熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

青色発光ダイオード

2009-10-11 21:49:33 | Weblog
青色発光ダイオードの発明で有名な、中村修二さんが書かれた「ごめん」という本を読みました。

いわゆる「中村裁判」で、東京高裁の和解勧告を受け入れた経緯、裁判の内容、日本の司法制度に対する批判等が述べられています。
中村修二さん側から見た意見ですので、多少割り引いて考えなければいけませんが、なかなか説得力のある内容です。

特に、準備書面の内容が記載されているので、両者の主張が明らかになり、参考になりました。
裁判例の分析には、裁判所に提出された書面を閲覧することが不可欠ですが、かなりの負担になるため、判決文の分析で済ませている場合が多いのが現状です。

この本の中で、中村修二さんは、「日本の司法の基本的な判断基準は利益衡量のようで、より多くの人間が利益を得るための判決を出すという考え方」では、発明者が企業に勝てるわけがないと述べています。

確かに、職務発明の対価を巡る訴訟でも、発明者貢献度が5%に収束する傾向にありますが、裁判所はその理由を明確に述べていません。

この本を読んで、法律に携わる者として、もう少し、中村修二さんの意見に耳を傾ける必要があるのではないかと思いました。



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