常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

イノシシ

2018年10月18日 | 日記

農作物にイノシシの被害が出ている。市内で

も東の山側で多いようだ。以前はイノシシの

生息の南限は福島県とされてきたが、温暖化

の影響で、宮城県へ広がり、宮城県から山形

へ侵入しているらしい。原発で居住が許され

なかった浪江町などの荒廃した田畑では、す

ざましい勢いで、イノシシの繁殖が見られる。

日帰り温泉でも、老後の楽しみに野菜作りを

している人たちが、イノシシの害にあってい

る。農作物の害だけで、人が襲われた形跡が

ないことがせめてものことである。

ところで干支の亥(イノシシ)は北に位置し、

水を象徴している。そのために火に強く、古

来、防火のお呪いとして、用いられてきた。

江戸の遊郭、吉原ではよく火事が出たので、

予防のためにイノシシが飼われた。游客のま

わりをイノシシがうろついていたらしい。あ

まり気持ちのいいものではなかったであろう。

柳原の土手の辺りで放し飼いをしていたのだ

が、そのおまじない甲斐もなく、天保8年10

月18日、吉原の大火が起こり、その一郭が全

焼した。

だが、そのような前例があるのも関わらず、

商家では幕末まで、この風習が受け継がれた。

麹町の伊勢八、尾張町の布袋屋などの豪商で

もイノシシが飼われていたという。江戸でイ

ノシシの肉を食べさせる店が繁盛したのは、

この風習と関係があるらしい。

猪の来る黍が夜風にさわぐなり 藤原たかを

コメント (2)
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