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信州松本からの投稿(2004年11月11日~)

七夕人形(たなばたにんぎょう)

2020-04-30 | 松本市の伝統を感じる工芸品等

七夕人形(たなばたにんぎょう)

松本では月遅れの8月7日に七夕を行なうのが一般的です。
七夕人形はその家に初子が生まれた時に、健やかな成長を願い親戚などから贈られることが多かったようです。
松本地方で人形を飾る風習が始まったのは、文献などから江戸時代中頃までさかのぼるそうです。

松本市 七夕人形(たなばたにんぎょう)
写真は馬場屋敷で飾られていたものです。


松本の七夕人形は大きく、
(1)人がた形式
(2)着物掛け形式
(3)紙雛形式
(4)流し雛形式
 の四つに分けられるようです。
    
     
(1)人がた形式
松本市 七夕人形(たなばたにんぎょう)
板製の人形に、毎年大祓えの人がたと同じ色紙の衣を重ねてゆくものです。

松本市 七夕人形(たなばたにんぎょう)
乗馬姿のもの。

松本市 七夕人形(たなばたにんぎょう)
屋根型の祠が付いているもの。

(2)着物掛け形式
松本市 七夕人形(たなばたにんぎょう) 面輪板
着物をかける前の板です。「面輪板」とも呼ばれます。

松本市 七夕人形(たなばたにんぎょう)
木材で作られた頭部・胴体に、子供の着物を着せて「虫干し」と「着物に移った穢れを落とす」と言う意味合いがあったようです。
着物掛け形式にはこのほかに、「カータリ(川渡り)、カワゴエ(川越え)、アシナガ(足長)と呼ばれるものがあります。
これらはいずれも男形のみで、裾を必ず「ショッパサミ」にして着物を着せています。七夕様を背負って川を渡るといわれています。

松本市 七夕人形(たなばたにんぎょう) カータリ(川渡り)
カータリ(川渡り)。

松本市 七夕人形(たなばたにんぎょう) アシナガ(足長)
アシナガ(足長)。

一年に一度の織姫と彦星が出会える七夕の日に、雨が降り天の川が水であふれてしまった時は、この「カータリ」か「足長」が織姫を背負って天の川を渡って彦星と逢うのを助けてくれるといわれています。
※彦星を背負って川を渡るという説もあります。

(3)紙雛形式
松本市 七夕人形(たなばたにんぎょう)

板あるいは厚紙で頭部を作り、そこに紙衣を貼り合わせたもので、男女一対の内裏雛形式をしています。
頭部は男形が冠をかぶり、女形は頭頂部で髪を結い髪飾りを付けています。
着衣は男女とも袴姿で、腕は胸の前で合わせ、男形は笏(しゃく)を、女形は扇子(せんす)を手にしています。
    
(4)流し雛形式 
松本市 七夕人形(たなばたにんぎょう)

松本市 七夕人形(たなばたにんぎょう)

松本市 七夕人形(たなばたにんぎょう)
雛人形形式のもので、素材に紙を用い、まげ髪で長袖着物姿の女形の姿になっています。  


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松本市の伝統を感じる工芸品等 一覧

2020-01-04 | 松本市の伝統を感じる工芸品等
松本市の伝統を感じる工芸品等 一覧







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松本てまり(まつもとてまり)

2020-01-02 | 松本市の伝統を感じる工芸品等
松本市立博物館の売店で見た松本てまり(まつもとてまり)です。

松本てまりの伝統的な柄の「遊星」
松本てまりの伝統的な柄の「遊星」 

松本てまりの伝統的な柄の「束ねのし」
松本てまりの伝統的な柄の「束ねのし」 

松本てまりの伝統的な柄の「八重づる桔梗」
松本てまりの伝統的な柄の「八重づる桔梗」 

松本てまりの伝統的な柄の「日の丸」
松本てまりの伝統的な柄の「日の丸」 

松本てまりの伝統的な柄の「八重菊」
松本てまりの伝統的な柄の「八重菊」 

松本てまりの伝統的な柄の「かすり」
松本てまりの伝統的な柄の「かすり」 

本てまりの伝統的な柄の「枡くずし」
松本てまりの伝統的な柄の「枡くずし」 

松本てまりの伝統的な柄の「流星」
松本てまりの伝統的な柄の「流星」

松本てまりの伝統的な柄の「麻の葉」
松本てまりの伝統的な柄の「麻の葉」

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松本ほうき(野溝ほうき)

