常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

槍ヶ岳登頂記(3)

2018年09月01日 | 登山

3日目 槍岳山荘から上高地 8月28日

4時起床、朝食は山荘で5時。5時45分に山荘を

出発。昨日まで来た道をそのままなぞって折り返

えす。2日かけて登った道を、1日で下りるのは、

体力の消耗が少ないとはいえ大変なことだ。加え

て、降り出した雨。雨具を着たり脱いだりするだ

けでも結構な時間を取られる。往路で預かってき

た着替えなどを槍沢ロッジで受け取る。

ここで早めの昼食、時計を見ると10時を少し廻っ

たところだ。

槍沢ロッジから雨のなかの歩行。梓川が霧がかか

ったように靄っている。実に風情のある景色だ。

松本の安曇と橋場集落にかかる雑炊橋と名付けら

れた橋がある。川の南岸に住む女性せつと北岸に

住む青年清明の恋の物語が伝えられている。二人

は岸辺からお互いに見合うようになって恋心を抱

くようになった。しかし梓川の急流にさえぎらて

会うことができない。ただ両岸に立って見つめ合

うだけであった。そこで二人は食事を雑炊だけに

して金をため、貯まったお金で樹を買い、両岸に

樹を固定して川に差し入れて、中央を結び合わせ

橋にした。二人はめでたく行き来でき、結婚する

ことができた。天の川の彦星と織姫のような話だ。

この橋を雑炊橋と言うのはこんな言い伝えがある

からである。

この山行で、目に映るのは峩々たる山の景色であ

ったが、足元には梓川の清流が流れ、耳に奔流と

なって流れ落ちる瀬音を聞きながら歩いた。足の

疲れをいやしてくれたのは、この美しい自然であ

った。15時30分、上高地に着く。かっぱ橋を見

てバスターミナルへ。長い3日間が無事に終わっ

た。

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