熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

沖縄の民意

2015-01-14 07:38:12 | Weblog
名護市辺野古への新基地建設に反対し、キャンプ・シュワブのゲート前で昨年7月から連日、抗議行動を続けている住民の中から、初めて逮捕者が出ました。

防衛省は中断していた埋め立て工事を今週から再開する見通しで、現場は緊張感が高まっています。

名護市長選、県知事選、衆院選沖縄選挙区で完全に否定された辺野古への新基地移設計画は、選挙で示された沖縄の民意です。

ところが、官邸・防衛省は「仲井真弘多前知事から埋め立て承認を得た」という一点だけを正当性の根拠にして、基地移設工事を中止する気配はありません。

この「法的な有効性」には、いくつもの留保がつきます。

それは、仲井真前知事の行為は、県民への事前説明もないまま選挙公約に反して強引に埋め立てを認めたもので、その後の名護市長選、県知事選、衆院選沖縄選挙区で完全に否定されたからです。

選挙で示された沖縄の民意と、仲井真前知事の承認行為が、併存しているのが沖縄の現状です。

翁長雄志知事との面談拒否、2015年度沖縄振興予算の減額査定、埋め立て工事の再開準備と、官邸・防衛省は、自分たちがどれほど強引で、一方的で、乱暴極まりないことをしているか、その自覚があるのでしょうか。

安倍首相の「沖縄に寄り添う」という言葉が本心から出たものなら、安倍政権に「まっとうさの感覚」があるのなら、まず工事を中断し、沖縄の多数の人々の声に耳を傾けるべきです。

それが民主主義社会の当然のルールです。

政治学者の丸山真男は、著書の中で、民主主義を基礎づける比喩として次の言葉を紹介しています。

「家が住みいいかどうかを判断するのは建築技師ではなくて、その家に住む人間である」

この言葉が示唆するように、騒音などの被害が避けられない米軍飛行場を建設する場合、地元の了解は、欠かせない大前提ですが、安倍政権は、この地元の民意を完全に無視しています。

米本土では、軍と地域社会の利害衝突を避けるため、米軍と地方自治体による話し合いの場が設けられています。

なぜ、沖縄にだけ民主主義の当然のルールが適用されないのか、理解できませんね。
   
政府・自民党の中から、しばしば聞こえてくるのは「本土移転は反対が多い」との言葉ですが、それでは、 沖縄ならいいのか。

これを構造的差別ですね。 

「辺野古が唯一の選択肢」だという官邸・防衛省の主張も、具体的な根拠を示したことがなく、世論操作の域を出ていません。

沖縄基地問題と原発問題は、同じ構造ですね。

つまり、基地や原発という厄介な問題は一地方に押し付けて、大都市に住む住民は安全と便利さだけを享受する、立地自治体住民の苦しみを理解していません。

自分の利益を確保することや仕事に打ち込むことで自分の行動を正当化する偽善的な考えを改めて、人の痛みが分かる大人になったら如何でしょうか。







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