園長です。
園舎全面改築がいよいよ始まり、入札・規模変更・工事開始届など各種書類を頑張って作成しました。結果は寝て待つよりほかはなさそうですが、とりあえず今はホッとしています。これまでいろんな打ち合わせや確認などがあり、薄い髪の毛がますます薄くなった様な気がします。一応、一段落ということで、この連休を利用して「温泉」にでも行こう・・・ということになり、突然ですが当日の朝、決定してしまいました。折角だから仙台にいる娘のところによって「鳴子温泉」にでも泊まろうかということになり、娘に電話すると、「今日は飲み会があるので会えない。」というつれない返事。仕方がないので近場で我慢しようということになり、秋田の「乳頭温泉郷」の一番奥「蟹場温泉」(がにばおんせん)に決定しました。泊まりは少し手前の「田沢湖高原温泉郷」にでもしようと、勝手に予約もしないでいきました。通り道なのでどうにかなると思っていたのです。ところが田沢湖高原温泉郷はひところの賑わいはなく、大きなホテルは軒並み閉店し、連休初日なのにひっそりと静まり返っていました。とりあえず泊まろうと思っていたホテルは営業していましたが、あまりの静けさに宿泊はやめにしました。まあ、温泉にでも入ろうということで乳頭温泉の一番奥にある「蟹場温泉」へ。ここまでには「妙の湯」「大釜温泉」と古いひなびた一軒宿がありましたが、どこも元気に営業していました。最近温泉郷に行き思うことは、近代的な大きな観光ホテルは、軒並み潰れ、いまにも壊れそうな古びた建物がしっかり生き残っているという現実です。前回言った「日影温泉」もそうですが、伝統と歴史と暖簾をしっかり守って営業しているという感じです。そりゃあ、木造なのでカビが生えたり、蜘蛛の巣が張ったりと、「衛生面」「保険面」においては問題がありますが、つぶれるよりはましだと思います。この「蟹場温泉」も温泉遺産認定証をもらっている温泉で「日本秘湯の宿」お墨付きです。フロントと言えば聞こえがいいですが、帳場にはご主人が一人寂しく番をしていて、私たちが入っていくといろいろ説明をしてくれました。「外には混浴の露天風呂。内湯は女性専用の岩風呂と男女別の木の風呂。どちらにします?」という問いに、私は迷うことなく「露天風呂」。妻は「内湯」。に決まり、それぞれ別方向へ。露天風呂は本館から離れること約60メートル。ブナの原生林の中にひっそりとたたずんでいました。一人の先客がいましたが、気持ちよさそうに裸で寝ていました。もちろん男性です。源泉かけ流しの温泉は惜しげもなく溢れ出して渓流に注いでいます。湯華が多量に浮遊し、いかにもなんにでも効く、という感じでした。約15分くらいで切り上げ、今度は私もうち風呂へ。こちらは木(杉、ヒノキ)がふんだんに使われ、贅沢三昧の湯加減でした。ただ、掃除が行き届いていないので、カビ、蜘蛛の巣が至る所にあり、秘湯の宿そのものでした。現代人の私たち夫婦はさすがに「ここで泊ろう」とはならず、どうせなら角館まで行き、武家屋敷を見てからホテルを探し、街中で一杯やろう・・という算段になり、一路、角館を目指したのでした。角館についてすぐ「角館プラザホテル」を探し、宿を確保しようとしたのですが、支配人曰く「明日、角館をスタートするマラソン大会があり、この街には今日3,000人が宿泊します。今日は角館に泊まることは無理です。」という・・・。ショック。最近あまりなかった大きなショックでした。秋田地鶏を肴に秋田の銘酒でも飲もうとしていた呑兵衛夫婦には晴天の霹靂のような言葉でした。秋田か盛岡に行けば泊まれるということでしたが、暗くなってからの宿探しは大変なので、今回は、大人しく八戸へ帰ることにしました。もちろん帰りの車の中は、無言・・・まるで通夜のようでした。それでも盛岡から東北自動車道に乗り、途中の岩手山サービスエリアで「南部地鶏の親子丼」を食べ溜飲を下げたのでした。無計画な旅行は、このような結果になりやすいので、泊まるときはくれぐれも予約を忘れないように・・・・。