ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

ライオンが吠え、トラが水浴び・・・夜の「京都市動物園」。キリンやフラミンゴのカワイイ赤ちゃん

2013-08-21 | イベント

夏の2日間開催された「京都市動物園」の「夜間開園」。動物園が大好きなミモロは、楽しみに出かけました。
地下鉄東西線の「蹴上駅」に徒歩数分で到着できるように、新たにできた動物園の東出入口から、さっそく動物たちに会いに行きます。

まず、出会ったのは、白い顔のシロフクロウと黒い顔のクマタカ
ペンギンや亀にもご挨拶。

続いて、大きな水槽の前に…「あれ?だれもいないの?」
しばらくすると「あ、カバのツグミちゃん」あまりの暑さにずっと水の中に入ったまま。

キョロキョロ辺りを見回しているのは、ミーアキャットです。


ミモロが、じっと立ち止まったのは、フラミンゴの前。

南国生まれのフラミンゴでも、さすがに暑いのか、気持ちよさそうに、バシャバシャと水浴びを…。
「あ、フワフワの子がいるー」と指差す先には…。グレーの綿毛に包まれたフラミンゴの雛。大人になると、美しい色彩が体を包みます。「体の割に足が太くて、しっかりしてるー」と、小さいながら走るのは速そう…。


「これ、フラミンゴの赤ちゃんの綿毛みたい…」そばのネコジャラシを触って…「ミモロは、これでは遊ばないよ」と。

春にも訪れているミモロ。動物園の中は、歩きなれた場所。「キリンの赤ちゃん大きくなったかな?」と、動物観察がしやすくなった「アフリカの草原」のキリンのところへ。

「あ、いたいたー」ミモロが、見つめる先には、すっかり育ったキリンの赤ちゃんが。けっこう大きくなりましたが、まだママのミルクが恋しいよう…。


次第に、陽が落ち、暗くなってゆく動物園。どこからかガォーガォーとの太く低い声が響きます。
暗闇で、時折、横になっているライオンが唸り声をあげます。「なかなか迫力があるねーガォー」

さて、すぐ近くには、りっぱなアムールトラが。
アムールトラは、ネコ科最大の動物で、絶滅危惧種に指定されています。「ライオンより大きいんだー」同じネコの仲間のミモロも見惚れる威厳ある姿です。

「このトラは、お母さんで、隣りのケージにいるのが、息子ですよ」と、さきほど会った動物園の獣医さんの坂本さん。どうりで、隣りが気になってしょうがない様子。時折見える息子の姿を凝視しています。
隣りでは、若いオスのトラが、水浴びをしています。
「気を付けて、水が掛りますからー」と。水浴びが済むと、ブルブルと体を震わせて水を周囲にまき散らすそう。

「あのーこんなに暑いと、動物たちも大変なんでは?」と、暑さにまいっているミモロは、坂本さんに尋ねます。
「この動物園にいる動物は、アフリカや東南アジアなど熱帯に生息するものが多いので、暑さには強いんですよ。でも、このアムールトラやレッサーパンダは、標高の高い所やアジアの寒い地域に住む動物なので、京都の夏は苦手なんです。だから、よく水浴びをします。でも、ライオンは、やはりプールがあるんですが、全然入らない…」
「へー。プールつきのおうちなのに、もったいないねー」と、プールが羨ましいミモロです。

「わー気持ちよさそうに寝てるー」エアコンが入った涼しい部屋で寝ているのは、ジャガー。

「このジャガーは、高齢なので、涼しいとこにいるんですよ」と。「お年寄りは、熱中症に十分注意しないとね」と、ミモロは納得。

この夏は、動物園では、ナマケモノが初めて公開されたました。でも、ミモロは、他の動物を訪ねていて、時間切れに…。

「もっと見ていたいよー」と、名残惜しげに夜の動物園を後にしました。


「きっと真夜中は、もっとみんな活動的になるんじゃないのー?昼間は、とても暑くて動物園に来るのが大変だけど、夜から、ずいぶん楽…」


秋にも、夜間開園を計画中とのこと、夜の動物園は、昼間とは、また違った雰囲気が楽しめて、お勧めです。




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蹴上駅から近くなった「京都市動物園」。新たにできた東出入口から、夜の動物園へ

