「冬寒し 俳句楽しや 脳活性」
厳寒を迎え 俳句が作りやすくなります。俳句には冬は「冬ビタミン」と言えます。
厳寒の朝早くには、足元からキュッキュッと音が聞こえて身がしまります。歩く度に「雪音」が聞こえるのです。むかしはどの家でも薪ストーブや石炭ストーブを燃やしていました。
石炭も季語になっていましたが、今では石炭を知らない人も多くなりました。世は一気に変わってきています。
石炭や二十世紀は移りつつ 京極き陽 (道新28.1.24 日曜文芸)
冬の俳句はピリ辛で良くわかりやすく楽しめます。何点かの作品を「道新 日曜文芸(28.1.24)」から拾ってみました。冬の俳句を楽しみましょう。
〇 波の音序章となりて冬に入る 小川原紀美雄(留萌) 辻井 のぶ選
11月に入ると波音が日に日に高まり、いよいよ冬に入ったことを思い知らされる。「波の音序章」が実に新鮮でその場に引き付けられる。
〇 船頭の唄に浮きくるかいつぶり 篠田ムツ子(札幌) 辻井 のぶ選
船頭の唄につれて浮いてくる かいつぶりのなんと旅情を誘うことかと思わず見入ってしまったこの刻を栞る。
〇 校庭に押し上ぐ除雪山二つ 福田 馨(日高) 辻井 のぶ選
〇 薪つまれ崩れんばかり冬籠り 藤野信一(藤野信一) 辻井 のぶ選
〇 唸りだすシラルトル湖の御神渡り 柳瀬むねお(帯広) 清水 道子選
シラルトロは釧路管内にある湖。厳寒の夜など、結氷した湖面に御神渡りと呼ばれる亀裂が走るという。その音響を「唸り」と捉えて、じかに体感した
迫力を伝える。
〇 教室を覗いてをりぬ冬木の芽 島田五十鈴(旭川) 清水 道子選
〇 冬ざれやバス代行の日高線 梅原幸一(千歳) 清水 道子選
〇 裏山に漁師も知らぬむけもの道 沢沼 孝(旭川) 源 鬼彦選
猟師はけもの猟が仕事。でもけものはその裏をかく。かくて猟師とけものはその裏をかく。猟師とけもののせめぎ合いは続く。
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