快晴、登山日和。山形神室へ行く。今日は、笹屋で採った笹竹を鍋にして食べるイベントが企画されている。登山するグループ、筍を採るグループ、賄いの3グループに分かれて行動。登山は笹屋峠から山形神室の頂上までとなる。男性3名と女性1名。雲ひとつない青空は、梅雨を前にしてめったに得られない条件だ。無風、春山に特有の虫も少ない。稜線からは、月山、朝日連峰、飯豊連峰に加えて蔵王の山々が一望である。
山形から笹谷峠に至る道路が工事のため通行できなくなっている。そのため、笹谷トンネルで宮城側に抜け、ユータ-ンして笹谷峠に出た。この道はほとんど通ったことがないだけに、ここで見る反対側のトンガリ山や山形神室の姿が新鮮である。尾根の東側は切り落ちていることは知っていたが、実際にみると実に壮観である。細い山岳道路は山形側ほどのジグザグもなく、ほどなく峠の駐車場に着く。
前山の展望のきく場所で月山を望む。ここから見る月山の姿が一番美しいかも知れない。眼下には山形の市街が一望できる。花は山ツツジが盛りを過ぎ、サラサドウダンが満開だ。登山道の脇に、ドーダンの木が並木のように繁っている。マイヅルソウ、アヅマギク、ハクサンチドリ、イワキンバイなどなど登山道の足元は、かわいい高山植物の花が咲き乱れている。但し、標高が比較的低く、日当たりのよい尾根道は、春の花はすっかり終わっている。雪解けを追うようにして咲く高山植物の魅力にはやや欠ける。どの花にもカメラを向けてシャッターを切ったが、あまりのピリカンで光線がつよ過ぎて失敗、アップできるようなショットはない。
この山の尾根歩きは楽しい。日曜日とあって、登山者の数も多い。ここは県境でもあるため、山形からの人、仙台からの人が半々のようだ。尾根からは視界が開け、蔵王連峰の山々が手に取るように見える。目指す山頂は登山道がはっきりと見え、遥々と続くようだが、実際に歩くと思いがけず早く着く。それだけ、この尾根歩きが楽しいということである。山頂まで2時間半、帰路1時間半、11時45分には駐車につく。
イベントのタケノコ汁は、鍋の専門家nさんの腕で感激の味。取立ての笹タケを豚汁味とニシン味の二つの鍋で堪能した。実はこの鍋も写真に撮ったがこちらも失敗。大鍋の豪快さが紹介できない。笹薮をかきわけてタケノコを採った人、山小屋で火を使い、暑い中で賄いをしてくれた人、おかげさまで、ことしもこの山の会の恒例の行事が大好評で終了した。感謝。