2019-10-22 | 松本市の伝統を感じる工芸品等

松本ほうき(野溝ほうき)

松本ほうき(野溝ほうき)

松本ほうき(野溝ほうき)

松本ほうき(野溝ほうき)
JA祭りの会場で「野溝ほうき」として販売されていた箒(ほうき)です。


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松本民芸館で見た 松本だるま

2019-06-28 | 松本市の伝統を感じる工芸品等
松本民芸館で見た 松本だるま

2019年6月27日に松本民芸館で見る事の出来た「松本だるま」です。

松本だるまの、
 ①やわらかい麻を黒く染めて作られている目の上の眉と頬の髭(蚕の繭の形をあらわしているそうです。)
 ②顔が肌色。
 ③「大當(おおあたり)」の文字が書かれている。(養蚕の当たり年になりますようにとの願いが込められているそうです。)
という特徴を備えています。

松本民芸館で見た 松本だるま

展示されていた松本だるまの説明版です。

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松本てまり(まつもとてまり)

2019-01-16 | 松本市の伝統を感じる工芸品等

松本てまり(まつもとてまり)

松本てまり(まつもとてまり)

今から200年程前の江戸時代の中期以降に木綿糸が容易に手に入るようになると、女の子の玩具として城下町を中心に全国的にてまりが作られるようになったそうです。
松本てまりは松本藩の婦人の指先から生まれたと伝えられており、その後藩士の家庭に限らず一般の家庭にも普及し、正月には母や祖母から子供・孫へと玩具として与えられてきたようです。
松本てまりはちどり掛けと白地の部分を残すことが特徴で、伝統的な柄として遊星・束ねのし・八重づる桔梗・日の丸・八重菊・かすり・枡くずし・流星・麻の葉があります。
現在、松本てまりは松本を代表する工芸品・民芸品の一つとなっています。

松本てまりの伝統的な柄の「遊星」
松本てまりの伝統的な柄の「遊星」

松本てまりの伝統的な柄の「束ねのし」
松本てまりの伝統的な柄の「束ねのし」

松本てまりの伝統的な柄の「八重づる桔梗」
松本てまりの伝統的な柄の「八重づる桔梗」

松本てまりの伝統的な柄の「日の丸」
松本てまりの伝統的な柄の「日の丸」

松本てまりの伝統的な柄の「八重菊」
松本てまりの伝統的な柄の「八重菊」

松本てまりの伝統的な柄の「かすり」
松本てまりの伝統的な柄の「かすり」

松本てまりの伝統的な柄の「枡くずし」
松本てまりの伝統的な柄の「枡くずし」

松本てまりの伝統的な柄の「流星」
松本てまりの伝統的な柄の「流星」

松本てまりの伝統的な柄の「麻の葉」
松本てまりの伝統的な柄の「麻の葉」


以下の画像は工芸品として販売されている松本てまりです。
松本手まり(まつもとてまり)

松本手まり(まつもとてまり)

松本手まり(まつもとてまり)

松本手まり(まつもとてまり)


※2011年1月29日作成
 2019年1月16日データを追加

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お神酒の口(おみきのくち)

2019-01-02 | 松本市の伝統を感じる工芸品等
 
お神酒の口(おみきのくち)
 
松本市の「お神酒の口(おみきのくち)」は 国の重要有形文化財、国の選択無形文化財に指定されています。
 
松本市 お神酒の口(おみきのくち)
 
