園長です。
まことに小さな国が 開花期を迎えようとしている・・・で始まる司馬遼太郎原作の「坂の上の雲」第三部が来月から放送される。2年前の第1部を見たときは、「これぞ日本人の正しい姿」と感動したことを覚えている。第3部は日露戦争とその後の物語が主のようだが、3年前に愛媛県松山に行き、道後温泉や松山城などを見てきた分、秋山兄弟と正岡子規の少年期、青年期の姿に心を打たれる。恥ずかしながら私は秋山兄弟のことは全く知らず、松山市内にある記念館でもいい加減に見てきてしまい、その年の「坂の上の雲」を見て、思いっきり後悔したものである。昨日の日曜日、BSテレビで第1部を全6時間かけて放送していた。午前11時30分から午後5時30分まで6時間・・・見てしまいました・・・。妻はあきれ返っていましたが、私は感動に目を潤ませながら昼ごはんも食べずに見ていました。昨年もこの時期、前年分を見たような気がしますが、それでも感動するのはやはり、日本の創世期、近代国家目指して世界の国を相手に立ち向かう姿勢に感動したのだと思います。
ついつい今の日本を思ってしまいます。あの志はどこに忘れてきたのでしょうか。教育の荒廃が叫ばれて久しいですが、少しでも良い方向に向かったのでしょうか。いじめ、虐待、親殺し、子殺し・・・毎日のようにニュースで流れますが、今では、地元でない限り、「またか」で住んでしまう自分が少し怖い感じがします。今、保育界は「子ども・子育て新システム」で荒波の中を漂っていますが「子どもは社会の希望であり、未来を作る力である」という中間報告の理念を今一度確認して欲しいと思います。坂の上の雲に出てくる子ども達は、自分の進む道を自分で考え、決断し成長してきました。私達大人が果たす役割は、重要です。こどもを大切にしない国家、子どもが生まれない国家は滅亡するのです。子どもが育ちやすい環境、子どもを産みやすい環境を作るのは、今の私達の責任であると思います。来週から始まる「坂の上の雲」第三部での子ども達の表情がどう変わっていくのか、不安と期待をもって待ちたいと思います。