朝、畑に行くのが楽しみである。たっぷりと雨がしみ込んだ畑では、野菜の成長がはっきりとわかる。ズッキーニの双葉から出たなかの葉が、2倍、3倍の勢いで伸びている。疎抜きした小松菜は、すでに再び混みあうほどの大きさになった。玉ねぎの玉も、見た目で分かるほどの大きさに成長した。同時に、雑草の蔓延も半端ではない。スベリヒョウは、畑全体に芽を伸ばし始めている。手がかかっていない畝には、びっしりと雑草が土を覆い隠す勢いである。
大きくなる前の小松菜をビニール袋にひとつ、はつか大根は小瓶でピクルスにする分量。種が飛んで藪の辺りに芽を出したコリアンダーが、食べごろの柔らかさで大きくなっている。花が咲く前に、自家用にできるほど採ってくる。結球した春キャベツ2個。新玉ねぎを二個、葉をネギでたべるようにつけて採ってくる。えんどう豆が、毎日収穫できるようになった。朝、妻が調理した野菜料理がしみじみとおいしく感じる。キャベツがこんなにおいしいものと実感する。
甘藍の一片さへもあまさざる 加藤楸邨