園長です。
10月4日(土)、長根陸上競技場で第18回「ライオンズ杯ちびっこサッカー大会」が行われました。この日のために、子供たちは毎日コツコツと少しずつ練習を積み重ねてきました。夏の大会で第3位だったこともあり、保護者も練習に参加してくれ、充実した練習になったようです。子供たちと保護者が一体となり臨んだ大会でもありました。
その前に、勝手に予想したベスト8でしたが、やはり3チームの予想を外してしまいました。今回は練習試合も1回しかしていなかったので予想も難しかったです・・と、言い訳をしておきましょう。でも、それだけ全体のレベルが上がり、勝ちあがるのは大変になったようです。そんな中、我が長坂保育園は、予選では優勝候補1番手に敗れはしたものの、何とか決勝トーナメントへ駒を進め、優勝候補と言われていた、白鴎、小中野、藤覚を破り、見事に頂点に立ちました。予選ブロックでは藤覚に1-2で敗れたもの、決勝トーナメントでは、お互い勝ち進み、決勝で再決戦。見事リベンジに成功し、みんな大感激・・。今回で18回目を迎えたライオンズ杯ですが、久しぶりに感動した決勝トーナメントの試合でした。
実は、前日、主力選手の家庭から次々に「体調が悪いのでお休みします。明日はどうなるか・・・・。」という電話が相次ぎ、担任の顔が青白く変化していました。当日は、何とか全員出てきましたが、「下痢で朝から3度もトイレに行きました。」とか「朝、ご飯を食べれなくて、でも行きたいと言ったので連れてきました。」とか・・・大丈夫?と思ったのは担任と私だけではありませんでした。ほんとの話、「紙パンツ持った?」「薬は頼まれている?」などという確認作業が出発まで続いたのでした。特に、ゴールキーパーが朝から下痢で顔色が良くない。日焼けした顔がドラゴンボールのピッコロの肌のように緑色に見える状態でした。一体どうなることやら・・・・。
開会式の途中で、雨が降り出し、月曜日に延期かな?などと不埒な考えも起きましたが、雨もやみ、いざ、本番。なるようにしかならない。1回戦は「こどもの城保育園」。園長先生が「今年初めて、戦えるチームが出来た。今年はいいぞ。」と豪語していました。まさにその通りの展開で、わがチームは1点先制し、逃げ切りかと思われた瞬間、ゴールを決められ、一進一退。10分の試合時間も残すことろあと15秒というところで、ラッキーな点が入り、辛くも逃げ切り。2回戦はここ数年進境著しい「ひまわり保育園」。夏の大会では4位になった強豪です。ところが相手のチームはなかなか点数に結びつかず、わがチームは1-0で辛勝。3回戦は、予選ブロック最強の藤覚保育園。ここまで2勝の長坂と2勝1分けの藤覚。この試合で1位通過か2位通過がほぼ決まる。手に汗握る展開だが、先制点は藤覚。わがチームのキーパーが体調が悪く動きが鈍くなっていたせいもあり、キャッチに失敗し1点。2点目も目の覚めるような攻撃で失点。いつもの年だと、ここで戦意消失、もう降参、という状態なのですが、今年は、少し違う。わがチームのエースストライカーが見事にゴールを決め、1点差。戦うモードが出てきた。しかし時間は無情に流れ1-2で完敗。終わって挨拶が済むと号泣の子供たちが続出・・。優勝を目指してきたので、これで終わった・・・と思ったらしい。担任と私とで、「まだ大丈夫、次は決勝でまた会うからその時、勝とう・・・。」勝つ自信があったわけではないが、思わず言ってしまった。最終戦は根岸保育園。力の差をまざまざと見せつけ4-0で快勝。結果、1位通過藤覚、2位通過長坂となった。実はこの1通過と2位通過にはとても重い意味があり、わがチームは決勝トーナメントでいばらの道を歩むことになる。
昼ご飯を大急ぎで食べ、ベスト8戦は夏、準優勝の白鴎保育園。今年は初優勝をめざし、予選ブロックも余裕の1位通過で上がってきた。なるべく当たりたくはなかったが、いつかはどこかで当たるチーム・・・。あとは子供たちに任せるだけだ。一進一退を繰り返しながも1点先取。追加点も決まり何とか2-0で逃げ切り。やはり楽な試合はない。続いて準決勝は、今年こそは優勝、という呼び声が高い小中野保育園。話によると練習試合であの藤覚を破ったらしい。私の予想でも強敵だ。特に得点能力が高いので、しっかり守らなければ・・・・。オレンジのユニホームとホワイトのユニホーム。試合時間は15分。どちらもなかなか点を決められない・・・と思っていたらわがチームが先制。このまま逃げ切りだ、と思っていたらまさかの同点ゴールを決められ、ドキドキハラハラのPK戦へ。この時のために、わがチームは「壁打ち」というPK戦を想定した練習を積んできた。相手にとって不足はない・・・いざ、勝負。3人のキッカー(本来は5人だが、蹴れる子がいないので3人。この3人がケリがつくまで蹴る。だって、だんだん蹴れない子になり、決まらないから。)を選び、じゃんけんで先攻、後攻を決める。結果は3-1で長坂の勝ち。やはり「壁打ち」の成果か、一人も外すことはなかった。続く、決勝戦は予選ブロックで敗れた藤覚。子供たちのテンションは最高潮。さっきの涙はどこへやら。予選とはひと味違う展開へ・・。どちらも決定的チャンスを生かせず無得点。0-0で2試合続けてのPK戦。キーパーは体調不良のため交代。準決勝のPK戦では動きは良かったが、今度も期待したい。ところが相手もさるもの、さすが藤覚、3人蹴って1-1。急ごしらえのわがチームのキーパーは顔にボールの直撃を受け、泣きながらのまもり・・・。ついにサドンデスへ突入。先攻は藤覚。すごいキックだが、キーパーがはじいてノーゴール。後攻の長坂は、このPK戦を最も練習した最強の望君。望コールが湧きあがり、思いっきりシュート。キーパの伸ばした手をかすめ、見事ゴール・・・長い戦いにやっと終止符を打うとこができた。ゴールの瞬間、目頭が熱くなった。勝ったからではない。子供たちの一生懸命な姿に感動してしまったのだ。決勝トーナメントの相手は、どこが優勝してもおかしくないくらい実力差が無かった。わがチームにほんの少し運があったのでしょう。あの予選ブロックの負けがなければ、ここまで頑張ることができなかったかもしれない。白鴎、小中野、藤覚と本当に強いチームを破っての優勝は、子供にも保護者にも、そして私たち職員にもとても大きな自信になりました。参加20チームの頂点に立ちましたが、明日から来年のライオンズ杯への戦いが始まります。これが積み重なって「伝統」になっていくのだと思います。ご苦労さん子供たち。ご苦労様でした応援してくれた家族の皆さん。そしてよく頑張りました智美先生。あなたの頑張りは皆が見ていました。胃が痛くなるような試合が続きましたが、本当によく子供たちを見守ってくれました。岩手こどもの森ではみんなで楽しみましょう。ご苦労様でした。