テレビの天気予報で、最近は各局とも、個性的な気象予報士を登場させて、番組の人気の争奪戦が激しい。天気図を工夫したり、手作りの雲や前線などを使うなど、どう見てもやり過ぎのような気がしないではない。昭和59年にNHKのニュース番組で登場した倉島さんは、お天気博士と呼ばれて人気を博した。さしずめ、今日の気象予報士の先駆けと言ってもいいのではないか。
倉島さんの解説によると、集中豪雨という言葉が初めて使われたのは、昭和33年の梅雨期の山陰地方の大雨を報道した新聞記事だったという。同じ山陰でスサノウノミコトがヤマタノオロチを退治したが、この大蛇は、大雨で猛り狂って流れる川に例えるという、面白い説を紹介している。大蛇退治と治水工事が結びついて、なるほどと聞く人を納得させる力があった。
気象衛星ひまわり8号がいよいよこの夏から作動する。予報の確度は格段に向上すると言われているが、地球温暖化が異常気象に大きな影響がある以上、人類の取り組みで集中豪雨や、竜巻の被害を減らしていく以外に方法はない。