松本市 お神酒の口(おみきのくち)
 
お神酒の口(おみきのくち)は「おみきのすず」とも呼ばれ、神棚などに供えるお神酒徳利にさして開運招福を祈る竹細工の縁起物です。
この竹製のお神酒の口はそのまま飾り置いて、一年後の三九郎で焼いたりする事が多かったようです。
お神酒の口作りは一年を通じて行うものではなく、11月頃に竹を購入して製作し始め、12月の中旬には終了する季節的なもので、材料は日陰に育った3~5年の節間の長い竹が主という事です。
 
松本市 お神酒の口(おみきのくち)
 
松本市 お神酒の口(おみきのくち)
 
松本市 お神酒の口(おみきのくち)
 
松本市 お神酒の口(おみきのくち)
 
お神酒の口は、縄手の露天で12月に入ると売られるようになります。
松本市内でも作る事の出来る方は少なく、伝統の技術が廃れないように祈るばかりです。
 
 
☞ 松本民芸館で見たお神酒の口

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松本の七夕人形 カータリ(川渡り)、カワゴエ(川越え)、アシナガ(足長)

2017-07-05 | 松本市の伝統を感じる工芸品等
松本の七夕人形は大きく、
 (1)人がた形式
 (2)着物掛け形式
 (3)紙雛形式
 (4)流し雛形式
の四つに分けられ、カータリ(川渡り)、カワゴエ(川越え)、アシナガ(足長)は、(2)の着物掛け形式に分類されます。
角柱型で上部にほぞ穴をあけて腕木をとおす、短めの胴体、板材による足を有する、頭髪は髷(まげ)のまま、男女一対ではなく男形のみ、掛けた着物を必ずシッパサミ(ショッパサミ)にするというのが特徴になります。

松本の七夕人形 カータリ(川渡り)、カワゴエ(川越え)

松本の七夕人形 カータリ(川渡り)、カワゴエ(川越え)
上の二枚の写真はカータリ(川渡り)、カワゴエ(川越え)です。
何れも松本市立博物館で見ました。

松本の七夕人形 アシナガ(足長)

松本の七夕人形 アシナガ(足長)
上の二枚の写真はアシナガ(足長)です。
一枚目のものは松本市立博物館で、二枚目のものは「呉竹」という料理屋さんに飾られていたものです。
アシナガ(足長)は、カータリ(川渡り)、カワゴエ(川越え)の中で特に足の長いもので、足の長さが胴体の長さの倍以上というところだと思います。

一年に一度の織姫と彦星が出会える七夕の日に、雨が降り天の川が水であふれてしまった時は、このカータリ(川渡り)、カワゴエ(川越え)、アシナガ(足長)が織姫を背負って天の川を渡って彦星と逢うのを助けてくれるといわれています。
※彦星を背負って川を渡るという説もあります。



参考文献
 「七夕と人形」 ・編集 松本市立博物館 ・発行所 郷土出版
 「七夕の紙衣と人形」 ・石沢誠司著 ・発行所 株式会社ナカニシヤ出版

コメント (2)
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松本だるま(まつもとだるま)

2016-12-12 | 松本市の伝統を感じる工芸品等

松本だるま(まつもとだるま)

松本だるま

松本だるまは、江戸時代後期に養蚕の発展を願い作られたといわれ、蚕糸業が盛んであった昭和30年代までは、養蚕農家を中心に松本では人気のだるまだったそうです。

松本だるまの特徴は、
①やわらかい麻を黒く染めて作られている目の上の眉と頬の髭(蚕の繭の形をあらわしているそうです。)
②顔が肌色。
③「大當(おおあたり)」の文字が書かれている。(養蚕の当たり年になりますようにとの願いが込められているそうです。)

蚕糸業の衰退とともに見かけなくなってきましたが、最近可愛く愛嬌のある松本だるまの人気が復活しつつあります。


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天保11年の松本押絵雛

2015-11-29 | 松本市の伝統を感じる工芸品等

松本押絵雛・松本押し絵雛 (まつもとおしえびな)

