花と緑を追いかけて

山を愛し、花を愛し、旅と
映画とパソコンと、好奇心も
いっぱいの主婦の日記です

北アルプス「燕岳~常念岳」登山紀行・その4

2007年08月06日 | 山シリーズ
「大天井岳」頂上


ガレ場の続く「大天井岳」を登って行くと、そこには目の前に「槍ヶ岳」、そしてその左手に「穂高連峰」がその姿をハッキリと見せてくれます

15年前のあの感激を再びと気持ちが焦りましたが、頂上に立つには少々の難関がまだありました。


大天井岳の手前の切通岩にかかるクサリ場を、一度ドンを下がります。
去年登った「西穂高岳」のような断崖絶壁が続く所ではないので、恐くはありませんが・・・

下り切ってから見上げると、今度は青空の先まで続いているようなハシゴが・・・
「大天井岳」はその名の通り、天までそびえている様な山でした

ハシゴの右横の岩に四角いレリーフが埋め込まれているのが分かりますか?
ここには大天井岳から槍ヶ岳までの登山道(喜作新道)を一人で切り開いた小林喜作のレリーフが刻まれています。

15年前にこのコースを歩いた後、文庫本で「喜作新道~ある北アルプス哀史」(山本茂美著)と言う本を見つけて読んだ覚えがあります。
”大正時代、このけわしい尾根道を独力で切り拓いた牧の喜作は、北アルプスに鳴りひびいた名鉄砲打ちであった。その喜作が、ある日、猟にでかけた雪の山で謎の死をとげる。事故か、謀殺か?著者一流の克明な取材と、サスペンスに満ちた推理構成で、この超人的山男の生涯を追う。”
このような解説に惹かれて・・・

我が家の本棚を探せばまだあるかも知れません。

こちらが喜作のレリーフです。
大正期を代表する北アルプスのガイド、そして喜作新道の開拓者でもある牧の喜作。
この本は喜作の死因にまつわる謎解きを中心に、なにかと噂や誹謗中傷の多い小林喜作という人物の実像を明らかにしていく内容でした。
もう一度読んでみようかしら・・・



そんな事を考えながら慎重に登って行くとやがて「槍ヶ岳」方面と「常念岳」方面の分岐に出ます。

「槍ヶ岳」方面をそのまま進むと、喜作新道から西岳ヒュッテを経て、東鎌尾根を登り槍ヶ岳頂上に到着する表銀座コースです

私たちはもっと簡単な「常念岳」に向かう左側のコースを取りました
簡単とは言うものの、200mの標高差をいっきに上がって行くこの大天井岳の登りはきつかった
一度休んでからやっとの思いで肩の「大天荘」に着きました。




ここにザックを置いて、空身で10分登ると、ようやく「大天井岳」の頂上でした


北鎌尾根を従えた「槍ヶ岳」が目の前です
槍ヶ岳の手前を横切る尾根が「喜作新道」ですね。
左側に見える「穂高連峰」の白いカールは「涸沢」でしょうか・・・

15年前と同じように、槍をバックにバンザイ写真を撮りましたが、太ももの筋肉がすっかり落ちて、迫力の無い姿にですね。

時計の針は9時15分をさしていました。
燕山荘から3時間15分かけて歩いてきた事になります(マップタイムは2時間40分)
35分のオーバーは休憩時間と写真撮影の時間?

北側に目をやると、はるばる歩いてきた「燕岳」からのトレイルが良く見えていました。
燕岳の奥の尖った山が「針の木岳」、そして左に立山、剣・・・
下に見える水面は「高瀬川」です。
あの辺りから「裏銀座コース」の烏帽子岳に登る、もう一つのアルプス三大急登「ブナたて尾根」があるのでしょうか?

右側の双耳峰の山は「鹿島槍ヶ岳」ですね。
するとその向こうが「白馬岳」
後立山連峰も良く見えていました

大天井岳頂上からの360度の大展望を、non_nonさんのソースをお借りして纏めましたのでご覧下さい。
<
<
大天井岳からの眺め
< < < < <

南に続くトレイルが、これから向かう常念岳への道です。
常念岳も見えていますね。

そして一番右の写真が穂高岳・・・、下の谷の流れが「梓川」です。
奥の白い窪みの辺りが「上高地」かも知れませんね。


もう一度「槍ヶ岳」をシッカリと目に焼き付けてから下ります。

「大天荘」前のベンチで、ウイダーinゼリー(エネルギーin)を補給しました。
お腹が空いていたら「この小屋でお蕎麦を食べれば良いかな~」と思いながら歩いてきましたが、食堂が開くのが10時からだそうでまだやっていませんでした。
炒りたてのコーヒーだけは飲めるようでしたが・・・




ザックの中には予備食のパンと、燕山荘で頼んだお弁当1人前が入っていますが、チーズやカルパスを食べて、これで良しとしました
山ではお腹いっぱい食べると動きがきつくなりますから、少しずつ食べるのがコツなんです

トイレに行って、丁度10時に出発しました。
さぁ~、取りあえず常念乗越に建つ「常念小屋」までの3時間を頑張って歩きましょう





しばらく歩いてから振り返って見ると、登ってきた「大天井岳」と頂上直下に建っている「大天荘」が小さく見えていました。




コメント (24)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする