大橋みつるの平和ト-ク・・世直しご一緒に!

世界の変化を見ながら世直し提言
朝鮮・韓国・中国・ロシアとの友好促進
日本語版新聞紹介

初午・稲荷(いなり)の祭日・・いなり寿司

2009-02-06 | 市民のくらしのなかで

      初午(はつうま)

 

 2月初めの午(うま)の日をいう。稲荷(いなり)の祭日とされ、稲荷講の行事が行わ

れるが、その習俗はかならずしも稲荷とは関係なく、土地によりさまざまである。この

日初午団子をつくり、子供たちが集まって太鼓をたたくことが広く行われる。長野県

では初午の日を道陸(どうろく)(祖)神の火事見舞いといって、小正月(こしょうがつ)

のどんど焼に小屋を焼かれた見舞いとして(もち)を搗(つ)いてこの神に供える祭

りとしている。また蚕玉祭(こだままつり)といってカイコの神を祀(まつ)っている所も

ある。栃木県の旧安蘇(あそ)郡野上村(現佐野市)では、初午にシミズカリといって

大根や鮭(さけ)のおじやをつくり神前に供える。初午の日が早いと火事が多いとい

われ、月の初めにあたると二の午の日に延期する例があり、5日過ぎればよいともい

う。青森県の津軽地方では、屋根に水桶(みずおけ)をあげたり水をまいたりしてい

る。岐阜県の高山市では初午の日には茶を飲まないといい、鳥取県南東部(八頭

(やず)郡を中心とした地域)では茶釜(ちゃがま)を洗って乾かすという。

 ほかに、変わった風習として、新潟県南魚沼(みなみうおぬま)市の六日町地区で

は、多くの家が屋敷神を祀っているが、初午には豊年を祈願して小豆飯(あずきめ

し)と鰊(にしん)を供える。鳥取県日野郡では初午粉といって、米の粉を神前に供え

る。奈良県宇陀(うだ)市菟田野(うたの)区では初午の日に、25歳の男と19歳の女

が、厄年のため近所の社寺にお参りする。長崎県壱岐(いき)島では、世上祭(せじ

ょうまつり)といって初午に豊作を祈る。熊本県の各地では初午の市(いち)が立ち、

湯豆腐、いなりずしなどを売り出している。これらの習俗からみて、初午の日とは、そ

の年の豊作を予祝する意味の祭りであったといえる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

志位委員長衆議院で大奮闘!!

2009-02-05 | 市民のくらしのなかで

 

                            2009年2月5日(木)「しんぶん赤旗」

理不尽な「派遣切り」止めよ

            政治は責任果たせ

 

    衆院予算委 志位委員長 生々しい実態示しただす

 

  大企業には雇用守る体力ある


 四日の衆院予算委員会の基本的質疑。日本共産党の志位和夫委員長は、大企業による「派遣切り」の生々しい実態を具体的に示し、麻生太郎首相に、政治の責任で「派遣切り」をやめさせるよう迫りました。いすゞ、マツダ、パナソニックなど大企業の横暴を突きつけた志位委員長の質問に、委員会室は静まり返り、与野党議員が食い入るように論戦を見つめました。

[ムービー]


内部留保は急膨張

写真

(写真)パネルを示し、「派遣切り」問題で麻生内閣を追及する志位和夫委員長=4日、衆院予算委

 「『政治災害』であるという認識と反省が必要ではないか」。四日の予算委員会で質問に立った日本共産党の志位和夫委員長は、大量の「派遣切り」「非正規切り」を引き起こした政治の責任を追及しました。

 派遣労働の急増は、自然現象ではありません。政府・与党は財界のもとめに応じて、一九九九年に派遣労働を原則自由化し、二〇〇四年からは製造業にも広げるなど、労働法制の規制緩和を繰り返してきました。

 志位 政治の責任への真摯(しんし)な反省があってこそ、対応も真剣で本腰を入れたものになる。

 麻生首相 労働者派遣法は雇用を確保し、働き方の多様性にこたえるうえで、一定の役割を果たしてきた。

 「政治災害」の責任を認めようとしない首相に対し志位氏は、「雇用を確保したというが、つくられたのは大量のワーキングプア(働く貧困層)だ。労働者派遣法は労働者のニーズではなく、財界のニーズでつくったものだ」と批判しました。

 大企業による大量解雇は拡大する一方です。厚生労働省の調査でも昨年十月から今年三月末までに約十二万五千人、業界団体の試算では製造業で働く派遣・請負の失業は三月末までに四十万人にものぼるといいます。

