園長です。
忙しい忙しいと言っているうち、もう9月も後半・・・。幼保連携型認定こども園に移行してから「調査書」の提出の多いこと。おまけに「施設型給付」を受けるための提出書類の面倒なこと・・・・。国の税金を使わせていただくと言うことの重さを今さらながら実感しています。それにしてももう少しどうにかならないものでしょうか。
さて、今月28日には、青森県で行う最後の「指導監査」があります。最後というのは、八戸市が来年1月1日から「中核市」になり、自前での監査権が発生したからです。今度は身近になった分、指導事項が発生した時には「直接対応」が求められます。良かったのか、悪かったのか・・・これから心配事が増えそうです。
さて、今年は台風の当たり年でした。特に9月前半に襲来した「台風10号」は北日本各地に大きな爪痕を残していきました。テレビで見るニュースはさながら戦場の様子を呈しています。特に岩手県は大きな被害を受けました。「岩泉町」はこれまで「龍泉洞」くらいしか知名度はありませんでしたが今回の台風被害で全国に名が知れ渡りました。私は、この岩泉町には毎年秋になると3,4回訪れています。ここは「まつたけ」で有名なところで、西の丹波、東の岩泉と言われるくらいその手の人たちには知られた場所です。私が行くところは久慈川の源流近く。山形村と岩泉町が重なっているあたりです。
連休初日、高齢者特有の朝起き病」が発生し、午前5時くらいから目が冴えてしまった。季節は「松茸狩り」・・・台風の影響で少し控えていましたが、どうしても行ってみたい感情に負け、被災者には申し訳ありませんが、とりあえず、様子を見に行くことにしました。いつもように高速で岩手県に入り、安家を目指します。途中久慈川の支流が道路に並行して流れていましたが、アスファルトがながされたり、土砂が流入していたり、いつもとは程遠い状態でした。1か所、道路が陥没し「通行止め」の看板があり、別ルートを余儀なくされ、余計時間がかかってしまいました。この時期は多くの自家用車が狭い道路に駐車してあるのですが、今回は途中で道路が一部川になっているところがあり、高級車は敬遠したようです。いつだと山道に入り30分でつくところ、今回は道路事情がすこぶる悪く、途中3度くらい「引き返し」を悩む場所がありましたが、地元の軽トラックとバイクが追い越していくのをみて、勇気を奮い起し、頂上を目指しました。山道を流れる大量の雨に、道路は削られ、土砂が道路に流れ出たりで、久しぶりにハンドルを握る手が震えました。それで何とか「通行止め」と書かれた看板はなく、我が愛車も泥だらけになりながらもいつもの場所へつきました。このときくらい「着いた」と感激したことはありませんでした。そのくらい悪路だったのです。
マツタケ山は、いつも通りの風景でした。例年だと9月上旬にはマツタケが発生するのですが、今年は、歩いてもあるいてもキノコの姿が見えない。こんな危ない目をしてまで来たのに・・・・と思いながら、いつもの場所へ・・。この場所を見つけてから約20年。毎年10数本、多時は20本以上この1か所で採ります。昨年は不作でしたが1回で24本採ったこともあります。マツタケは律儀なもので、毎年同じ松の木の周囲5メートル以内に発生します。時間があったのでゆっくり移動しながら言ったのですが、キノコ自体まだ早いようで、数も種類も毒キノコもあまり見かけませんでした。ただ、ホンシメジより早く発生する「シャカシメジ」(千本シメジ)が3株見つかりました1株は少し成長しすぎた直径20センチくらいのものでしたが、後の2株は15cmくらいの食べごろでした。籠が重くなりましたが、マツタケが欲しい。2度丁寧に見ましたがなし。あきらめて、別な場所を見ることに・・・。いつもある「あみたけ」もありません。どこをどう歩いたのかわかりませんが30分くらいしたら、いつものマツタケが出る場所へ来ていました。これで3回目、と思いながら鎌で枯れ葉をどけると・・・白い硬いものがあたりました。あった。そこにはまだ太陽の光を浴びていない、土の中でようやくマツタケになる準備を完了したばかりの丸々と太った10センチくらいのマツタケが2本ありました。丁寧に丁寧に手に取ると、あのかぐわしい香りが鼻をくすぐります。「まだあるはず。」・・・あたりをこれまで以上慎重に手探りで探すと・・・・ありました。3本競うように頭を天に向け、今にも土の中から飛び出しそうな元気な松茸です。こちらは少し小さいのでホイル焼きか土瓶蒸しに適しているようでした。人間とはあさましいもので、人が誰もいないとわかっていても、マツタケを見つけた時は辺りをきょろきょろ見回し、「誰も見られていない」ということを確認してから採集に入ります。(これは人間が出来ていない私だけかもしれません。)・・・それでも良かった。こんな危ない橋を渡り、結果ゼロでは寂しすぎます。
帰りは来た時以上の神経を使い、山を降りました。本当は安家の方へ抜ける予定でしたが、途中「土砂崩れ」で道路がふさがれており、国道に出ることが出来ませんでした。台風の爪痕を感じながら秋実りを味わいましたが、今回の台風は本当にすさまじい台風だったと思います。次回いけるかどうかわかりませんが、山の様子と仕事の様子を見ながら、秋を楽しみたいと思います。