともに 日韓関係改善への努力も挙げられました。
北朝鮮に対しては「太陽政策」と呼ばれる和解・交流政策を推進。2000年の南北首脳会談で合意した南北共同宣言は、南北統一へ向けた共同研究や、均衡の取れた民族経済の樹立などが盛り込まれ、南北鉄道の連結実現や経済交流の活性化をもたらしました。