 こうしたもとで、失業者の住居、生活、再就職の支援に万全をつくすとともに、これ以上の「非正規切り」をやめさせるために、可能なあらゆる手段を尽くすことが求められています。

 志位氏は、こう述べた上で、大企業が進めている大量解雇がやむを得ないものといえるのかとただしました。

 「大企業は、つい最近まで空前の黒字を誇っていたではないか。その金はいったいどこにいったのか」。志位氏はパネルを掲げて、この十年間に大企業が非正規労働者を急増させる一方で内部留保を急膨張させていることを示し、「この巨額の内部留保のごくわずか、1%を取り崩すだけで四十万人の非正規社員の雇用を維持することができる」と述べ、大企業には雇用を維持する体力があることを明らかにしました。

 志位 大企業には雇用を守るための「努力」の余地はまだある。大量解雇はそれを行わなければ経営破たんに陥るといったような、「万策尽きたやむを得ないもの」とはいえない。

 首相 いまあわてて(首切りをして)いる企業も目立つ。がんばれるところもあるのではないか。

 志位氏は、「大企業にはその気になれば雇用を守れる体力があるとお認めになった」と述べ、大企業に責任を果たさせるよう求めました。

労働者より大株主優先 資本主義の堕落ではないか

 「少なくない大企業が不況下で株主配当を増やしながら、労働者の『首切り』を進めている」

 志位氏は、大企業が十年間で経常利益を八・二兆円、株主配当金を四兆円増やす一方、従業員給与を二・三兆円減らしていること(グラフ)を示し、「額に汗して働く労働者より、ぬれ手で粟(あわ)のもうけを手にしている大株主を優先する。これは資本主義としても堕落ではないか。企業にとっても未来がなくなるのではないか」と迫りました。

 志位 株主への配当を至上のものとし、「従業員やその家族」「地域社会」に対する責任を果たしているとはいえない経済団体、大企業の代表を集め、経営姿勢の誤りを、道理をもって説き、「大量解雇はやめよ」と正面から求めるべきだ。

 首相 私がみんなの前で経営のあり方という個別の企業のあり方を説くというのは納得できない。

 志位氏は「経済界をみんな集めて正面から説けと言っている」と批判し、二度とこうした「政治災害」を起こさないために、派遣法を原則自由化以前に戻し、登録型派遣を原則禁止する抜本法改正を行うよう求めました。

グラフ

労働者派遣法にも職安法にも違反

いすゞ “名ばかり期間社員”

 労働者派遣法の大原則は(1)派遣は臨時的、一時的なものに限り、正社員を派遣に置き換える常用代替は禁止(2)派遣期間は最高三年、それを超えたら直接雇用の申し出義務が生じる―というものです。

 志位氏は、「派遣切り」の実態について、その多くが、期間制限を超えて、四、五、六年と働かされ、直接雇用の申し出もないまま、「派遣切り」にあっているのが実態だとして、いすゞ、マツダの例を取り上げました。

 千四百人の「非正規切り」を行ったいすゞから一月で「派遣切り」されたTさん。二〇〇三年四月から五年十カ月も働いてきました。(パネル(1))

 初めの二年半は形だけ請負で、いすゞ社員に指示されて作業する偽装請負。その後、偽装請負が社会問題となったため派遣に切り替えられ、派遣期間上限に達した〇六年十月からは直接雇用の期間社員にされました。

 しかし、期間社員だったのはわずか三カ月。仕事場も業務も派遣の時と同じで、寮や送迎バスも派遣会社のもの。最初から派遣に戻すことを前提とした“名ばかり期間社員”だったのです。舛添厚労相は、「偽装請負の期間も派遣可能期間に通算する」と答えました。

 志位氏は、「まじめに働けば正社員になれる、北海道の家族を呼べると思って頑張ってきた。ものづくりが好きだった。いすゞはもっと働く人を大切にする企業になってほしい」というTさんの訴えを紹介し、麻生首相に迫りました。

 志位 五年十カ月も働いたTさんは、とっくに正社員になっているべき労働者だ。なのに直接雇用の申し出もないばかりか、「派遣切り」で職も住居も奪われた。あまりに理不尽ではないか。

 首相 まったく同じ(意見)だ。三年以上なので明らかに違反している。期間社員の期間を入れてまでやるほど有能な社員だったということを意味している。

 理不尽な大企業のやり方を認めた首相に対し、志位氏は「違反を是正させるよう求める」とのべました。

グラフ

残業、月150時間超 あまりに異常だ

パナソニック 過労死基準の倍にも

 続いて、志位氏が追及したのが、パナソニック・エレクトロニックデバイス若狭工場(福井県)で、三年十カ月働きながら、昨年十二月、「派遣切り」にあったMさんの例です。

 Mさんは原材料の補充や交換、トラブル処理など立ちっぱなしで常に緊張を強いられる仕事をしていました。日勤(午前八時半―午後八時半)、夜勤(午後八時半―午前八時半)の二交代制の十二時間労働。休日出勤も常態化していました。Mさんのある月の残業時間は、百五十四時間四十五分でした。

