民主党:小沢系16人が会派離脱届…
執行部は認めぬ意向
2011年2月17日 11時35分 更新:2月17日 15時0分
民主党の渡辺浩一郎衆院議員ら小沢一郎元代表に近い比例代表選出の衆院議員16人は17日午前、執行部が決めた小沢元代表への処分方針に抗議し、 民主党会派の離脱届を岡田克也幹事長に提出した。同時に衆院事務局に新会派「民主党政権交代に責任を持つ会」の結成届を出した。執行部は予算関連法案の衆 院での再可決が可能な3分の2以上の議席確保を目指しているが、離脱を表明した議員が関連法案に賛成しない事態となれば菅政権には大きな打撃になる。
岡田氏は同日、「党に所属している限り、規約上、会派離脱はできない。選挙で民主党の議員として選ばれて、会派を抜けることが軽々にできるはずは ない。考え直してほしい」と述べ、離脱を認めない意向を示した。岡田氏はこの後、輿石東参院議員会長と対応を協議。輿石氏は「最終的に50人程度に膨れ上 がる可能性もある」と伝えた。
新会派の会長に就く予定の渡辺氏は国会内で記者会見し「衆院選マニフェストを実行するためだ」と語り、離党しない意向を強調。11年度予算案と予 算関連法案への賛否については「マニフェストに照らし合わせて、内容を精査して判断したい。(投票行動が民主党と)別になることもありうる」と述べ、反対 する可能性を否定しなかった。
離脱届を出したのは全員が比例代表単独で、地盤となる小選挙区を持たない。このため離党含みの展開になったとしても、身動きが取りやすいと見られ ている。渡辺氏らは17日朝、小沢元代表側に離脱の意向を報告。元代表を支持する一新会の幹部も事前に相談を受け、容認したことを認めた。菅政権の「3月 危機」が現実味を帯びる中、小沢元代表側には政権を揺さぶる狙いがあるとみられる。
ただ、会派を離脱するには会派の代表者が議長に離脱届を提出する手続きが必要で、民主党の会派代表は岡田氏。衆院事務局によると、会派離脱が認め られないまま新会派を作る「結成届」を提出するのは通常認められていない。「結成届が提出されれば議院運営委員会で協議することになる」(議事課)として いる。【葛西大博】
◇会派離脱届を提出した比例選出議員
渡辺浩一郎(東京 <2>)
豊田潤多郎(近畿 <2>)
高松 和夫(東北 <1>)
菊池長右エ門( 同 )
石井 章(北関東<1>)
川口 浩( 同 )
水野 智彦(南関東<1>)
石田 三示( 同 )
相原 史乃( 同 )
川島智太郎(東京 <1>)
笠原多見子(東海 <1>)
三輪 信昭( 同 )
小林 正枝( 同 )
大山 昌宏( 同 )
熊谷 貞俊(近畿 <1>)
渡辺 義彦( 同 )
(敬称略、地区はブロック名、<>内の数字は当選回数)