常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

入梅

2015年06月27日 | 日記


昨日の夜半から雨。雨がほとんどなかっただけに待ち遠しかった。こんなことを書くと、記録的な大雨に見舞われている九州の人々に気が引けるが、一方でこのひと月で半年分以上の雨が降るかと思えば、北日本は旱魃を思わせる少雨である。何とか日本中がほどよい雨にならないものだろうか。今日計画していた障子ヶ岳への山行は中止、久しぶりに土曜日の投稿となる。今朝雨上がりに、光禅寺の庭園を散策する。雨に濡れた紫陽花は、しっとりと本来の色を醸している。

言とはぬ木すらあぢさゐ諸弟らが 練りのむらとにあざむかえけり 大伴 家持

万葉集に見える紫陽花の歌2首のうちのもう一首である。この歌は妻である坂上大嬢に贈った歌で、大嬢の愛を伝えてきた使者の言葉を信じてばかを見たと戯れている。紫陽花のように次々と色を変えて信用できないものがあるのに、まして練りあげたご託宣と諸弟の言葉を指摘するのは十分に二人の関係がこの戯れを笑い流せるという自信の裏返しでもある。

紫陽花の学名はotaksaだそうだ。この命名者は、鎖国中の日本にやってきたオランダの医師シーボルトであった。長崎に滞在中に知り合い、愛し合ったお滝さんの名前を取ったと言われている。シーボルトは日本滞在中に、日本の地理や植生、天文などの研究をし、帰国後、大著『日本植物誌』を刊行した。




コメント (2)
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