みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

がんと闘う緩和ケア医 講演で訴え 傾聴大切に 信頼築いて/個性的なクリスマスローズの花

2020-02-03 21:05:30 | ほん/新聞/ニュース
クリスマスローズは、種でふえると、
親株とは同じ花にならない、とのこと。
たしかに、うちの庭には、いろんな花が咲いています。

この外が淡いピンクで内側が白い花は、シンプルだけど好きな花です。

ちょっと変わりもので、個性的なクリスマスローズたち。



マーサで買ってきたキハダマグロの切り出しは、

オリーブオイルで焼きました。

応援クリック 人気ブログランキングへ してね 

後半は、
中日新聞の安藤明夫さんの記事、
「がんと闘う緩和ケア医 講演で訴え  傾聴大切に 信頼築いて」。
記事を読んで、「緩和ケア医が、がんになって」(双葉社)を読みたくなりました。

「「まっとうな、がん治療本」が救えること、救えないこと」も読みごたえがあり、
読んでみたい本が記事中にいくつかあります。
長い記事なので、一部だけ紹介します。

  がんと闘う緩和ケア医 講演で訴え  傾聴大切に 信頼築いて 
2020年1月28日 中日新聞

 闘病記「緩和ケア医が、がんになって」(双葉社)の著者で、進行がんと闘う医師、大橋洋平さん(56)が二十日、名古屋市千種区の愛知県がんセンターで講演した。日々、現場で患者と向き合う医師や看護師らを前に訴えたのは、患者の話に耳を傾け、信頼関係を築く大切さだ。患者の苦しみを和らげる緩和ケア医であり、今は患者でもある大橋さんの言葉は重く、スタッフは耳を澄ませた。 (編集委員・安藤明夫)

 愛知県弥富市の海南病院に勤務する大橋さんは、二〇一八年六月に悪性度の高い希少がんのジスト(消化管間質腫瘍)と診断され、胃の大半を切除した。しかし、昨年四月に肝臓への転移が判明。体の負担が大きい外科手術を断念した。

 今は、抗がん剤治療を続ける一方、血小板や白血球の減少などの副作用と闘いながら、東海地方を中心に月二回ほどのペースで講演を続けている。昨年八月に出版した「緩和ケア医が、がんになって」は一万部を超す売れ行きだ。
 この日、まず話したのは「患者の症状には教科書に載っていないものもある」ということ。食事を禁じられた手術前のことだ。もともと体重が一〇〇キロ以上あって食べるのが大好き。出された液体の栄養剤が口に合わず苦労した。しかし、他の患者たちはそうでもない。個人差を痛感したという。手術後、「体を動かしなさい」と言われたのもつらかった。おなかの手術痕は長さ三十センチにも。ちょっとしたことで激しく痛んだ。
 退院してからは食べ物を受け付けなくなった。消化液が逆流してきて苦しい。吐いて出そうとしてもうまくいかない。それまで、医師として「食事を取らないとだめですよ」と気軽に言っていたことを反省した。体重は四十キロ以上減った。

 医療の現場は多忙だ。こうした苦しみを伝えたくても、スタッフには声をかけにくい。
 大橋さんが緩和ケア医として大事にしてきたのは「傾聴」だ。人は語ることで気持ちが落ち着いて考えが整い、生きる意欲がわく。「患者さんが話を聴いてほしいタイミングを把握し、しっかり聴くことが大切」と指摘。そうすれば「『この人は私を分かってくれようとしている』と信頼感が生まれる」と力を込めた。

 そもそも緩和ケアとは何か。国のがん対策推進基本計画は「がんと診断された時からの緩和ケア」を、重点課題の一つに掲げる。がん患者や家族は、告知や再発、転移といったさまざまな場面で、体の痛みや心の苦しみ、絶望感に襲われる。がんと診断されたその時から、必要に応じてつらさを和らげ、生活の質をより良くするのが緩和ケアだ。以前は、がんを治すことばかりに関心が向けられていたが、近年は生活の質も同じように大切とされる。ただ、当事者の中には「緩和ケア=終末期の患者を対象にしたホスピスケア」と誤解し、一人で抱え込む人が少なくないという。