2013-08-20 | イベント

「今日は、夕方からお出かけするのー」と、17時を廻り、昼間の強い陽射しもようやく和らぎ始めた頃、ミモロは、おうちから、琵琶湖疏水沿いをトコトコと歩きはじめました。
昼間は、あまりの猛暑で人影も少な目の平安神宮へ通じる神宮道から、仁王門通りを東方向に進みます。
ここは、春は、桜並木が美しい通りです。
「あ、なんかいる…?」疏水沿いは、絶好のお散歩道。ミモロは、歩いては止まり、歩いては止まり、なかなか前に進みません。
それは、鴨や大きな鷺がいたり、町中にありながら自然観察が楽しめるから…。
琵琶湖から引かれた水が、この地域に美しい景色を作っています。涼しげな噴水…その奥に見える山は、つい最近送り火が灯された大文字のお山です。

疏水沿い、インクラインが始まるそばには、「巨大な輝き」と題された大きなオブジェが。
金色に輝く姿は、琵琶湖から京都の町へと、水を引く難工事に従事した人の力と、それを成し遂げようとした希望にあふれるエネルギーを、この像は表現してるとか…。
青空に伸ばされた手に、そのパワーを感じます。

さて、実は、この日、ミモロのお散歩の目的は、「京都市動物園」の夜間拝観に。でも、もう動物園の入口は、過ぎてしまいました。「いいの。今日は、新しくできた東出入口から入るから…」。それで、疏水沿いをグルッと歩いていたんですね。

今年、新たに開設された東出入口は、地下鉄東西線「蹴上駅」から、7分ほどと、地下鉄から便利になりました。
出入口の脇には、カフェやショップも出来ました。

ミモロは、どこ?「ここだよー」と、ぬいぐるみの中に。
ここには、「京都市動物園」オリジナルのグッズやおみやげ品も。

「聖護院八つ橋の特別バージョンだー」。動物園限定の八ッ橋です。

この動物園限定ではありませんが、動物園のショップだけに置かれているノートとおみくじも。

「このノート、かわいい…」。いろいろな動物のイラストの表紙のノートは、大人でも使いたくなるものです。

東出入口の周りは、琵琶湖疏水の噴水に面した開放的な空間。そこには、ウッドデッキが作られて、ベンチなどでのんびりと寛ぐこともできます。

「なかなかおしゃれな感じのスペース…」

また、動物園に関係するイベントなどを案内するスペースも。
今回、主に展示されていたのは、動物つながりということで、「アサヒビール大山崎山荘美術館」の「うつわに跳ねる動物たち」というバーナード・リーチの描く動物をモチーフにした器の展示との連携企画に関するもの。9月1日まで、それぞれの入場チケットを提示すると、団体料金で入れるそうです。(通常料金のそれぞれ100円引き)でも、実は、ミモロが、その案内スペースの展示で、興味を抱いたのは、奥に展示されていた古い瓦。
これは、「京都市動物園」の敷地から掘り出された平安時代の瓦です。

以前にも、お話しましたが、現在の動物園の場所は、平安時代、白河天皇により建立された「法勝寺」という広大な敷地をもつお寺があり、その伽藍の南側(現在の観覧車の付近)には、なんと高さ約81メートルと推定される八角九重塔が聳えていたのです。
「へぇ。これが復元された塔?京都タワーの展望室が100メートルの位置だから、きっとこの上からもすごい景色が見えたよねー。当時の人たちも、その大きさにビックリしたはず…スカイツリーみたいに…」と。

度重なる落雷や火災などで焼失、1213年後鳥羽上皇の時代に再建されますが、1342年の南北朝時代に、またもや焼失。以後再建されることはありませんでした。


ミモロが、展示を見ていると、「あ、ミモロちゃん…また来てたのねー」と声を掛けてくださったのは、春に動物園の見学ツアーを企画してくださった「京都岡崎魅力づくり推進協議会」の藤井容子さんと、その折、動物のことをいろいろ教えてくださった「京都市動物園」の獣医さんの坂本英房さん。

