
雪がとけて、水仙が土から葉を伸ばし、花茎を伸ばして花を開くまで長い時間を必要とする。毎日、今か、今かと開花を待つ気持ちが、時間を長く感じさせるのかも知れぬ。冬の長い西洋では、この花を摘みに戸外に出る。花束にして、室内で待つ老人に贈るためだ。水仙の花束を受け取った老婆は、目に涙を浮かべる。水仙の花束が、春の訪れを知らせてくれるからだ。
心うつろに、或は物思いに沈みて、
われ長椅子に横たわるとき、
独り居の喜びなる胸の内に、
水仙の花、屡々、ひらめく。
わが心は喜びに満ちあふれ、
水仙とともにおどる。 (ワ-ズワース詩集)