常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

嵐が去って

2018年10月01日 | 日記

嵐が去って、何事もなかったように朝が来

た。我が小さな生は、片隅の蒲団のなかで

眠りにつき、昨日の続きのページを開いた。

空には青空と降り残った雨に日が当たって

虹がかかった。吹き返しの風が、台風の余

波を物語っている。

虹見るやこころの虹はいつか消えし 林翔 

睡魔とたたかいながら読み継いできた井本

農一の『良寛』がやっと終章を迎えた。こ

の本は、良寛を悟りを開いた聖僧と見るの

ではなく、傷つき、悩み、諦めといった人

間本来の悩みを抱えながら、高みに届いた

ことに焦点を当てている。文政11年の11月

には、良寛は三条で起きた大地震に遭遇し

ている。

うちつけにしなばしなずてながらへて

かかる憂きめをみるがわびしき 良寛 

手紙には、この歌に添えて、災難を逃れる妙

法として、

災難に逢う時節には、災難に逢うがよく候。

死ぬ時節には死ぬがよく候。

と記している。晩年、良寛を慕い、和歌の

教え乞うて訪れた貞心尼に贈った良寛の歌が

忘れられない。

きみやわするみちやかくるるこのごろは

まてどくらせどおとづれのなき 良寛

 

 

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