「わー久しぶりでーす。今日は、夜間拝観があるって聞いたのでは、また来ちゃいました…動物園大好きなので」
「さすがミモロちゃん、しっかり情報をキャッチしてるー」と藤井さん。そうこの日は、年に何回かしか開催されない夜間拝観の日。夜20時まで動物が観察できる、ミモロには見逃せない日なのです。
「今回は、ナマケモノが公開されたり、もうじゅうワールドでトラがすぐ近くで観察できますよ。それからアフリカの草原のエリアでは、キリンやフラミンゴの赤ちゃんにも会えますよ」と坂本さんが、見どころを教えてくれました。

さぁ、動物に会いにゆきましょう。すでに18時をすぎ、辺りに夕闇が迫りつつあります。
「急がなきゃ!」
慌てて駆け出すミモロです。




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京都で人気の「パンケーキハウス ラインベック」。町家で頂くフワフワのパンケーキ

2013-08-19 | グルメ

今、京都で注目のスイーツといえば、パンケーキ。いろいろなお店で味わえる中で、特に人気のお店が、清明神社の近くにある「パンケーキハウス ラインベック」です。

堀川通の1本西側の大宮通沿いで、西陣の「千両ヶ辻」と言われる趣ある町家が連なるエリアです。
「えーもしかして、前に行ったことがある写真家の水野克比古先生の『町家写真館』があるところじゃないの?」と、ミモロ。そう、まさにそのお隣です。
白い暖簾が下がる町家に一歩はいると、甘いおいしそうな匂いがミモロの鼻をくすぐります。

「わーいい匂い…」そう言いながら、お店の中を歩き回るミモロです。古い町家にお店ができたのは、2009年のこと。本店は、中京区の高倉通御池にある「松之助」という伝統的なアメリカンスタイルのアップルパイとスイーツのお店です。

「わーおいしそう…」ここ、「パンケーキハウス ラインベック」のケーキケースにも、アップルパイなどが並んでいます。

さて、このお店をプロデュースするのは、東京や京都でケーキ教室を開校しているアメリカンスイーツの料理家、平野顕子さん。京都出身で、ご実家は、能装束の織元で、本店の「松之助」という店名は、おじい様のお名前に由来するそう。

平野さんは、アメリカ留学中に料理研究家シャロル・ジーンさんと知り合い、17世紀から伝わるアメリカ北東部のニューイングランド地方の伝統的なお菓子作りを学びます。帰国後、ケーキ教室やケーキが味わえるお店を開いたり、ケーキの本も多数出版するなど、大活躍の人気料理家さんです。

さて、パンケーキもアメリカの伝統的なスイーツのひとつ。「パンケーキハウス ラインベック」では、モーニングもやっていて、8時の開店時に、多くの人が、本場の味を求めてやってきます。

モーニングは、8:00から10:00まで、プレーンなパンケーキ、リコッタチーズが入ったものなどを、モーニングメニューで味わえます。

この日、ミモロもそのモーニングメニューを食べに、お友達とやってきました。
ミモロがオーダーしたのは、プレーンパンケーキセット(630円 コーヒーか紅茶付)「わー大きなパンケーキ…」メイプルシロップをかけていただきます。
「なんかかわいい感じ…。これがパンケーキなんだー」と、実は、ミモロが想像したパンケーキは、薄いホットケーキのようなものを何枚か重ねたスタイルでした。「フワフワのパンケーキ…美味しいね」と、パクパク。「ミモロちゃん、こっちも食べてみる?」と、お友達が注文したリコッタチーズ入りのパンケーキ(945円 コーヒーか紅茶付)も食べさせてもらいます。
「わー中にリコッタチーズがいっぱい…わーすごくおいしい…」と、どうもこちらの方が気に入ったようで、「半分こしようねー」と。

