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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

ツツガムシ病

2016年04月16日 | 日記


山地の果樹園に農作業にでかけた婦人がツツガムシ病に感染したというニュースが流れた。県内では今年初めてだという。症状は発熱がした後、身体に発疹が出た。この婦人は入院して快方に向かっているというが、ツツガムシ病は恐ろしい病気だ。最高40度の高熱が2、3週間続き、意識の混濁、心臓が衰弱して死に至ることもある。新潟県の信濃川、阿賀野川、そして秋田県の雄物川沿岸地域の風土病であると言われている。

ツツガムシ病は山形県でも発症する例が多く、古来恐れられた病気だ。新潟や秋田のように、山形の風土病でもある。川や草藪に住むツツガムシの幼虫に刺されて発病する。羽黒山の神事である松例祭では、巨大なツツガムシを象った松明を作って焼き捨てる。これはその年の豊凶を占う神事だが、ツツガムシ病を退散させる意味も持っている。それほど、この地方で恐れられていた伝染病である。

大和朝廷から新潟方面へ任を負って赴いた官人が、その旅を終えて無事安全であったことを「ツツガなし」というようになったのも、このツツガムシ病からきている。聖徳太子が隋の煬帝に送った国書に、「日イズルトコロノ天子、日没スルトコロノ天子ニ致ス。恙ナキヤ。」と書いた話は有名だが、隋の時代に当地でツツガムシ病を見つけた学者がいたことも知られている。聖徳太子が恙なしや、と書いたのは煬帝にも理解された筈だ。

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