園長です。
八戸の夏と言えば「三社大祭」。八戸ではただ単に「お祭り」と言っていますが、さかのぼること約300年、歴史と伝統が伴ったお祭りなのです。今年はユネスコの無形文化遺産に登録されて初めて迎える祭りなのでとても気合が入っています。わが園にも「お祭り女」が何名かいて、この時期になるとなんとなくウキウキ・ソワソワしている感じがします。園内で「おまつりごっこ」をする時も笛や太鼓でサポートしてくれとても盛り上がります。先日はわが園で行っている子育て支援センター(ふれあい広場)で企画したお祭りごっこにも笛で参加してくれました。やはり鳴り物があるのとないのとでは段違いの迫力です。その中をお神輿と虎舞が従い、泣く子の頭を優しくかじってあげていました。こうして地域の伝統文化に慣れ親しんでいくのです。
今日は、三社大祭の前夜祭で、役所前と目抜き通りに27台の豪華絢爛の山車が集合します。青森や弘前の「ねぶた」とは違い、八戸は昼の祭りなのですが、夜のしじまにライトアップされた山車はとても豪華で厳かです。祭り自体は三社の神社のお祭りなので古式ゆかしい趣がありますが「附け祭り」としての山車は、全国的にも珍しい、町内会単位での組織で、山車も町内の素人が作ります。だからこそ身近で自分たちの祭りになっているのだと思います。
明日は「お通り」でおがみ神社を出発し長者山まで行きます。3日は「お還り」で長者山からおがみ神社まで戻ります。同じ道を戻るではなく、中心街を一周するようにまわります。お通りは人出も多く、テレビや新聞の取材も多いので、本当はこちらに参加したいのですが、伝統と格式がわが園の参加を妨害しています。この日は「山車の審査」があり、笛太鼓をはじめとしたおはやしや引き子の浴衣や半纏、声の調子、そして山車の出来栄えなどがプロの目で審査されます。これは山車組にとって最大の関心事であり、山車製作者たちの誇りと励みになるのです。最優秀賞に輝いた山車組は3日目のお還りには沿道から拍手喝采、大声援を受けるのです。これが山車制作者たちの誇りであり矜持なのです。
保育園ではそういうこともあり初日の「お通り」は参加を断念し、3日目の「お還り」のみに参加しています。根城・新組という山車組です。今年は総勢100名を超える参加となりました。最近は少子化の影響で「引き子募集」のチラシをあちこちで見かけます。わが園では、年長と年中約70名のほとんどが参加し、年中の保護者もたくさん参加してくれました。山車組の親方は「町内では60人しか引き子が集まらなかった。保育園は神様です。」と言っていた。でも、町内の浴衣が無いので、保育園の半纏を着ての参加です。職員や保護者も赤い斑点と黒のTシャツを着ます。しかも「長坂保育園」としっかり明記してあります。約4キロから5キロ練り歩きます。保育園の園児はサッカーや運動で体力作りをしているので平気で歩いています。大人の方が少しくたびれ気味なのが気になります。特に私の足取りは最近やけに重く、完歩できるかどうか大変心配です。何はともあれ、3日お還りに根城・新組山車組の綱に引っ張られるように寄りかかっている私を見たら「頑張れ」と一声かけてほしいと思います。本当に大丈夫かなあ。