2023年9月27日(水)
核廃絶は次世代への贈り物
国際デー 各地で条約参加求め署名
国連が定めた核兵器廃絶のための国際デーとなった26日、全国各地で核兵器廃絶を目指して、日本政府に核兵器禁止条約への署名・批准を求める活動や原爆パネル展などが取り組まれました。
東京
東京では、原水爆禁止日本協議会(日本原水協)と東京の被爆者団体(東友会)が、うたごえを交えて、新宿駅西口で署名を呼びかけました。「核兵器をなくしてほしい」「戦争はだめ。テレビで軍事費を増やしていることを知った。大軍拡のために仕事をしているのではない」などの声が寄せられました。
日本原水協の安井正和事務局長らは、国連のグテレス事務総長が国際デーにあたり「核兵器を廃絶することは、私たちが将来世代に残すことができる最大の贈り物」と呼びかけたことや核兵器禁止条約の署名国が93カ国に、批准国は69カ国になったことを紹介し、「世界は核兵器禁止・廃絶が主流だ」と強調。「唯一の戦争被爆国日本がいまだに禁止条約に参加していない」と述べ、署名を呼びかけました。
イギリスや中国の人も署名に応じました。旅行でチリから来た24歳の青年は、「広島に行き、原爆資料館を訪問しました。言葉になりません。戦争も核兵器もなくさないといけない」と語り署名しました。
東京都渋谷区の女性(80代)は、「もう戦争はないと思っていました。戦争も核兵器も本当になくさないといけません。軍拡がすすんでいることを若い人に気づいてほしい」と語りました。
被爆者ら協力呼びかけ
広島
広島市の繁華街では、広島県原水協と県原爆被害者団体協議会(佐久間邦彦理事長)が宣伝し、被爆者ら20人が「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」への協力を呼びかけました。
「あなたの署名がつくる核兵器のない世界」と書かれた横断幕やプラスターを掲げ、オンライン署名ができるQRコードのついたビラを配りました。
県原水協の神部泰代表理事ら4人がリレートーク。神部氏はロシアのウクライナ侵略が続くなか、「核兵器使用が現実化しかねない危険な情勢に直面している」と指摘し、「だからこそ、軍縮、とりわけ核軍縮の前進が強く求められる。いかなる状況であろうとも、核兵器の使用、威嚇は許されないとの声を被爆地広島から上げていこう」と呼びかけました。
原爆で身内や知人が相次いで亡くなったという広島市の男性(82)は、「あんなつらい思いは誰にもさせてはいけない」と署名しました。