園長です。
先日、ふれあい広場に遊びに来たお母さん達から「認定こども園」のことが聞きたい、と言われ、わかる範囲で説明しました。説明してみて、本当にこの制度は面倒くさいなあ、と感じました。すべての保育園、幼稚園が全部新しい制度に変わるのであれば、「こうなります。」ときっぱり言い切れるのですが、幼稚園でも保育園でも認定こども園でも希望する園を選べます・・・。このような場合はこれとこれ、しかも短時間、長時間。こういう時は幼稚園でも認定こども園でも入れます。ただし1日4時間まで、8時間まで、11時間まで・・・。今妊娠中の子どもと一緒に入るには、こういう方法、ああいう方法・・・。自分でも行ったり来たりしながらやっと説明しましたが、果たして理解してくれたかどうか、自信がありません。自分ではいろいろ情報を得て制度自体を理解してきたつもりですが、それは運営、経営に関してのことが多く、保護者へ説明するのはもう少し勉強が必要なようです。私たちでさえ十分に理解していないのに保護者はもっと不明だと思います。早い時期に保護者向けの説明会を開いてほしいと思います。
本日26日は国の子ども子育て会議が開催されています。今日でだいたいすべての情報が出そろいます。「まだ全部が決まっていないのでわからない・・」という言い訳は使えなくなります。私達には今年10月までに「このまま保育園で残る」方法と「新認定こども園へ移行する」方法とその他(小規模保育園等)の方法を選ばなくてはなりません。「この制度はなじまないのでこの制度には従いません。」という選択肢はありません。これは自殺行為になります。とにかく施設給付の対象施設でなくては生き残ることはできないのです。
いろいろと情報を集めての考えましたが、経営的にはどの方法を選択してもあまり違いはないようです。ただ、認定こども園は「保育と教育」、保育園で残れば「保育」、幼稚園で残れば「教育」を進めることになります。教育に関しては、少し言いたいことがあるのですが、国の役人は「教育は幼稚園」しか行っていないと言います。確かに法律的には保育園では保育ですが、そもそも保育とは「養護」と「教育」だったはず・・。保育園の教育と幼稚園の教育の違いは何なのでしょう。とにかく複雑怪奇な制度が出来上がったものです。これから日本の人口は急激に減っていきます。ある研修会で講師が言っていました。「生き残るには何が必要か。強いもの、賢いものだけが生き残るわけではありません。変化に対応するものだけが生き残るのです。」と。
私がこの世界に入ったのは33年前です。当時から「幼保一元化」やゴールドプラン、エンゼルプランなど保育の環境が揺れてきましたが、今回の制度改正は今までと比べ物にならないくらいの変化だと思います。幼稚園、保育園の垣根を越え、日本の国の生き残りをかけた制度改革のように思います。経営や運営、財政も重要ですが、子ども達が健やかに意欲的に活動できる環境を私たちは整えていかなければなりません。新聞やテレビでは危機的な情報を伝えていますが、日本人の底地からに期待したいと思います。世界の歴史が伝えています・・・「子どもが生まれない国、女性や子供を大事にしない国は亡びる」のです。すべての家庭のすべての子どもたちが、未来に希望を抱き、世界に羽ばたいていけるような保育・教育環境が求められているのではないでしょうか。
難しいことを考えたら頭が痛くなりました。明日の新聞には「すべての類型の公定価格」が発表されると思います。日本の国の本気度が試される発表だと思います。新制度は来年4月から始まります。あまり考える時間はありません・・・。私たちの本気度も試されます・・・。