常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

瀟湘八景

2018年10月10日 | 漢詩

季節が逆戻りしたような数日であったが、週

末から本格的な秋になるらしい。だが気温が

高いというだけで、足元を見ると秋はとっく

に始まっている。いや、もう深まりをみせて

いる。目をこらして、高い瀧山を見上げれば、

頂上付近は、樹々が色づいているのが分かる。

中国の洞庭湖は風光明媚で知られ、湘江と瀟

水が合わさって洞庭湖に流入するあたりは、

帝舜の死を追って二人の妃が入水して後を追

い、二人の女神となったことで有名。古来詩

人が好んで詩を詠む、格好の題材となった。

李白の詩に

洞庭湖西 秋月輝き

瀟湘江北 早鴻飛ぶ

酔客満船 白苧を歌う

知らず霜露の秋衣に入るを

早鴻は雁のこと。この詩を題材にして、後世

の画家は「瀟湘八景」を描いてきた。そのテ

ーマを記すと「平沙落雁」「遠甫帰帆」「山

市晴嵐」「江天暮雪」「洞庭秋月」「瀟湘夜

雨」「煙寺晩鐘」「漁村夕照」の八景である。

いかにも唐詩好みの組み合わせである。日本

に入ってきたこのテーマは「近江八景」など

日本の湖畔に移されて盛んに詠まれてきた。

 

コメント
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