ふつう、チーズ入りのパンケーキは、生地そのものにチーズを入れて焼きますが、ここでは、生地がチーズを包み込むように焼かれているので、チーズのおいしさをストレートに味わうことができます。

「おいしいパンケーキ、そしてこの町家の雰囲気も素敵だねー」

お店の方のユニフォームもクラシックな感じ。
「すごくおいしかったでーす」と、大喜びのミモロです。

お店には、アーリーアメリカンテイストの雑貨もいろいろ。


モーニングタイム以降は、バナナキャラメルやチェリーなどを一緒に味わう数種類のデザートパンケーキが味わえます。

「ちょっと町の中心部からは離れてるけど、朝、清明神社に行って、ここで朝食っていうの素敵じゃない?」とミモロ。「帰りにお詣りしてこうか?」とお友達。「いいねぇー」と、すごく充実した朝を過ごしたミモロでした。

*「パンケーキハウス ラインベック」京都市上京区大宮通中立売上ル石薬師町692 075-451-1208 8:00~17:30 月・火曜休み



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清水坂にある国の登録文化財の洋館「五龍閣」。4階の望楼から眺める、眼下に広がる京都の町

2013-08-18 | 歴史・史跡


清水坂の中ほどにある4層建ての洋館「五龍閣」。清水坂は、何度も行っているのに、なぜか知らなかったという人が多い場所です。ミモロも同じ…「ホント、こんなりっぱな洋館なのにどうして気づかなかったんだろ?」と…。
それは、人通りの多い、清水坂から、少し南に入った場所にあるからです。
清水寺参拝に急ぐ人たちにとって、脇にずれるというのは、意外に少ないよう…。

さて、昨日もお話しましたが、大正11年に竣工されたこの洋館は、清水焼の窯元として事業を発展させた実業家、松風嘉定の邸宅であり、迎賓館でした。その設計は、近代建築の父とも称され、京都帝国大学建築学科の創設者、武田五一によるものです。

現在は、京料理の「順正」が所有し、2009年から「夢二カフェ 五龍閣」として、豆腐のスイーツや京野菜のカレーなどが味わえる素敵なカフェになっています。


美味しい京野菜のハンバーグを食べたミモロは、この洋館の中を見学へ。また、「順正」の福井孝祐さんにもお話を伺いました。
「京都の洋館のなかでも、なかなか見応えがある建物ですよ」と。

さて、この洋館の特徴は、武田五一らしい巧みで、重厚感がある和洋折衷建築にあります。それを代表するのは、昨日もお話した屋根の風見鶏とシビ。「この組み合わせは、他にはないかも…」とミモロ。

ミモロが、ハンバーグを食べた1階は、オーナーであった松風が、かつてゲストたちを招き、ダンスなどをしたボールルームだったそう。

現在、大きな丸いテーブルがある場所には、ビリヤード台が置かれていたとか。大正から昭和初期にかけて、華やかな夜が展開されていたのが、想像できます。

「この建物の窓や照明が素敵だねー」とミモロ。

りっぱな建材を多用した館内は、惜しみなく財を注いだ上質で贅沢な雰囲気があふれています。窓には美しいステンドグラスがあり、いっそう華やかさを演出…。
建築を担ったのは、当時、寺社仏閣を建てた宮大工。その確かな腕前が、存分に活かされた美しい洋館なのです。

エントランス部分は、なんと3階までの吹き抜け。

「なかなかダイナミックだねー」と、2階には、大きな広間が、そして3階は、ドアが並び、きっと宿泊のためのお部屋が用意されていたのでは?

