今日の予想気温が28℃、明日が27℃。10月にしては、暑さのぶり返しである。もう今シーズン、あずきバーを食べる最後のチャンスと思って買ってきた。思えば、今年のコロナの感染が拡大する夏を乗り切れたのは、このあずきバーのおかげと言って過言ではない。別にあずきバーの宣伝をするつもりはない。しかし、普通に暑くなって真っ先に食べたくなるのがこれだ。アイスキャンディーは、子どもの頃から馴れ親しんだ氷菓だ。妻など、皮を剥いたバナナに割りばしを刺し、冷凍庫でバナナアイスを楽しんでいる。庶民が愛したアイスバーなのだ。
久しぶりに訪れた東京の娘の部屋から、東海林さだおの『ホルモン焼きの丸かじり』という文庫本を見つけて、掠めてきた。うれしいことにその最終章は「あずきバーをアイス」という一項で締めくくっている。「秋は灯火親しむ候。夏は氷菓親しむ候。」という軽妙な語り口でこのアイスバーを語っている。作者の食べ方は変わっている。棒が邪魔なので、抜き取って小皿に入れて、デザート風にしたり、齧らないで最後まで舐めつくす。そんな食べ方は信じられないが、それほど筆者はこの氷菓が好きなのだ。かく書く、私も暑い日には欠くことのできない一品である。