熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

無言館ノオト

2010-10-25 13:23:56 | Weblog
窪島誠一郎さん著作の「無言館ノオト」を読みました。

無言館は、長野県上田市の郊外に建つ、十字架形をした小さな私設美術館です。
日中戦争、太平洋戦争で、卒業後もしくは学業半ばで戦地に繰り出され戦死した画学生の遺作や遺品が約300点展示してあります。
この無言館は、著者が中心となって建設したものです。

この本には、無言館のことの起こり、画家達に関する記述、今後の役割等が書かれています。

この本にも無言館に展示されている絵画等が掲載されていますが、プロの画家の絵と比較して技術的に未熟であることは誰でもわかります。
しかし、この未熟さが、画家たちの無念さ、戦争の悲惨さ・愚かさを私に訴えています。
戦争がなければ、彼らは絵を描き続けて大家に成長したり、趣味として絵画を楽しむような充実した人生を享受できたことでしょう。
それを思うと残念でなりません。

彼らが亡くなった20歳前後は、私は両親に庇護のもとに未来に希望を持ってノンビリ暮らしていました。

彼らと同じ年代で、私の人生に終止符が打たれたとしたら、結婚もしておらず、子供、孫との楽しい時間を享受することもなく、研究者・知財担当者として充実した仕事人生を楽しむこともなかったでしょう。
また、定年退職後に海外旅行を楽しむことも、弁理士として好きな仕事を楽しむこともなかったでしょう。

そのことを考えると、彼らの無念さ、戦争の悲惨さ、愚かさが実感できます。


最近、我が国の隣国の挑発を受けて再軍備、核保有等の勇ましい意見が政治家、評論家等から飛び出していますが、非常に危険な兆候です。

武力行使では問題は解決しません。
外交努力で解決するしかありません。

この本を読んで、戦争の悲惨さ、愚かさを実感して欲しいものです。




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