花と緑を追いかけて

山を愛し、花を愛し、旅と
映画とパソコンと、好奇心も
いっぱいの主婦の日記です

北アルプス「燕岳~常念岳」登山紀行・その3

2007年08月03日 | 山シリーズ
7月27日(金)
燕山荘から大天井岳まで、表銀座コースを行く


朝の4時46分、安曇野にかかる雲海の向こう側から「朝日」が昇ってきました。
この日の快晴を予感させる「ご来光」です
右の尖った山は「浅間山」と聞きました。
寝ぼけまなこの頭をピンとさせる山の朝の冷気が私の顔を包んでいました。


朝日がすっかり顔を出したら、回れ右して、今度は反対側の山々が望める展望の良い所に移動しました。
アルプスの山々に朝日が当たり、赤く染まるモルゲンロードが見られます

槍ヶ岳の後ろに見える尖がりは「小槍」、中にもう一つ見られる小さな尖りは「孫槍」だそうです。
しばし見とれてから、食堂に行き朝食タイムとしました。

前の晩の夕食の後には、オーナーの赤沼氏による「燕岳の四季」の紹介と、恒例のホルンの演奏がありました。
合わせて「燕山荘」の雰囲気をご覧下さい。

夕ご飯朝ごはん
ホルンの演奏食堂で生ビール

夕食はサラダと肉ジャガが別に付きました。
最近はヘリコプターでの物資の輸送が出来るようになったせいか、山小屋でも生野菜が食べられます。
そして生ビールもね

私たちは食後、売店で記念にバンダナを買ってから準備を整え、丁度6時に出発しました。

小屋の横のお花畑では、オーナーの赤沼氏によるコマクサの鑑賞会が行われていました。ここには「白いコマクサ」が咲いているのです
前夜の「コマクサは1本の芽を出すまでに4~5年かかり、何輪かのお花が付いた株になるまでは10年以上の月日が必要です。くれぐれもロープの中には入らないように守ってください」赤沼氏のお話が頭をよぎりました。


「燕山荘」は従業員の皆さんの対応も良く、トイレも綺麗で、とても気持ちの良い山小屋でした


このルートは、右手前方に「槍・穂高」を望みながら歩く、まさにパノラマコースなのです
「北アルプス・表銀座コース」とも呼ばれていますね。

振り返ると、立山と重なるように「剣岳」も見えていて・・・
歓声を上げながらのトレッキングとなりました。


歩き出して45分、何人かの登山者が休んでいる広場のような岩場が見えてきました。
我々もあそこで休憩しよう・・・
non_nonさんのソースで纏めた雲上の楽園の景色をご覧下さい。
富士山と北岳も見えていましたが分かりますか?
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雲上の楽園
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最初の休憩所で若い二人連れや、山形市からやってきた単独行の中高年男性・・・そして大きな荷物を背負った「甲府第一高校」山岳部の一行と顔見知りになり、この後の常念小屋まで抜きつ抜かれつ歩く事になるのです。

又ここからはお花畑も楽しめて、コマクサはもちろんの事、ハクサンフウロやシナノキンバイ、ニッコウキスゲの群落も楽しめました。

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青紫の「チシマギキョウ」と白い「イワツメクサ」をマウスオンでご覧下さい


「槍ヶ岳」を仰ぎながら進み、可愛い高山植物を愛で、雲海の広がる安曇野側の暖かい空気と、山側の爽やかな風に吹かれながらひたすら歩いて・・・
正面を見ると、目指す「大天井岳」が目の前にそびえていました

             ☆ー☆ー☆ー☆ー☆ー☆ー☆ー☆ー☆ー☆ー☆ー☆ー

本当なら、今日3日は友人と3人で南アルプスの「北岳」登山に行っているはずなのですが、台風の影響を考え延期しました

まだまだ体力があった50代前半に、北岳から間ノ岳、そして更に農鳥岳への縦走計画を2度立てましたが・・・
1度目はカミナリ警報が出ていてやめました。
2度目は、まさに「出発!」と言う朝にTELが入り、仲間のお母様が倒れたと言う緊急事態発生を知り取り止め。
この時はもう一人の仲間と、急遽尾瀬の「至仏山」に変更して行きました。

今回は縦走はしないで北岳登山だけにしたので・・・
「三度目の正直」で登れると思っていましたが、やはり「2度あることは3度ある」になってしまいましたね
「北岳」はいつまで私たちを拒み続けるのでしょうか・・・?


