東京から来たお友達といっしょに、ミモロは、比叡山の麓に広がる仰木地区を訪れました。大津から、湖西道路を経て、比叡山へと続く、有料道路に入る手前を右に進み、山間の集落を目指し、車を走らせます。途中、何度も、農作業をする人や、お散歩している人に道を尋ねながら、細い農道を進みます。
次第に、山の斜面に見えてくる棚田…「ここら辺りじゃないの?」とミモロ。小高くなった場所に車を止めました。
仰木地区は、山間に一面棚田が広がる美しい景色が見られることで、知られるところ。
「わーきれい…」と、目の前に広がる、その里山の景色に、しばし見とれるミモロです。
大きな池のように見える水田の周りに沿うように、馬蹄形になった棚田が…。「いろんな形の水田がある…」と。
なんでも、この地区が開墾されたのは、なんと平安時代から…長い歴史を誇る地域でもあるのです。
米どころといえば、秋田や新潟などを思い浮かべますが、ここ滋賀県も関西地域の米どころ。また、麦の生産量も高く、琵琶湖周辺は、まさに有数の穀物生産地なのです。
秋田や新潟など、広々とした平野で、大きな区画の水田で、機械を使って、効率よく生産できる地域と違い、ここ仰木地区は、山間のため、水田の大きさも形もさまざまな棚田なので、多くを人の手でしなくてはなりません。そのため、担い手の減少なども、深刻で、ボランティアの人たちや、棚田オーナー制度などを導入する、棚田の保全活動なども行われているそう。
斜面に広がる棚田は、まるで緑のパッチワークのよう…。曲線の水田の畔(あぜ)とその中に、等間隔で直線に植えられた苗が織りなす景色は、米作りにかかわる人たちの情熱と美意識を感じさせる景色です。
「なんか心落ち着く…日本の原風景って感じ…」
この地域の景色の美しさは、棚田とともに見える、森や遠くにかすむ山が織りなす、緑色の濃淡の調和にも…
「なんて素敵な景色なんだろ…こういう景色、欧米からの観光客大好きだよね~。海外のお友達に見せてあげたい…」とミモロ。
「あ、白鷺…」
棚田に住む虫や水生生物を食べているよう…。
ミモロは、馬蹄形の棚田が見えるあたりを、いろいろ歩き回って、いろいろな角度から棚田の景色を楽しみます。
「なんでこんな柵があるの…景色見にくいじゃない…」と、棚田の周囲に張り巡らされた柵に上って…。
山に近い部分から、棚田の周りは、グルリと柵に囲まれています。この柵は、イノシシ避けの防護柵。周囲の山に住むイノシシが、毎年、稲の収穫間際にやってきては、田んぼを荒らす被害が続出。農家の人を悩ませていたのです。「へぇ、そうなんだ~。じゃ、少し景色見にくいけど、しょうがないよね~」と。
さて、ミモロが訪れた日は、棚田のあちこちで、熱心に写生をしている人たちが…。
実は、滋賀県の成安造形大学の主催の「仰木・棚田写生会」が行われていたのです。
成安造形大学は、美術芸術の分野のほか、近江学という歴史ある地域研究も盛んに行っている大学。
地域への理解をいっそう深めてもらおうと、企画したのが、この写生会です。参加した人たちの作品は、それぞれ披露し、鑑賞し、最後に、美術分野の大学教員が、アドバイスしてくれるもの。
「いろんな棚田の景色があるんだ…」と、それぞれの方の感性が、表現された作品が並びます。
「ミモロちゃん、ぜひ、今度大学の公開講座やイベントにも遊びに来てね…」と、成安造形大学の教職員の方々。
天智天皇の近江大津宮をはじめ、琵琶湖周辺に発達した文化や産業など、近江という歴史ある地域を学ぶ公開講座です。
「なんか興味惹かれちゃう…」とミモロ。
*「成安造形大学」の情報は、こちらから…。
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