 「過労死基準である残業月八十時間の約二倍だ。あまりに異常ではないか」との志位氏の指摘に、首相は「異常だ」と認めました。

 しかし、Mさんの訴えに福井労働局はまともに対応しませんでした。Mさんが「三年を超えているのに、直接雇用の申し出もなく、解雇されるのは違法ではないか」と訴えたのに対し、労働局は「〇六年十一月以前は請負契約なので、違法ではない」と回答。Mさんが「請負というが、働かせ方は派遣と同じだった。偽装請負ではないか」と調査を求めても、労働局は「二年前のことなので会社側に資料請求できない」と言い放ちました。

 Mさんがやむなく偽装請負の証拠を自分で集めて再度訴えると、労働局はやっと調査と指導を約束しました。

 志位 労働局は調査すらしない。こんな対応で労働者の権利が守れるか。

 厚労相 個々の企業についてのお答えはさしひかえるが、法違反があれば、厳正に対処する。

 志位 そんな怠慢なことでどうして労働者の権利が守れるのか。

 労働局の指導を受けたパナソニックは一月中旬、派遣労働者に対し、「直接雇用」にするといいながら、時給八百十円で期限付きのアルバイトなら雇うと言ってきたのです。

 志位 到底受け入れられないような低賃金・劣悪な条件を示して、直接雇用の申し出だと開き直る。こんなことで直接雇用申し出義務を果たしたと認められるのか。

 厚労相 派遣法改正案において、違反した派遣先に対して、労働契約を申し込むこと、労働条件を低下させることがないよう勧告する措置が盛り込まれている。

 志位 勧告にすぎない。義務付けをしなければ、派遣先大企業はいうことを聞かない。

 志位氏は、パナソニックが全国で「派遣切り」をしながらその実態を明らかにしていないと述べ、「“明るいナショナル”といってきた企業が闇の中で『派遣切り』をやっている。三・六兆円もの内部留保をため込みながら、雇用への社会的責任を果たさない。あまりにも横暴ではないか」と追及。首相は「人を大事にするか、しないかは企業にとって大きな価値だ」と答えざるを得ませんでした。

 志位氏は「現在行われている製造業派遣は、偽装請負の期間なども含めれば、派遣可能期間をはるかに超えて使い続けているケースが多い」と述べ、「踏み込んだ調査をし、違法があれば厳しく是正指導すべきだ」と追及しました。

 舛添厚労相は「今後とも実態の解明に全力を挙げていく」と答えました。

写真

(写真)パナソニック・エレクトロニックデバイスで「派遣切り」にあったMさんの給与明細の一部


マツダ クーリング期間悪用

 続いて志位氏が取り上げたのは、派遣社員千三百人が解雇されたマツダのケース。

 派遣労働者が、いずれも三カ月と一日だけ「サポート社員」という期間社員に切り替えられ、三年以上働かされていました。(パネル(2))

 同一場所、同一業務でも三カ月を超えて派遣を受け入れない期間(クーリング期間)があれば継続した派遣と見なさないという厚生労働省の指針をマツダは悪用し、期間制限を逃れて派遣のまま使い続けたのです。

 このクーリング期間について舛添厚労相は、「再び派遣として就業させることを予定している場合は職安法違反になる」と述べ、「クーリング期間も派遣期間に通算されるので、最初の派遣開始時から最大三年以上経過したあとは派遣を行うことができない」と、答えました。

 「サポート社員への置き換えは、三カ月と一日のあとは派遣に戻すことを前提に進めた。派遣法逃れだった」という派遣会社の証言を示して志位氏は迫りました。

 「マツダは派遣法違反にとどまらず、職安法違反までやっていた。違法な方法で期間制限を逃れて派遣のまま働かせたあげく、『派遣切り』。悪質とは思わないか」

 「個別の案件について感想をのべない」とする首相に対し、志位氏は、そんな姿勢では派遣先企業が増長するだけだと指摘しました。

 「違法行為によって義務を逃れてきた派遣先企業に直接雇用義務を果たせと厳しく指導するのが当然ではないか。派遣先の罪は問わず、被害者の労働者は見殺しにするのか」と志位氏。舛添厚労相は、「的確な指導を厳正に行っている」と答えました。

グラフ


■関連キーワード

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

追い越されますよ、言うてるうちに!

