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東福寺の塔頭のひとつ龍吟庵にやって来たミモロ。
室町時代の作と伝わる日本最古の方丈で時を過ごします。
ここには、昭和の天才作庭家、重森三玲作の3つの庭園があります。
南の庭を鑑賞した後、「こっち、こっち」ミモロが手招きするのは、西の庭です。
そこには、白と黒の砂が作るモダンなお庭が広がっています。
「ここのお庭は、何を表現しているの?」ミモロは、濡れ縁に座りながら庭を眺めます。
西の庭は「龍の庭」と呼ばれ、お寺の名前に因み、龍が海から黒雲を得て、昇天する姿を点在する石組みで表現しているのだそう。青みを帯びた石が龍の大きな頭、そして白と黒の砂が渦巻く雲を、さらに竹垣が稲妻を表しています。
「そういわれると、龍が見えてきたー。モクモクした雲もいっぱい。そうだ
龍の背中に乗ってみよう」
ミモロは、ぴょこんと飛び上がり、龍の背中につかまるポーズを。
どこが龍がわかりましたか?
旅のポイント:今は、周囲は新緑に包まれていますが、秋になると、鮮やかな紅葉がこの庭を縁取ります。陽光に照らされた紅葉の赤が、庭にも映り、龍の姿にもいっそう迫力が。季節により庭の趣は、変わります。また1日だけでも、朝の陽射し、夕方の陽射しでは、庭の表情に違いが。庭は、一回だけ訪れのではなく、一度行ったことがあるお庭に再び訪れることで、以前とは全く違った印象を受けることも。特に枯山水の石庭は、ちょっと見ただけでは、ただ石が並んでいるだけと思う人も、じっくり腰を据えて眺めることで、石の色、砂に映る影などの微妙な変化が見られます。ぜひ、石庭は、時間をかけてゆっくりと。
そして、最後の3つ目のお庭は、東にある「不離の庭」です。
赤い砂が敷き詰められた庭は、中ほどに長石を伏せ、その前後に白黒の2つの石を配しています。
「これは、何を表現してるの?」ミモロは想像力をめぐらしますが、わかりません。
東の庭は、大明国師が子供の頃、狼に襲撃されそうになったのを、2匹の犬が守ったという故事に基づいて作られた庭だそう。
写真、中ほどの横に置かれた石が、倒れている国師、そのそばの2つの丸めな石が2匹の犬、そしてちょっと鋭い感じの6つの石(ここでは、片方の3つの石と手前に1つ見えています)が狼を象っています。
「うーそれを想像するのは、むずかしい。そのお話を聞いても、よくわからない。
かなり想像力がいるねー」とミモロ。
「でも、じっと見てると、石が動いているみたい・・・おー狼が見えてきたー」
ホント?
すべての石は、垂直ではなく、斜めに立っているのと、赤い砂に描かれた波の
模様が、庭に不思議な動きを感じさせます。
「この赤い砂は、雨で濡れるといっそう赤味を帯びて鮮やかになるんですよ」とスタッフの方。
雨に次第に濡れてゆく赤い砂の変化。石もその色を深めてゆくのです。
反対に乾いてゆくときも、赤い砂はまだらに色を変えてゆきます。きっともっと動きが感じられるかもしれませんね。
「そういうことも考えて作られているんだね。きっと・・・。すごーい・・・」
やたら感心しているミモロです。
さぁ、そろそろ閉館の時間。
もっとお庭の変化を見ていたいけど、そろそろおいとましましょうね。
「今度は、秋のお庭が見たい!また、来ます」
ミモロは、スタッフの方にご挨拶して、そこを後にしました。
旅のポイント:
重森三玲のお庭に興味のある方は、ぜひ重森三玲庭園美術館へ。予約にて旧宅のお庭などが拝見できます。
また、東福寺の特別拝観などに関しては、東福寺へ。