高い天井からは、アールデコ様式を思わせる照明が下がっています。「実は、この照明の電球を交換するのが大変なんです」と福井さん。
吹き抜けの真ん中にさがる照明には、下から梯子も届きません。そこで、周囲の手すりの上に、板を渡し、その上に三脚をのせて、電球交換をするそう。「とても我々ではできないので、電気工事関係の人にお願いするんですよ。昔は、どうやってたんでしょうねぇー」と。今より、電球は頻繁に切れてしまったはず、素晴らしい洋館を維持する苦労も。

「結構、高さがあるから、電球交換も怖いねぇー」と、下を見ながらミモロは震えます。

2階は、やはりパーティーなどが行われた大きな部屋が。
宮大工の仕事らしく格子天井が見事です。「この感じ、箱根の富士屋ホテルや、奈良の奈良ホテルみたい…」

「この建物って、窓がステキ…」さまざまな形や大きさの窓には、1階同様、美しいステンドグラスが入っています。

ミモロが気に入ったチューリップのステンドグラスは、現在の2階の婦人用トイレの窓にありました。

「あ、さっきいた噴水が見えるー」ミモロの眼下には、大きな噴水と共に、周囲の山並みが、建物の屋根越しに広がっています。

「今日は、ミモロちゃんに特別な場所を見せてあげますねー」と福井さん。「えー特別な場所?どこどこ?」と、ミモロは、目を輝かせながら、福井さんの後に続きます。

3階のドアのひとつを開けると、そこには、目の前に階段が。「急な階段だから、滑らないようにねー」と言われながら、それでもはやる気持ちを抑えきれず、急ぎ足で、階段を上がり切ったミモロ「わースゴイー!」と。
なんとミモロが、連れて来て頂いたのは、建物の一番上の天守閣のような形の望楼です。ここは、松風自身が、最も気に入っていた場所だとか。屋根のシビ越しに、京都の町が広がっています。

小さな四畳半くらいのスペースで、周囲の窓には、透明なガラスが入り、360度見渡せるようになっています。まさにパノラマ様な景色です。
「あ!京都タワー…」と、ミモロが南西方向に夢中になっていると、「こっちもいい景色ですよ」と東側を指さします。
「あ、ホント、清水寺がよく見える…」夜間拝観で、ライトアップされた清水寺が山に浮かび上がっています。

「あのサーチライトなあに?よく郊外のパチンコ屋さんが出してるよねー」とミモロは、不思議そう。
「あのライトは、天に繋がる道を表しているそうですよ」と福井さん。郊外のパチンコ屋さんが訪れる人に所在地を知られるライトとは目的な違います。「あ、そうだよねー。清水寺だもんねぇー失礼致しました…」と、ペコンと頭を下げるミモロでした。

「清水寺の塔は三重。そして、山の麓の八坂の塔は、五重です。そこで中間に位置するここは、四階に望楼を作り、四重の塔の感じにしたとか…」と福井さんの説明に「なるほどー」と、即納得。夜が迫る京都の町を眺めながら、ミモロは、言葉少なに…じっとしています。
「ここの景色は、素晴らしいねえー。松風さんが、ここが好きなのもわかる…きっといろいろ考えたんだよね、ここで一人で…実業家って、孤独だものねぇー」と。

今でこそ、周囲に建物が立ち並び、すぐ下の祇園エリアはここからはよく見えませんが、かつては、祇園の家並みや鴨川沿いの町家なども眺められたことでしょう。

建築家、武田五一が活躍した時代、それはまさに京都が近代の繁栄を極める時代に重なります。
天皇が東京に移られてから、一時は衰えた京都の活気は、その後、日清、日露戦争の軍事景気などを背景に蘇り、財を成した関西の実業家たちは、次々に別邸や迎賓館を京都に構えるのが、ひとつの流行になった時期です。
特に、京都の町を望み、また、歴史ある東山エリアには、多くの立派な建物が作られました。

「でも、その当時の実業家って、お金の使い方に、文化を感じるねー。そういうお金持ちがいたらか、宮大工さんもハリキッテいいお仕事ができたんだよねー」とミモロはポツリ。

「ここは、実はね、結構住みにくかったみたいで、主にゲストを迎える迎賓館として使用されていたようです」と福井さん。「こんなに広いおうちじゃ、お掃除大変だもんねー」と、ミモロの庶民的想像。きっと他に別の理由があったはず…。