2009-02-03 | 世界の変化はすすむ

 

  ベトナム政府が貧困削減計画

 

   山岳部61県 林業・農業を支援

 

             世界不況のなか


 ベトナム政府はこのほど、主に少数民族が暮らす山岳地帯を対象にした新しい貧困削減プログラムを決定しました。金融・経済危機の影響をうけるなか、貧困削減がとくに遅れる山岳部の底上げを図ろうとしています。

                                    (ハノイ=井上歩)


 労働・傷病兵・社会省によると、ベトナムの貧困率(世界銀行の貧困基準)は一九九四年の約58%から二〇〇八年には約13%にまで減少。一九九八年から国家事業とした貧困削減は、生産支援、職業訓練などに取り組み、大きな成果を上げてきました。

 他方で二〇〇八年は原油・食料高騰と金融危機、世界景気後退の影響を受け、貧困率11―12%という目標を達成できませんでした。同省社会援助局のゴー・チュオン・ティ副局長によると、「十年間の貧困削減努力が徐々に効果を出している」ため、直近の貧困率は12―13%を維持しましたが、「再貧困(再び貧困水準に落ち込む世帯)が増加し、貧困削減にブレーキがかかった」といいます。

 政府がこのほど打ち出した新しいプログラムは、貧困率が50%を超える全国六十一の県(日本の郡に相当)を集中的に支援する内容。これらの県は森林の多い山岳部にあり、インフラ整備は大きく遅れています。人口二百四十万人の90%が少数民族で、就学率は低く、生産技術も普及していません。

 政府は貧困家庭が林業をはじめる場合、苗木、資金を支援。また生産林が成長するまでの期間の食料などを援助します。保護林の管理をする住民には管理費も支払います。開墾地には一ヘクタールあたり一千万ドン(約五万二千円)を支給するなど、農業も強く支援します。

 ティ副局長は「貧しい人を主体に、いかに人々が森から仕事を得て森と暮らし、森を守るかを課題とした」と説明します。「これまでの政策はインフラ整備だった。しかし道路脇に暮らしながら貧しいままの人がいるとわかった。彼らの問題は生産であり、今回は生産条件を支援することで生活向上を図る」

 プログラムの総額はまだ未定。自立支援型を徹底したためで、国は予算を決めず、県の行政当局が実行主体としてプログラムを作成、予算を申請します。国は承認されたプログラムについて全額を支給します。


 貧困率 相対的貧困率と絶対的貧困率があり、日本、アメリカなどが加わる経済協力開発機構(OECD)では、相対的貧困率を採用。子どもを含めた世帯人数で調整した可処分所得の額が、平均的な水準の半分を下回っている人口の比率をいいます。一方、世界銀行は絶対的貧困率を採り、一九九三年の購買力平均換算で一日あたりの生活費が一・二五米ドル以下で暮らす人口の割合をいいます。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国民の誇り!頑張り抜いた81年!

2009-02-01 | 市民のくらしのなかで

   きょう「赤旗」創刊81周年

 

  読者の元へ 厳寒の道ひた走る

 

 

   東北の輸送・配達同行記


 「しんぶん赤旗」は、日本共産党が非合法とされ、持っているだけで犯罪とされた戦前の暗黒時代から、侵略戦争反対、国民主権を訴え、人々の手から手へ渡され読み継がれてきました。創刊から81年。いま、党と国民を結ぶ「赤旗」日刊紙輸送・配達のネットワークは、全国に張り巡らされ、読者に届けられています。冬場の東北地方でその一端を見ました。 石渡博明 写真・林行博


図

 岩手県北上市にある、あかつき印刷北上工場。一月二十八日午後九時十一分、輪転機が動きだしました。「赤旗」日刊紙A版の刷り出しです。静かだった工場は、あわただしさに包まれます。五分後にはトラックへの積み込み作業が開始され、九時二十分、福島県方面に向かうトラックが出発しました。

 二カ所の荷積み場所では、東北地方の各方面に向かうトラックが順番に入れ替わり、運転手が協力しあって、ゲートから次々出される「赤旗」の梱包(こんぽう)を積み込んでいきます。気温はマイナス二度。この日は水曜日で日曜版の印刷・輸送も加わります。積み間違いや積み残しがないか、集中力を高めて点検作業にのぞみます。

□■
写真

(写真)「しんぶん赤旗」を配達する長沼博さん=午前4時54分、山形県米沢市

 「日刊紙の輸送は、党と国民、党中央と党員を結ぶ大動脈。私たちの仕事は、単なる物運びではない。共産党から重要な仕事を任されているんだと、社員をはじめ輸送業者や運転手の方々に日々理解してもらうようにしています」。東北地方の「赤旗」輸送を一手に引きうけている株式会社東北物流の藤原悦夫社長は、この十年間、北上工場を拠点にした「赤旗」輸送網をつくるために努力してきました。

