2023年9月19日(火)
日本のジェンダー平等実現
政治分野で大きな立ち遅れ
「政治分野における男女共同参画推進法(候補者男女均等法)」が施行されてから5年。ジェンダー平等をどう実現していくのかが喫緊の課題です。男女平等の達成度を示す「ジェンダーギャップ指数2023年版」(世界経済フォーラム)で、日本は146カ国中125位と前年度を下回る低水準となりました。ジェンダー平等を果たす上での弊害は、「政治」にあります。
ジェンダーギャップ指数の「政治」分野での日本の順位は、146カ国中138位です。政治分野には、国会議員の男女比、閣僚の男女比、最近50年における行政府の長の在任年数の三つの項目があります。しかし、日本は三つの項目全てで平均を下回っています(図1)。23年の衆議院における女性議員の割合は4月28日時点で10・3%(464人中48人)、参議院は26・6%(248人中66人)と、どちらも低調です。
世界経済フォーラムは「国政」に焦点を当てていますが、日本の女性地方議員の少なさも深刻です。(図2)
今年の統一地方選の候補者段階で女性の割合が10%を切った政党は、自民党(2757人中238人、8・6%)だけでした。候補者総数が100人を超えた党のうち、最も高かったのは日本共産党(1396人中597人、42・8%)です。また、同選挙の当選者数で最も女性の割合が高かった政党も日本共産党でした。(1077人中498人、46・2%)
ジェンダー平等を果たすために必要なのは、政治分野での男女平等であり、その第一歩がパリテ(男女議員同数化)です。
副大臣、政務官に女性ゼロ
岸田改造内閣
岸田文雄首相が13日に行った内閣改造をめぐり、X(旧ツイッター)などSNS上で「性別で区切って評価してる時点で、それはもう差別」などと批判が相次いでいます。
首相は同日の記者会見で、過去最多と並ぶ女性閣僚5人を起用したことについて「女性ならではの感性や共感力の発揮に期待したい」と発言。土屋品子復興相を紹介する際には、「女性ならではの視点を最大限にいかし、被災地に寄り添った復興策に腕を振るってもらう」とも語っていました。
政治分野で女性活躍を目指す姿勢を見せようとする一方、第2次岸田再改造内閣の副大臣、政務官への女性の起用はゼロ。昨年改造時の11人から一転しています。さらに、首相の「女性ならでは」という発言にもSNS上では、「男性ならではの役割なんて期待されないのに」と指摘する声が上がりました。