黒木登志夫さんのブログに掲載されていた記事によると、
「日本の感染者は第8波以降、一日1万人、死亡者10人のレベルが続いています。致死率は0.11%です。現在、世界で流行している変異株は、オミクロンBA.2由来のXBB.1.5とXBB.1.16です。アメリカはほとんどXBB.1.5ですが、インドでは、XBB.1.16がXBB.1.5に取って代わりました。ということは、後者の方が選択性が高いことになります。日本にもXBB.1.16が入ってきましたので、今後少し感染が増えるかもしれません。しかし、XBB.1.16も入院、死亡率などは低いので、心配する必要はないでしょう。」
ということで、少し安心できますね。
第9波についての考察です。
「第9波は、あるとしても小さな波となり、収束に向かう可能性。
① 変異株
現在流行しているXBB.1.5とXBB.1.16はいずれも感染力も病原性も低い。より感染性の高いXBB.1.16が日本に入ってきているので、第9波はあるとしてもこれまでよりは低くなると思われる。感染者1万、死亡10人の現在のレベルであれば、日常生活を変えなくとも耐えられるであろう。
② ワクチン、自然免疫
第9波は、図1のグラフよりも何倍か高かった可能性がある。とすると、感染拡大による自然免疫ができているのかもしれない。ただし、オミクロン亜株の基礎再生産数が発表されていないので、自然免疫に必要な免疫保持者の計算ができないが、ワクチンを含めると、相当数の人が免疫をもっている可能性がある。それを考慮すると、第9波は、Waveletになってもおかしくない。」
とのことです。
日本のCOVID研究については、
① 日本の感染症研究費は過去15-20年の間にどんどん減少している(東大医科研河岡教授)
② パンデミック前の日本の研究費はアメリカの2%程度、英国、ドイツ、中国にも及ばない。
③ 2010年代、東大医科研石井健教授のMERS mRNAワクチンの安全性研究に研究資金を出さないた め、最初のmRNAワクチン研究が中断した。
④ 日本の感染症研究がCritical mass の研究者を確保できるかどうか、若い研究者が入ってくるかどうか。
⑤ 2021年に発表されたCOVID研究のベスト300論文中に日本の研究者はわずか2人しか入っていない。日本よりも研究施設がはるかに少ないイタリアと香港からは18人と14人の研究者が入っている。
⑥ 日本には強力なワクチン産業がない。
⑦ 基金は5年分である。5年後には優先順位が変わっているかもしれない。
基本的な問題が多すぎるようです。
3年間のコロナ対策の検証について
「一番大事なのは、この機会に、この3年間のCOVID対策を検証することである。すべての国民が関わった大事件であるにかかわらず、莫大な税金を投入したのにかかわらず、政府は検証を全く行わないできた。民間組織「アジア・パシフィック・イニシアティブ」(船橋洋一代表)による「新型コロナ対応民間臨時調査会」報告書だけである(9)。この調査会は、福島原発事故調査も行っている。その経験をもとに、多くの人に聞き取り調査を行い、これまで知られていないことを次々に明らかにした。私は、中公新書『新型コロナの科学』の校正の段階でこの本に目を通し、原稿を大幅に書き換えざるを得なかった。
イギリスでは、下院が検証し、検証結果を発表している(10)。140ページを超える報告書は、非常に厳しい言葉で始まっている。
COVID-19を第2類から第5類に移動した今こそ、日本の対策を政治、行政、予算執行、医療体制、公衆衛生などの広い立場から検証するときである。福島原発事故調査の時と同じように、国会と民間の二つの組織が検証するのが望ましい。」
私も同感です。
黒木先生の真摯な提案に耳を傾けて実行して欲しいですね。
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