 現在、東北地方には二十三の「赤旗」日刊紙輸送コースがあり、三百二十のポストに届けています。実車距離(走行距離の合計)は一日七千五百キロに及びます。

□■
写真

(写真)試刷りで印刷をチェックする=午後9時7分、岩手県北上市のあかつき印刷東北営業所

 午後九時三十分。二番目の出発便、宮城、山形方面向けトラックが工場を後にし、東北自動車道を南下しました。山形行きの「赤旗」は仙台市の中継所で待機していたトラックに積み替えられ、山形自動車道へ。蔵王山麓(さんろく)に来ると、ここまで見られなかった積雪が、この時期珍しい満天の星に照らし出されてきました。山形市内で再び中継され、二十九日午前零時二十六分、最初のポスト、党村山地区委員会に到着しました。

午前2時半 マイナス9度仕分け/午前3時の雪道 配達40年

写真

(写真)輪転機が回り日刊紙の印刷が始まる=午後9時11分

 「こんなに雪が少ない年は初めて。気分的に楽です」。確実なハンドルさばきをみせる星明男さん(42)は、この道二十二年。毎日の走行距離は、二百六十キロ、日曜版がある日は四百四十キロになります。「決まった時間に確実に届ける、この仕事で大事なことは日中の睡眠をきちんととることです」と星さんはいいます。

 冬場は、国道、県道の8%の区間が通行止めとなる東北地方。地吹雪や事故で高速道が閉鎖となることもたびたびです。

 藤原社長は、「今冬、近年になく雪が少ないとはいえ、高速道は四回の通行止めがありました。日刊紙の原稿締め切りを繰り上げてもらったりして対応してもらっていますが、大渋滞やう回路の確保など、冬は、緊張した運転業務を強いられます」。やむをえず遅れる場合の現地への連絡、応急処置など、休日も携帯電話の着信に気を使います。

視界は約10メートル

写真

(写真)刷り上がった日刊紙をトラックに積む=午後9時25分

 トラックが山形市内をぬけ、南陽市に入ると濃霧が発生しました。やはり冬は気が抜けません。視界約十メートル。ライトに浮かび上がる道路脇の赤と白のポールが頼り。慎重に運転をすすめます。トラックは、八カ所のポストを経て午前二時三十分、米沢市内の党置賜地区委員会に到着。ここから北上し、最終ポストの朝日町へ向かいました。

 置賜地区では、ほどなく、“完全防寒スタイル”で同地区機関紙部長の長沼博さん(62)が現れました。「冷てえー」。マイナス九度のもとでの「赤旗」仕分け作業に、たまらず声がでます。

写真

(写真)北上工場を出発した輸送車(後方)から、コース分の梱包(こんぽう)を受け取る=午後11時30分、仙台市内

 午前三時、受け持ち分の日刊紙を手に出発しました。NHKの大河ドラマでブームの直江兼続も“眠る”米沢市。数多くの史跡がある街も幹線道路からはずれると曲がりくねった細い道が続き、道路脇には除雪された雪の壁が連なっています。「ドカッと降った後は、車が進入できず、相当歩かねばならないこともあるんです」。大気中の水分が凍りつき、ヘッドライトにキラキラ浮かびあがります。

 還暦を過ぎたとは思えない身のこなし。雪上を跳ぶようにかける長沼さん。四十年近く、日刊紙の配達に携わっています。大学で働いていたときは週五日、一昨年退職して地区機関紙部の仕事をひきうけ週六日、日刊紙を配っています。配達後、一時間ほど眠るのが長続きの秘けつだとか。

兄の教え胸に

写真

(写真)「しんぶん赤旗」を米沢市のポストに届ける=午前2時30分、山形県米沢市

 働き始めたころ、兄から“社会の不合理を正す仲間になれ”とすすめられ、民主青年同盟に加盟。その二週間後、兄は不慮の事故で亡くなります。その年に日本共産党に入党し、以来「『赤旗』こそ日本共産党の生命線」との教えを胸に刻んできました。同日の配達は、午前五時終了。街はまだ闇に覆われていました。

 配達先の一人、男性(68)は、毎朝六時半から日刊紙を読み始めます。「日刊紙がないと、年金者組合や党後援会の活動ができません。いま、米沢でも問題になっている“派遣切り”の記事を注意深く読んでいます。毎日、配達ごくろうさまの気持ちでいっぱいです」


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする