モゾモゾと話す福田首相の辞任の弁は
印象に残らなかったけれど、
質疑応答の最後の質問に対する、
「『ひとごとのように』とあなたはおっしゃったけどね、
私は自分自身のことは客観的に見ることができるんです。
あなたとは違うんです」という、
青筋を立てたような逆切れの答えが気になっていた。
福田の答えが、よかったからでは、もちろんない。
息を詰めてテレビをみているわたしたちの前で、
最後に、感情をあらわにした「あなたとは違うんです!」
の答えを引き出した記者はだれか。
「あなたと違う」というからには、きっと顔見知りの記者に違いない、
それにしても、気骨のある記者もいたもんだ。
とおもっていたら、質問したのは、
広島に本社がある中国新聞・東京支社の道面雅量記者とわかった。
この記事を見つけて、あの質問の意図を理解した。
【記者手帳】首相の辞任会見に思う 2008.9.2 中国新聞 「総理の会見は国民には『人ごと』のように聞こえる。この辞任会見も」。一日夜、福田康夫首相の辞任会見で、そんな質問をぶつけた。首相は「私は自分を客観的に見ることができる。あなたとは違う」と気色ばんだ。生意気な質問だという指摘を受けるかもしれないが、あえて聞いておきたかった。 昨年十月、米民主党のオバマ上院議員が大統領候補指名を争う中、「米国は核兵器のない世界を追求する」と発言した。首相はどう感じたか、夕方の「ぶらさがり会見」で尋ねた。返答は次のようなものだった。 「そりゃ、そういう世界が実現すれば、それにこしたことはないと思います。まあ、いずれにしてもですね、核兵器を保有する、その競争をするような世界では、あまりよくないと思いますけどね」。被爆国の首相の言葉としては、あまりに物足らなく感じた。 福田首相は確かに自身の置かれた状況を客観視し、慎重に発言する人だと思う。しかし、それだけでは務まらないのが首相の重責だろう。国民に自身の明確な意思を伝える必要に常に迫られている。辞任会見を聞きながら過去の取材経験がよみがえり、どうしても聞かずにはおれなかった。(東京支社・道面雅量) |
質問した中国新聞の記者は、他のマスコミからも取材を受けて、
ネットでもずい分評判になっているらしい。
会見の最後、首相怒り 記者質問に「あなたと違う」 朝日新聞 2008年9月2日0時4分 「『ひとごとのように』とあなたはおっしゃったけどね、私は自分自身のことは客観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです」。ふだん感情を表に出すことの少ない福田首相が、辞任会見の最後の質問で、珍しく気色ばんだ。 この答えを引き出したのは中国新聞の男性記者。「総理の会見が国民にはひとごとのように聞こえる。辞任会見もそのような印象を持った」という質問だった。 この記者は、朝日新聞の取材に「会見での首相の語り口を聞いていたら、まさに『ひとごと』という言葉通りだなと感じた」と明かす。首相の熱意のなさを批判する時にしばしば聞かれる「ひとごと」というキーワードを最後の最後にぶつけてみようと、あえて厳しい質問をしたという。 この夜の会見で首相は、自身の不人気ぶりを自ら皮肉るように語った。国会運営の難しさを語る際には、「私の場合には内閣支持率の問題があるかもしれない」とあえて支持率に言及。消費者庁構想など成果を語る時も「目立たなかったかもしれないが……」とグチめいた口調だった。 |
投げ出し・福田の“本性”を暴いた記者の“正体” 2008年9月3日(水)17時6分配信 夕刊フジ 「他人顔」とも揶揄された福田康夫首相を、辞任会見の最後の質問で切り崩した地 方紙記者に注目が集まっている。首相は激怒したものの、官邸記者特有の“間合い” にとらわれない乾坤一擲(けんこんいってき)の質問は、首相の“素”の部分を引き 出した。 「『ひとごとのように』とあなたはおっしゃったけどね、私は自分自身のことは客 観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです!」。福田首相は1日の辞任 会見の終了間際、国民注視の生中継ということも忘れて気色ばんだ。 この答えを引き出したのは、広島県の「中国新聞」の男性記者(37)が質問した 「総理の会見が国民にはひとごとのように聞こえる」という言葉だった。 記者は広島県内の支局などを経て昨年3月、東京支社報道部に政治担当キャップと して着任した。他の地方紙同様、政治担当記者は実働2人と少なく、通常は「政治 キャップ自ら、永田町や都内の現場を取材で走り回っている状態」(北村浩司・東京 支社報道部長)という忙しさだという。 