熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

低炭素社会

2008-06-01 22:18:57 | Weblog
NHK「低炭素社会 ー 日本とドイツの取り組み ー 」を見ました。

ドイツは、低炭素社会へ確実に移行している、環境先進国です。
1974年のオイルショックでの日本の対応を参考にして、「環境税の導入」「太陽光発電に代表される自然エネルギーの利用拡大」等の対策を実施して、京都議定書の削減目標を達成しています。

これに対して、ドイツからお手本にされた日本のその後の対応は、まさにお粗末の一言です。

環境省が導入を計画していた「環境税」は、経済産業省と業界団体の反対で導入できませんでした。

環境税以外に有効な対応策を立案できず、結局、国民に省エネをお願いするという、最も安易で楽な対策を実施したため、京都議定書の削減目標6%を達成するどころか、逆に二酸化炭素排出量が6%も増加してしまいました。

この番組を見て気がついたのですが、ドイツと日本との相違点は、政治家と官僚の政策能力の差・国民の意識の差にあることがわかりました。

ドイツは、環境税導入に反対する業界団体を説得するため、環境税の10%を環境対策に利用し、90%は企業の年金負担を軽減することに使用することを提案しました。

この提案を業界団体が了承し、環境税を規定した法律が制定されました。
環境税が導入されると、企業の省エネ対策が進み、二酸化炭素排出量が低減されると予測した、ドイツの政治家・官僚の見通しがその通りになったわけです。
この点が、日本の政治家・官僚との相違ですね。

ドイツ国民の二酸化炭素排出量削減に対する意識の高さも相当なものです。
環境税導入による負担にたいする不満の声は聞こえてきません。
地球環境保護のための社会的コストの負担を担う覚悟ができています。
この点も日本国民の意識よりもかなり高いですね。

こうなったら、ドイツをお手本にして、もう一度ドイツからお手本にされる日本になるように、努力するしかないようです。

日本の底力を信じて頑張りましょう。



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