野薊
2015年06月29日 | 花

近所に住むsさんから、春先に薊の茎をいただいた。山薊の太くなった茎である。ワラビなどと一緒だったが、フキを炒め煮にすると同じようにするんだよ、と教えられた。食べてみると、やや固く繊維質だが、灰汁が山菜らしいほろ苦さでおいしいと思った。その薊が道端で花をつけていた。
薊摘んで花の巧を眼に見入る 篠原 温亭
デジカメに撮ると、摘むまでもなくその花の細部が見える。山菜の入門書を見ると、若い茎は皮を剥くと柔らかく食べられる、という解説があった。炒め煮だけではなく、天ぷらにするとよいとも書いてある。そう言えば、北アルプスの山小屋で、薊の天ぷらを食べたのを思いだした。タラノメやコシアブラなど、灰汁が強いものは天ぷらにすると苦味が軽減される。
毎年シシウドを採りに山に行ったが、今年は行っていない。葉山の下見で少しばかり採ってきたシシウドが今年食べた最初で最後である。ネマガリダケも、山行の途中にわずかばかり末折りしてきたものでみそ汁を作っただけだ。年齢を重ねると、山菜採りも次第に縁遠くなっていくような気がする。