園長です。
妖怪体操ではないですが、本当に焦りました。ことの詳細は、シルバーウィークに突入した19日の夕方。わが園は土曜日も普通に保育するのでシルバーウィークといっても「平日」です。さすがに登園するする子も少なかったので「定時退園」(17:45)することが出来ました。我が家には4番目の娘が中学校入学祝いに私の友人からもらった「ラブラドール・レトリーバー」という大型犬がいます。犬の名前は「ゴン」。娘は仕事をしているので犬の散歩は私に回ってきます。この日も、私が帰ると狂ったように吠えまくり「散歩に連れていけ」とせがまれました。時間は午後6時少し前。太陽も西に傾き、私の大好きな「暮れなずむ時間」の少し前。暗くなるとやばいので大急ぎで出かけました。コースはいつものコース。我が家から山道を10分くらい歩き、大きな道路に出て、歩道を約20分歩き、我が家へ戻るというコースです。メタボの私にはちょうど良い(健康的には物足りない)距離だと思っています。その山歩きの最中、ここ数日、雨が多かったせいか、山道の土手に「かっくい」(正式名称:ならたけ)が「あなたのために出ています」状態に発生していました。昨日は見えなかったので、たった一日の成長で「キノコの山」が出来上がっていたのでした。犬の糞用にいつもビニール袋を持って歩くのですが、糞ではなくキノコでふくろはいっぱいになりました。先を急ぐ犬とキノコを採りたい私との綱引きは、時には腕を引きちぎられそうになるまで続きましたが、ふた袋採ったところでおしまいにしました。途中、「ぼとッ」となにか落ちたような音がしましたが、キノコの収穫と犬の散歩で深く考えませんでした。大きな道路に出てから、しばらく歩いたのですが、キノコが邪魔でなりません。あたりはだいぶ暗くなり、来た道を戻ることにしました。そこで「キノコ大量収穫」を我が家へ報告しようと胸ポケットに入れておいた携帯電話を探しました。・・・あれ、ない。出かけるときは胸ポケットに入れたことを確認したので、持って出たことは間違いありません。よくよく考えてみたらあの時の「ぼとッ」が怪しい。きっとキノコに夢中になっていてポケットから落ちたに違いない。急いでそのあたりを探しましたが、暗くなり良く見えません。老体に鞭うち駆け足で家に戻り、出産で我が家に滞在していた次女から携帯を借りようとしたら「スマホ」なので使えない・・・私はまだ「ガラケイ」を使っているので最新式のスマホは使えない。確か妻が持っているのは「ガラケイ」のはず・・・。妻から奪い取るようにして元の山道へ・・・。あたりはすっかり暗くなっていて老眼の眼には携帯の字も見えない。目が悪いのに眼鏡を外さないと良く見えない。何とか私の携帯へ電話するとつながるのだが、すぐ留守番電話になってしまう。保育園にも電話して携帯にかけてもらうが音信がない。そうだ東京へ研修に行ったとき「マナーモード」にしていたのだ。しかも地面は柔らかい土と草が生えているので、机の上のようには響かない・・・。半ばあきらめて、これで最後と後ろを振り返ったら・・・何やら緑色に怪しく光る物体が・・。あった・・・。私の黒い形態が娘からの通信を受けて光っていたのだ。その日の夜には雨が降り、あのまま一夜明けていたら・・・と思うとぞっとする。まして、個人情報がたくさん詰まった携帯が誰かの手に渡ったら・・・なんて考えるだけでも恐ろしくなる。あたりは蚊が私の汗を嗅いでぶんぶん飛び回り、汗が眼鏡に飛び散り、散々な犬の散歩となりました。
次の日の朝も散歩に出かけ、またしても「かっくい」をビニール袋に一つほど収穫してきました。このきのこは保育園で10月7日に行われる「キノコ汁会」の実として子供たちに食べてもらおうと思っています。それにしても老眼になり「夕方」の落し物は非常に大変な目にあいました。今何時?いちだいじ・・・という妖怪体操のフレーズがシルバーウィーク中、耳の中に流れていました。