自民党 秋本議員の逮捕
質問を賄賂で汚した責任重大
外務政務官などを務めた
秋本議員の逮捕
質問を賄賂で汚した責任重大
外務政務官などを務めた秋本真利衆院議員が、風力発電会社から多額の資金提供を受け、同社の有利になる国会質問をした疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。秋本議員は8月、問題発覚後に自民党を離党しましたが、議員辞職はせず、国民にも一度も説明していません。国会議員が賄賂をもらい、企業のために質問したとすれば重大です。議員辞職をすべきです。岸田文雄首相と自民党には、真相を全て明らかにし、国民に説明する責任があります。
より重い受託収賄を適用
秋本議員には、洋上風力発電事業をめぐり「日本風力開発」(東京)の前社長から2019年3月~今年6月にかけて合計約6000万円の賄賂を受け取った容疑が持たれています。秋本議員は19年2月と22年2月の衆院予算委員会分科会などで、事業参入をめざす同社の意向に沿った質問を行っていました。
秋本議員と前社長らは競走馬を保有する馬主組合を設立していました。秋本議員は、資金提供は馬の購入や飼料代のためだと主張しますが、それだけでは説明がつきません。秋本議員への現金の一部は議員会館の事務所で渡されていました。
前社長は、国会質問に対する謝礼の趣旨があったと認めていると報じられています。特捜部は、質問の見返りに資金を受領した疑いが強まったとして、当初の容疑だった単純収賄罪ではなく、より法定刑の重い受託収賄罪が適用できると判断したとされます。
国会議員が利益供与を受け、特定企業の有利になる質問を行い、受託収賄罪に問われたケースは過去にも少なくありません。1985年に発覚した撚糸工連事件、88年発覚のリクルート事件、2000年発覚のKSD事件などでは自民党だけでなく公明党などの議員が同罪で有罪になりました。
国会質問は、国会議員の職務行為の中でも極めて重要なものです。企業の意向を受けて質問し、現金を受け取ることは国会議員の職務を汚すものです。このような言語道断な行為が後を絶たないことはあまりに深刻です。
秋本議員は、自民党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟の事務局長を務めていました。2018年に成立した海洋再生可能エネルギー整備法を巡っては、国土交通政務官として、同法の作成に関与してきました。
岸田政権が打ち出した再生可能エネルギーの拡大をめぐる政策が、一部の政治家や企業の利権のためにゆがめられていたとすれば、許し難い事態です。他の政治家の関与はなかったのか。徹底的な解明が求められています。洋上風力発電をはじめ再エネ事業をめぐる国民の疑念を一掃しなければなりません。
岸田政権は説明せよ
秋本議員を外務政務官に任命した岸田首相の責任は免れません。同議員を比例代表南関東ブロックで当選させた自民党としても説明責任を果たすべきです。
岸田政権では昨年の内閣改造後、閣僚4人が「政治とカネ」や統一協会問題などで辞任しました。政治資金規正法違反を問われ、辞職した自民党議員もいます。岸田首相はどの問題でも解明に背を向けました。不信を広げる政治を終わらせる時です。
秋本議員は8月、問題発覚後に自民党を離党しましたが、議員辞職はせず、国民にも一度も説明していません。国会議員が賄賂をもらい、企業のために質問したとすれば重大です。議員辞職をすべきです。岸田文雄首相と自民党には、真相を全て明らかにし、国民に説明する責任があります。
より重い受託収賄を適用
秋本議員には、洋上風力発電事業をめぐり「日本風力開発」(東京)の前社長から2019年3月~今年6月にかけて合計約6000万円の賄賂を受け取った容疑が持たれています。秋本議員は19年2月と22年2月の衆院予算委員会分科会などで、事業参入をめざす同社の意向に沿った質問を行っていました。
秋本議員と前社長らは競走馬を保有する馬主組合を設立していました。秋本議員は、資金提供は馬の購入や飼料代のためだと主張しますが、それだけでは説明がつきません。秋本議員への現金の一部は議員会館の事務所で渡されていました。
前社長は、国会質問に対する謝礼の趣旨があったと認めていると報じられています。特捜部は、質問の見返りに資金を受領した疑いが強まったとして、当初の容疑だった単純収賄罪ではなく、より法定刑の重い受託収賄罪が適用できると判断したとされます。
国会議員が利益供与を受け、特定企業の有利になる質問を行い、受託収賄罪に問われたケースは過去にも少なくありません。1985年に発覚した撚糸工連事件、88年発覚のリクルート事件、2000年発覚のKSD事件などでは自民党だけでなく公明党などの議員が同罪で有罪になりました。
国会質問は、国会議員の職務行為の中でも極めて重要なものです。企業の意向を受けて質問し、現金を受け取ることは国会議員の職務を汚すものです。このような言語道断な行為が後を絶たないことはあまりに深刻です。
秋本議員は、自民党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟の事務局長を務めていました。2018年に成立した海洋再生可能エネルギー整備法を巡っては、国土交通政務官として、同法の作成に関与してきました。
岸田政権が打ち出した再生可能エネルギーの拡大をめぐる政策が、一部の政治家や企業の利権のためにゆがめられていたとすれば、許し難い事態です。他の政治家の関与はなかったのか。徹底的な解明が求められています。洋上風力発電をはじめ再エネ事業をめぐる国民の疑念を一掃しなければなりません。
岸田政権は説明せよ
秋本議員を外務政務官に任命した岸田首相の責任は免れません。同議員を比例代表南関東ブロックで当選させた自民党としても説明責任を果たすべきです。
岸田政権では昨年の内閣改造後、閣僚4人が「政治とカネ」や統一協会問題などで辞任しました。政治資金規正法違反を問われ、辞職した自民党議員もいます。岸田首相はどの問題でも解明に背を向けました。不信を広げる政治を終わらせる時です。