官邸のほか、永田町の各記者クラブも掛け持ちしているため、いずれのクラブにも 滞在時間は短く、官邸担当だった全国紙記者も「1度も見たことがない」というほど の存在感だ。それだけに、福田首相が記者の顔を知っていた可能性は低い。 会見直後の朝日新聞の取材に、記者は「首相の語り口を聞いていたら、まさに『ひ とごと』という言葉通りだなと感じた」と語り、これをキーワードにあえて最後の最 後に厳しい質問を狙ったことを明かした。 記者には2日朝から取材依頼が殺到し、「計6社から依頼を受けている」(北村部 長)状況に陥り、ただでさえ要員が少ない同支社は大騒ぎ。「社内の反応もお伝えで きる状態ではない」(同)というテンヤワンヤとなった。 取材する側から“される側”となったが、政局が続く間は忙殺される日々が続くた め、記者本人が取材に応じる時間はまったくないという。東京支社は、記者のコメン トとして「これまでの取材や、会見を聞いていて疑問に思ったことを率直に聞いただ け。それ以上でもそれ以下でもありません」と発表している。 |
福田首相「あなたとは違う」発言 「流行語大賞候補」とネットで注目 2008年9月2日 19時13分 J-CASTニュース 「あなたとは違う」発言のAAも登場している 福田首相の突然の退陣表明から一夜明け、ネット上では思わぬ反響が広がっている。退陣記者会見の最後に、記者から「(福田首相の発言は)人ごとのように聞こえる」と指摘されたことに対して、「私は自分を客観的に見ることは出来るんです。あなたとは違うんです」と色をなして反論したことが強烈な印象を与えたようで、特に、「あなたとは違う」という部分に注目が集まっている。ブログでも数多く言及され、アスキーアートも作られるなど、ちょっとした盛り上がりを見せている。 「人ごとのように聞こえる」に色をなして反論 話題になっている発言は、2008年9月1日夜に行われた退任会見の終盤、司会者から記者団に対して、最後の質問を受け付ける旨の呼びかけがあると、中国新聞(本社・広島市)の記者が「一般に、総理の会見がですね、国民には人ごとのように聞こえるという話がされておりました。今日の退陣会見を聞いておりましても、率直に、そのように印象を持つのです」 とした上で、今回の退任が自民党に与える影響を質問。福田首相は、それに対する回答の最後に、明らかにムッとした表情で 「「『人ごとのように』とあなた仰ったけどね、わたくしは自分を客観的に見ることは出来るんです。あなたと違うんです。まぁ、そういうこともあわせ考えていただきたいと思います」 と反論した。福田首相が色をなして発言することはあまり多くない上に、「あなたとは違う」という、明らかに感情的な言葉に注目が集まった。 発言の直後から2ちゃんねるには、「あなたとは違うんですのガイドライン」といった、関連スレッドが立ち、9月1日18時現在、その数は50に迫っている。内容はというと、 「退任会見でヒステリーを起こす首相」 「記者の質問が的外れ」 などと賛否両論だ。福田首相が発言する様子を表したアスキーアート(AA)も、大量に貼り付けられていた。 パロディー動画も相次いで出現 2ちゃんねる以外でもユーザーに対するインパクトは大きかったようで、ヤフーなどの「ブログ検索」で検索してみると、「あなたとは違うんです」という言葉を取り上げているブログが、この1日で急増。「今年の流行語大賞候補」と指摘するブログも目立った。 パロディー動画も相次いで出現。例えば、記者会見の映像に、テニスプレーヤーの松岡修造さんによる 「あきらめるなよー! どうしてそこでやめるんだ!」 という声をかぶせた動画などがユーチューブに公開され、人気を呼んでいる。 ネット上では人気の首相発言だが、発言のきっかけをつくった中国新聞は、否定的に受け止めているようだ。9月2日朝刊のコラムで、「気色ばむ首相」と、切り捨ててみせている。 「『国民には、ひとごとのように聞こえるのでは』。会見の最後に本紙記者が質問した。『私は自分自身を客観的に見ることができるんです!』と気色ばむ首相。自らの貧乏くじも見通していたということだろうか」 |
福田首相だけでなく、日常的にもっと厳しく閣僚をチェックしていれば、と思う。
他のマスコミは、質問に感心して記事にするだけじゃなくて、
「世の中の巨悪を暴き不正を糺す」社会の木鐸として
みずから襟を正して、ちゃんと働いてほしいものだ。
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