天保11年の松本押絵雛(御殿女中)

天保11年の松本押絵雛(御殿女中)

天保11年の松本押絵雛(御殿女中)

天保11年の松本押絵雛(御殿女中)

この松本押絵雛は「御殿女中」と書かれていました。
 
背面に
「天保11年 大柳町  小木曽英行殿作
旧藩典醫小松令児母堂」
と墨書されています。
※天保11年は西暦1840年
 
 
*使用している写真は松本市立博物館様のご了解をいただいて撮影したものです。


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松本押絵雛の制作過程

2015-11-29 | 松本市の伝統を感じる工芸品等

松本押絵雛・松本押し絵雛 (まつもとおしえびな)

松本押絵雛の制作過程

①下絵をかく
松本押絵雛の制作過程

松本押絵雛の制作過程

②分解図作成                   ③型紙作成
松本押絵雛の制作過程

④布地を裁断し、型紙をくるむ
松本押絵雛の制作過程

 布地を選び、型紙に合わせて裁断し、中に綿を入れてくるみます。
松本押絵雛の制作過程

 この時に「顔書き」もします。
松本押絵雛の制作過程

⑤部分品を組み合わせる。
松本押絵雛の制作過程

松本押絵雛の制作過程

⑥裏に竹串を付け、和紙で裏打ちをする。
松本押絵雛の制作過程

⑦台座に取り付け完成です。
松本押絵雛の制作過程

松本押絵雛の制作過程


*使用している写真は松本市立博物館様のご了解をいただいて撮影したものです。


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お目出度い松本押絵雛

2015-11-29 | 松本市の伝統を感じる工芸品等

松本押絵雛・松本押し絵雛 (まつもとおしえびな)

お目出度い松本押絵雛

お目出度い松本押絵雛
七福神

お目出度い松本押絵雛

お目出度い松本押絵雛

お目出度い松本押絵雛

お目出度い松本押絵雛
宝船と七福神

お目出度い松本押絵雛
大黒・恵比寿

お目出度い松本押絵雛
恵比寿大黒


*使用している写真は松本市立博物館様のご了解をいただいて撮影したものです。


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松本押絵雛・松本押し絵雛

2015-11-29 | 松本市の伝統を感じる工芸品等
松本市の伝統を感じる工芸品等 一覧

松本押絵雛・松本押し絵雛(まつもとおしえびな)

松本押絵雛・松本押し絵雛

押絵が盛んになるのは元禄年間(1688~1704)で、元文4年(1739)京都で出版された「花結錦絵合」が版を重ね江戸でも売られるようになり、その後文政8年(1825)に「押絵早稽古」と改題された時に「少女衣装絵を細工之図」がつけられたようで、この手引書の刊行が押絵を地方の武家や町人へまで広めたと考えられているそうです。
押絵雛は江戸時代の後期には全国各地で作られ、土雛とともに庶民の雛祭りに飾られていました。
松本の押絵雛は、天保年間 (1830~1844) に始まったとされ、錦絵を基にして小さな押絵雛が作られていたようです。
明治頃からは需要に応えるために分業化(顔描き・顔張・胴張・下絵描き・心拵え・台造りなど)が進み、押絵雛も大型化してきたようですし、松本の特産品として県外にまで販売されていたようです。

松本の押絵雛は鉄道が開通した明治後期から、次第に座雛に取って代わられるようになり、大正期には技術を保有する人が途絶えてしまい姿を消しました。
しかし、博物館や民家に残る押絵雛を参考に松本押し絵雛研究会(ベラミ人形店)がその技術を復活させて、復元製作されています。


※ 松本押絵雛の制作過程
※ 松本市立博物館所蔵の古い松本押絵雛
※ お目出度い松本押絵雛

*使用している写真は松本市立博物館様のご了解をいただいて撮影したものです。



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