今年も、訪れた鞍馬二ノ瀬の「白龍園」。ミモロが毎年、秋と春に伺っているところです。


初めて訪れたのは、もう3年前。今年で3回目の紅葉狩りです。今回は、東京からのお友達と一緒です。

「う~去年より、なんか色がくすんでいる…」昨年は、本当に目にも鮮やかな紅葉が、山を包んでいたのです。

「もっと上の方に行けば、紅葉鮮やかかも…ヨイショ…」

そもそもここ「白龍園」は、大正12年創業の京都の子供服メーカー「青野株式会社」が、所有・管理する、言うならばプライベートなお庭。それを2012年から、1日限定100名で、公開しているのです。
「あ、ミモロちゃん、いらっしゃいませ~。お待ちしてましたよ~」と、毎年、こちらでお目にかかる青野社長。今年は、お嬢様と息子さんもいっしょです。

ここは、社長のおじい様が、60年ほどまえに、縁あって、所有することになった鞍馬の山。当時は、竹藪や雑木林が茂る荒れた山だったのです。土地の人も、長い間、足を踏み入れることが山には、実は、古い社がありました。そこで、その社を整え、改めてお祀りしようと、山の整備を始めたそう。「僕も、子供のころ、道をつくるために石を運んだりしたんですよ」と青野社長。この庭は、青野さんのご家族や会社の人たちの力で、時間をかけて整備されていったのです。
「自分が納得するものをつくりたかったんでしょうね~。だから敷地内にある東屋なども、すべておじいさんの設計です。例えば、石の置き方でも、プロの庭師さんなら、ここはこうすべき…という長年の常識みたいなものがあるでしょうが、おじいさんは、自分の感性で石組なんかも行ったんです」と。ずっと非公開の庭で、会社関係のおもてなしなどにもつかわれたそう。

社長が、子供のころ、植えた桜や楓は、今や大きく育ち、春は、桜色に秋は、紅色に、庭を染め上げます。

庭には、社長の子供のころの思い出もいっぱい散りばめられているのです。
ミモロは、お庭を見学する前に、まずは、敷地の奥まったところにある社へ参拝します。

鳥居を過ぎると、周囲の気がいっきに変わります。グッと冷やかになるのです。「なんかこのエリアは、特別だね~」
そばの手水で手を浄め、参拝。お祀りされているのは、長寿の神様「白髭大神」と商売繁盛の「八大龍王」の2柱です。

「ホント、ここは聖域って感じ…。空気が冷たい…」そういいながら、深呼吸。清らかな空気を体いっぱいに吸い込みます。

このエリアに入るだけでも、来た甲斐があると思えます。
「ここから先は、禁足地?」

「まぁ、そういうこともないんですが、苔を保護するために、行けないようになってるんですよ」と、1昨年から山のお世話をしているというイケメンの庭師さん。これから、庭を担う人のおひとりです。

さて、気になるのは、今年の紅葉…ミモロたちは、社への参拝後、再びお庭を巡ります。
「あ、ミモロちゃん、今年もいらしたんですね~」と、このお庭のお世話を昔からなさっている水相さん。このお庭のことなら、隅から隅まで熟知している方。

「今年は、どんな感じですか~」とミモロ。
「昨年とは、紅葉の様子が違いますね~」と、水相さん。「そうですよね~。去年は、もっとすごーく鮮やかな紅葉だったと思います」とミモロ。「そう、去年は、もっと寒かったですから、紅葉もいっきに進みましたが、今年は、温かなんで、色づき方がまばらなんです…」と。

確かに、今年の紅葉は、京都どこでも、イマイチと言われます。一度にパーッと紅葉した2年前は、それは見事でしたが、今年は、バラバラ…。高尾、嵐山などでも、いろいろな色が混じり合った感じです。
昨年よりは、よくない…と、京都に住む人は、口々に今年の紅葉の具合を批評しますが、それでもやっぱりキレイ…。

「キレイとか、キレイじゃないとか、いうのは人間の都合だよね~。木は、それなりにベストを尽くしてるんだと思うよ。いろんな色が混ざってるのも、それなりに素敵~」とミモロ。
「そうよ、すごくキレイじゃない…やっぱり京都の紅葉は、素晴らしい…」と、東京から来たお友達は、大感激しています。
「ミモロちゃん、うらやましい…毎年、こんなにキレイな景色を見られるんだもの…」と。
「うん、そうだよね~。京都って、自然がいっぱいある町だから、ちょっと出かけるだけで、素敵な景色が見られるって、しあわせ~」とミモロは、つくづく思います。

*「白龍園」の詳しい情報は、「叡山電車」のホームページで

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