「患者の自律」にも理解を
 緩和ケアの考え方を踏まえ、大橋さんが強調したのは「患者の自律」という言葉。「自分の考えた通りに過ごせること」という意味だ。転移が見つかった際は絶望した。生きる意味を取り戻せたのは、出版や講演といった「次の目標」を持てたことに加え、患者になったことで異なる分野の友人が増えるなどの新しい体験ができたから。家族や主治医が思いを理解してくれたことが大きかった。「自律が保たれていると、患者は楽に生きられる。損なわれると苦しくなる。自律を損なわないよう見守って」と要望した。傾聴によって患者と良い関係が築ければ、日々忙しい医療者の燃え尽き防止にもつながる。大橋さんは「医者や看護師だけでなく、(リハビリ関係者や栄養士ら)医療に携わる人は誰もが話を聴く存在になれる」と促した。

 この日、講演会の座長を務めた愛知県がんセンターの下山理史・緩和ケアセンター長は「専門的なスタッフはどこも多くないのが現状だが、医療の現場は全てが緩和ケアの場だと思う。それが浸透すれば、普段の診療やケアはもっと豊かになる」と話した。 


  「まっとうな、がん治療本」が救えること、救えないこと 
小木田順子 編集者・幻冬舎
2020年02月03日 web論座/朝日新聞

二人のお医者さんとの仕事
 昨年(2019年)は中山祐次郎さんと山本健人さんという、二人のお医者さんの本の編集を担当した。中山祐次郎さんの本は『泣くな研修医』という小説、山本健人さんの本は『医者が教える 正しい病院のかかり方』という新書だ(ともに幻冬舎)。
 中山さんは郡山の総合南東北病院の勤務医、山本さんは今は京都大学大学院に在籍している。二人とも専門が消化器外科で30代ということに加えて、大きな共通点がある。「一般の人たちに向けて、正しい医療情報をわかりやすく発信する」ことに、並々ならぬ使命感をもって、エネルギーを注いでいる点だ。
 ウェブ上の健康・医療情報には科学的根拠がない間違ったものが多いことはかねがね指摘されていた。それが広く知られるようになったきっかけは、2016年のWELQ(ウェルク)事件だ。WELQという医療健康情報サイトに「肩こりは幽霊が原因のことも?」などのトンデモ記事が多数掲載されていることが問題視され、運営会社の社長が謝罪し、サイトは閉鎖された。
 この頃から、医師をはじめとする医療関係者や医療ジャーナリストによる、SNSでの情報発信が盛んになった。中山さんは「発信する医師団」、山本さんは「SNS医療のカタチ」といったゆるやかなネットワークを立ち上げ、ウェブでの情報発信だけでなく、リアルでもイベントを行うなどして、啓蒙活動に励んでいる。これらの活動はすべて忙しい本業の合間を縫って行われ、基本的に手弁当だ。

がん治療は「標準療法」一択
 間違った医療情報の影響がとくに大きいのは、やはりがんに関する情報だ。「二人に一人ががんになる時代」と言われ、圧倒的に関心が高いし、間違った治療法の選択は命の危機に直結する。
 お二人と仕事をしていた関係で、昨年後半は、医療関係のイベントにも何度か参加した。9月に開かれた朝日新聞withnews主催の「やさしい医療がひらく未来」というイベントでは、大須賀覚さんというアメリカ在住のがん研究者から、驚くべき、そして書籍編集者として猛省させられる発表があった。

 2019年9月のある時点で、大須賀さんがAmazonの「ガン関連」ジャンルのランキング上位12位までに入る書籍を調べたところ、科学的に裏付けられた正確な内容が書かれたものは、たった3冊だったというのだ。
 がん治療について、中山さんや山本さん、大須賀さんが主張するのは、決して難しいことではない。きわめてシンプルだ。すなわち、がんが見つかったときの治療法の選択は、「標準治療」一択だということ。
 標準治療とは、手術・化学療法(抗がん剤)・放射線等、がんの部位と進行度に応じて効果があると検証され、学会が発表する「ガイドライン」に記載された治療法のことだ。
 中山さんの言葉を借りれば、松竹梅の「竹」(中くらい)ではなく「松」(最上級)の治療であり(『がん外科医の本音』SB新書)、山本さんの言葉を借りれば、保険診療の範囲内で提供してもらえる「最も有効な治療」(『医者が教える 正しい病院のかかり方』)。

 国立がん研究センターの「がん情報サービス」というサイトでは、「科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療」と説明されている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


最後まで読んでくださってありがとう

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする