常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

コスモス

2018年09月21日 | 

コスモスの茎はやわらかい。秋風に吹かれる

と縦横に揺れ動いてしなやかだ。ふと、人の

心のゆらぎのようでもある。真っ先に思い浮

かぶのは、与謝野晶子の短歌である。

心中をせんと泣けるや雨の日の

白きこすもす赤きこすもす 与謝野晶子

晶子が、どこまで真剣に心中を考えたかは、

知らぬが、その心中は風に吹かれて大きく揺

らいでいたに違いない。

コスモスは外来種だが、日本語で秋桜と書き、

随分長く親しまれている。花壇に植えられて

いたものが、街の空き地、路傍や垣根の脇に

自生しているのをよく見かける。

名はギリシャ語で秩序を意味する。ここから

星が整然と座す宇宙を意味する。この花の舌

状花が整然と並ぶので、この名がつけられた

のであろうか。

秋風が吹くと、樹は倒れやすい。あわてて支

柱を立てて、直そうとする気になるが、もの

の本によるとそうした手入れは必要ないと、

書かれている。花は倒れても、茎はたちまち

天に向かって伸びていくという。この花を見

るたびに思い出すのは、子供たちが小学校の

校庭で運動会にうちこんでいた遠い昔である。

校庭の隅には、ぽつんぽつんと、コスモスが

秋風に吹かれていた。

 

コメント
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