熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

ニュージーランド

2009-09-13 14:56:54 | Weblog
「人生の落第坊主」というエッセイ集を読みました。

日本エッセイスト・クラブが選定した、2004年版のベスト・エッセイ集です。

その中の一つに、辰濃和男さん(ジャーナリスト)のエッセイ「海のとき、都会のとき」があります。
ニュージーランドについて書かれたもので、共感できる点がかなりあります。

「ニュージーランドの旅ではいつも「ときの流れのゆるやかさ」といったものを感ずることになります。この国の人びとは、鉄道も高速道路も一直線に伸ばすことにそうこだわってはいない。むしろ曲がりくねっていたほうが自然だと考えているようでした。山があれば、山の麓に沿って回り道をすればいい。時間が多少かかったとしても、それはまあ、それでいいじゃないか、というやわらかな思いを感ずることがたびたびありました。」

私もニュージーランドを旅したことがあり、そのときに筆者と同じ感想を持ちました。
日本であれば、山を貫通するトンネルを掘って、短時間で移動することを考え、実行するでしょう。
おそらく何の疑問も持たずに。

どうも最近の日本では、経済効果・効率・便利性を重要な評価要素として考えており、自然環境・伝統・文化は重要な評価要素ではないとされているようです。

ニュージーランドの南島を旅した時に、造成を中止したダムがありました。
ほぼ完成しているので、中止は経済的損失が大きいのではと思っていましたが、現地の人は、経済的損失よりも自然環境が損なわれることを重要と考えて、中止を決断したようです。

政権交代で、ダム工事を中止するか否かが議論になっていますが、工事推進派も反対派も経済的損失を重要な評価要素として判断しているようで、自然環境保護の視点が抜け落ちているような気がします。

日本とニュージーランドとは、人口が大きく異なりますので、ニュージーランドの政策をそのまま日本に導入することはできないかもしれませんが、筆者が強調している「時のながれのゆるやかさ」「やわらかな思い」を大切にする気持ちが必要なのかもしれません。

ニュージーランドを旅すると、自然の豊かさと人々の心の豊かさを感じます。
経済大国と環境大国、どちらが住む人にとって良い国と言えるのでしょうか。
ニュージーランドを旅して感じたことです。





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