
暖冬である。寒に入っても最低気温は-2℃止まり。テレビで北海道女満別の-30℃の風景が写っていた。少年の頃、銭湯からの帰りに、濡れたタオルを振ってピンと凍ったことを思い出し、妻に話したらテレビはその風景を宮城からの中継で写しだしていた。寒気のなかを歩くのはさほど気にならない。まして零下1℃ほどだと、手袋もつけず普通に歩ける。そんななかで、すかっり葉を落した冬木立のフォルムに目が行く。主軸、つまり幹がはっきりしていて、そこから枝が広がる広葉樹のフォルムが好きだ。なぜかこの姿をみると、心が落ち着く。
寒林の一樹といへど重ならず 大野林火
高木というのは、幹がはっきりしていて2メートル以上のもの。30メートル以上になると超高木と呼ぶらしい。先端の頂芽の伸びが側枝の伸びが同じようだと、写真のような広葉樹の樹形のなる。これに比べ頂芽の伸びが優勢であれば、針葉樹の樹形を示す。樹形は長枝によって形づくられるが、短枝は長枝と長枝の間を埋めるように付き、密生して樹冠を丸く形づくっている。
寒冷地で針葉樹が多くなるのは、葉の形や樹形が気候や土地の形状、栄養状態に適応するためだ。高山の厳しい環境で生育するハイマツは、幹と枝の弾力性に富み、強風と積雪に耐える構造になっている。この木の成長は極めて遅く、たった数㌢の幹に生育するにも200年もかかると言われる。枝は入り組んでいて、葉の数は他のマツよりも3倍もある。木の生命にも、地球の環境に適応しようとつとめ、多様のな樹種を地上に繁栄させている。植物に見られる、生命の神秘さもまた貴重なものに思える。