一期一会のクリックを
『む・しの音通信』57号の記事、
昨日の今大地さんに引き続き、寺町知正さんが登場。
っていっても、連れ合い(おとなりさん)なんですけどね。
お互い「ミドリサン」「トモマササン」と書くと、
「身内なのに『さん付け』なの?」とよく聞かれる。
ふーん、身内ねぇ? そういう感覚ようわからん。
一緒に住んでる親密な他者ではあるけれど・・・・・。
ま、いずれにしても、
いま注目の岐阜県裏金問題に詳しい人物といったら、
このひとの右に出るものはない、ということで原稿依頼(笑)。
『む・しの音通信』への寄稿を発行日の前日までに、
と2000字でお願いしたら、倍以上になってしまい、
減らすのに苦労したとか。
ホームページビルダーのトラブルでwebページに記事が送れないので、
ブログで全文を紹介します。
岐阜県の裏金事件と県民
「くらし・しぜん・いのち岐阜県民ネットワーク」
事務局・寺町知正
岐阜県庁ぐるみの裏金事件で、2006年9月29日、県監査委員に県民3763人で住民監査請求した。全国的にもきわめて珍しい数と内容。その夜、7時12分過ぎのゴールデンタイム、NHKの全国放送ニュースで流された。民放も続いた。監査請求を呼びかけたのは「くらし・しぜん・いのち岐阜県民ネットワーク」と「市民オンブズマンぎふ」。請求人は「県民ネット」が集約した。
1.裏金作りと裏金隠しの発覚
2006年7月5日、新聞のスクープ報道を受け、古田岐阜県知事が県議会において、県庁において裏金が作られ、職員組合に保管されていたことを認めた。
8月3日、県のプール資金調査チームが自主調査で現職・OBの6900人に聞き取りや書面調査して裏金の事実や経過、額を公表、「1994年度は4億6600万円の裏金が1年間に作られた」ことを明らかにした。
9月1日、知事任命の弁護士3人による検討委員会の報告では「遅くとも昭和40年代の初めの頃には、既に不正な経理による資金が作られていた」とされ、裏金は当該年度中に相当額が消化され、飲食やせん別、一部は備品に使われたという。委員会は1992年以降の約19億円(含む利息)の返還を求めた。知事もその線に沿った。公金に関する公務員の損害賠償責任は「5年で時効」とされているが、知事は14年さかのぼったわけである。
2. 隠ぺいの事実
梶原拓・前岐阜県知事は、知事時代は「岐阜県には裏金はない」と表明しつづけていたが、8月8日の記者会見で、「(89年の)知事就任当時は、裏金づくりは半ば公然の秘密となっていた。十分承知していた」と認めた。当時の森元副知事も、知事の考えによる隠ぺいを認めた。
岐阜県は、1995年4月に情報公開条例を施行、第1条には「県民の県政への参加を促し、県政に対する理解と信頼を深め、もって開かれた県政を実現することを目的とする」と明記されている。しかし、県の情報公開の実態は裏金の「足跡」隠しに徹していた。
全国的に裏金が社会問題になったときに実施された「全国市民オンブズマン連絡会議」の全国調査(97年12月)に、岐阜県は「自主調査を行わない」旨を回答した。
さらに、岐阜県ではこの10年の間に3回の組織的裏金づくりが発覚し、県庁全体の裏金を認識し得る機会が存在した。しかし、これら発覚時に、全庁調査を実施しなかった。
裏金隠しは、前知事ら幹部の悪意に起因することは明らかである。
3.現知事の対応
現古田知事は、先の調査結果、検討委員会の結論を受けて、反省として、次のように、県の公文書情報をインターネットで公開し、全国最先端の情報公開を進める覚悟を決めた。
●旅費や会議費など公金支出に関する年間約 140万件に上る情報
●部署名や支出日などから支出額を検索可に
●旅費は支出額のほか、出張職員の名前も
●外部との会議費の支出額、支払相手や期日●すべての部署と職員が対象
●今年11月から実施する
さらに、情報公開窓口では、「旅費の出張先や目的を掲載した会計文書」や会議での相手方の出席者名や会場などを自由閲覧とする。
文書管理として、会計書類の保存年限を今の5年から15年に延長する、等々。
これらの情報公開の姿勢は、今後各地の自治体に広がってほしい。情報公開の判断は、トップ次第で変わる。是非、あなたの自治体でも実現を目指してほしい。
4.住民監査請求で求めたこと
いろいろな直接民主主義の手法があるが、その一つが「住民監査請求」である。ただし原則、「支出から1年」という制限がある。ところが、「不法行為による損害」に関しては期間の制限がない。だから、私たち県民は次の5項目を監査請求した。
(1)かつて、全国の自治体の裏金発覚の時、多くは、数年分を職員らに返還させた。が、不法に奪い取られた県民・国民の税金は可能な限り返還されねばならない。だから、私たちは、民法で認められた最長である過去20年分の裏金、つまり「1986年から現在までの裏金全額の調査・確定とその返還措置」を求めた。知事は、今回、現職の職員とOBに対して、17億円の返還を求めた。私たちは、その推定手法を用いて、返還請求額を45億円と推定した。これに民法所定の年5%の利息を適用して算出すべきであると主張。
ほかに、(2)20年間の監査委員全員は支給された給与・報酬等の全額を返還すること、(3)梶原前知事は16年間の知事としての退職金全額を返還すること、(4)以上につき知事等権限ある者の違法な怠る事実を是正すること、(5)個別外部監査で審査すること。
岐阜県民3763人で請求した、この異色の住民監査請求に、いま注目が集まっている。
(『む・しの音通信』57号より転載)
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ちなみに、この監査請求を集約したのは
わたくしです(^^)。
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『人権』って、それだけ親しければ、尚難しいはずなんですよね。
単なる差別社会の警鐘だけでなく、人間が一定の地域で暮していくなかで、一緒に住む肉親だけでなく、まわりの他者との共生していくことで、配慮せねばならぬ点もたくさんあります。
《親しき仲にも礼儀あり》
そんな諺をふっと連想しました。
まだまだ私なりに頭でっかちでありますので、不適当な表\現がありましたら、ご容赦ください。
わざわざ追伸、ありがとうございます。
「いっしょに住んでいるからと言って、夫婦、親子とは限りません」と書こうと思っていたところでした(笑)。
ひとがどう見るかは別として、少なくともみずから「夫婦」と自称したことはありません。「夫」とも「妻」とも、ね。
《親しき仲にも礼儀あり》ということではなく、「わたし」と「あなた(他者)」との関係性をどうとらえるかだと思います。だれを他者と見るか、ということも含めて。