「どうもありがとうございました。特別にこんな素晴らしい景色を見せて頂いて…」とお礼を…。ホント、ありがたいことです…。

一般の方は、2階まで、特別なイベントなどがない限り、上がることができます。洋館ファンには、必見の場所。


*「夢二カフェ 五龍閣」の詳しい情報は、ホームページで、どうぞ…



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清水坂にある、建築家、武田五一設計の大正期の洋館「五龍閣」。今は、「夢二カフェ」に

2013-08-17 | グルメ

清水坂を歩いていたミモロ、今回は、人通りの多い坂に面した店ではなく、ちょっと道から奥に入った場所にあるお店に興味を抱いているようです。清水坂の中ほどの南側に…「あ、ここも奥に入れる」と、トコトコ奥へ進みます。
「じぇじぇーここにも、こんな場所があったんだー」と…。ミモロの前に現れたのは、堂々とした洋館と大きな噴水。


噴水を囲むように、グルリと建物が続いています。ここは、湯豆腐で有名な京料理「順正」の敷地。
「あ、このお店知ってる…」そう、ミモロの住む岡崎の南禅寺のそばに本店があります。

「でも、あの洋館なんだろ?」ミモロは、噴水のそばの洋館が、気になってしかたないよう。

「だってー清水坂に、こんな洋館があるなんて知らなかったんだものー」と。
人で賑わう清水坂だけを夢中に歩いていては、目にすることができない建物です。

実は、この洋館は、約100年前、清水焼の窯元で、洋食器、電柱に使うガイシ、陶歯などの製造で財をなした明治の実業家、松風嘉定が、当時、有名な建物を次々に手掛けた建築家、武田五一に依頼し建てたもの。主に、迎賓館として使用されていたそう。中心部の建物は、三階建て、そして天守閣のような望楼が、その上に聳えています。
望楼には、風見鶏。でも、その前の屋根には、東大寺などに見るシビが付いています。これは、清水寺の門前を意識した和洋折衷の設計を物語るもの。この時代の建物として、見どころが多く、建築ファンには必見の建造物です。


「あ、武田五一って知ってるー。ミモロのおうちの近所にある『京都府立図書館』や『京都市役所』なんか設計した人でしょ…」。そう、京都にいると彼の手がけた建造物を、身近に見ることができますね。

昭和37年からは、「順正」が所有し、長らく豆腐料理店として使っていたそう。そして4年前から、この清水に縁の深い竹久夢二の版画を飾る「夢二カフェ 五龍閣」として、周囲の建物と共にリニューアルオープンしました。ちなみに、この洋館は、平成11年に、国の登録有形文化財に登録されています。
「ステキー」

店内は、大正期にもどったようなレトロな雰囲気。

大理石の暖炉や、ステンドグラス…「ホント、りっぱな洋館だねー」と、ミモロは店内をアチコチ歩き回ります。


さて、ここでは、豆腐料理の「順正」らしく豆乳ドリンクやとうふのスイーツなどのほかに、京都の野菜を使った料理が味わえます。
「なんかお腹空いちゃったー」と言い出したミモロは、大好きなハンバーグをメニューに見つけ、注文(1400円)。
「京野菜ハンバーグだって…美味しそう…」。まず運ばれたのは、とうもろこしのスープとミニサラダ。
「こんな素敵な雰囲気の中で、頂けるのってうれしいねー」と。続いて、大きなハンバーグがミモロの前に。
「はい、お待ちどうさまです。ごゆっくり召し上がってくださいねー」と。
デミグラスソースがたっぷりかかった大きな手こねハンバーグ。サイドには、エビイモ、万願寺とうがらしなど京野菜が添えられています。
「うー美味しかったー。食べごたえ十分だった…」と…。

大正ロマン漂う洋館の中での食事…「ホント、こんな素敵なカフェがある知らなかったー」とミモロ。


お腹がいっぱいになったミモロは、「あのー建物の中、見学できますか?」とお店の方に尋ねます。
「はい、どうぞ…2階もご覧になれますよーよかったらご案内しましょう」と。

では、明日は、建物の中と、そしてミモロだけ案内された特別な場所を、ブログでご紹介します。

*「夢二カフェ 五龍閣」京都市東山区清水2丁目239 075-541-7111 11:00~17:00 不定休

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