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北アルプス「燕岳~常念岳」登山紀行・その2

2007年08月01日 | 山シリーズ
今日から8月
関東以北の「梅雨明け宣言」がやっと出ましたね。
でも・・・
この週末、台風が日本列島にやって来そうで「さぁ~夏だ、海に山に繰り出そう」と言う気持ちになれないでいます。
3日から2泊3日で予定している「北岳登山」をどうしよう

                ☆ー☆ー☆ー☆ー☆ー☆ー☆ー☆ー☆ー☆ー☆

「燕岳・頂上」へ


燕山荘から歩いて30分・・・
「燕岳」は風化した花崗岩からなる独特の山です。

お天気が良ければ、左手に「槍ヶ岳」が望めるトレイルですが、この日は雨はやんだもののガスがかかっていました。
これはこれで幻想的な雰囲気ですね


奇岩がそびえる「燕岳」
こちらの岩は「イルカの群れ」に見えるでしょうか・・・

こちらは「メガネ岩」・・・
合戦尾根を一緒に登って顔馴染みになった女性に、シャッターを押してもらいました。
「職場での人間関係にちょっと疲れちゃって、それで一人で山に来たの。この風景を見たら何て小さい事に悩んでいたのかと思って・・・、明日はスッキリした気持ちで山を降りられそうです」
そんな話しをしてくれました。
「山」は人の心を清浄する作用があるのでしょうか?




最後に岩場を登って行くと「燕岳」(2762.9m)の頂上です。
あたり一面ガスがかかって、な~~んにも見えません。
頂上には表示板もなくて、小さな石に山の名前と標高が刻まれているだけでした。









頂上直下で「雷鳥」の親子が姿をあらわしました。
全然人を怖がりません
ヨチヨチとした足取りで私たちのすぐそばまでやってきました。

そして「燕岳」には高山植物の女王「コマクサ」の群落がアチコチに広がっています。
何故か?コマクサの周囲には黄色の「タカネスミレ」がありました。

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マウスオン・クリックで、コマクサとタカネスミレの、3枚の写真をご覧下さい。
花崗岩の白い砂礫に、ピンクのコマクサが映えますね

北燕岳方面に進んだところのコマクサの大群落が凄いと聞いてきましたが、霧雨が落ちてきたので少し行った所で引き返しました。

「燕山荘」での寝床は、2Fの蚕棚が並んだような部屋でした。
私たちは4枚のお布団が敷かれた棚の上段を指定されたので、ハシゴで登り、場所を確保してから荷物の整理をしました。

この日はここに3組6人が眠る事になりそうです。
シラフに入って休んでいると、外に出ていた主人が「ブロッケン現象が見えたぞ」と、やや興奮気味に戻ってきました。


目の前に霧が広がっている時、後方から太陽に照らされると、時々自分の影が霧の中に浮かび上がり、その周りを光輪が輝く現象を見ることがあります
これを「ブロッケンの妖怪」又は「ブロッケン現象」と呼んでいます。

夕日だったので光線が弱く、ちょっと主人の影がハッキリしませんが、光輪は見えていますね
今まで何度か山で経験していますが、やはり自分が菩薩になったような気分で感激しますね

私も外に出てみましたが、残念ながら太陽はもう沈んでいて見ることが出来ませんでした
が・・・


ナント、霧が晴れてシルエットの槍ヶ岳が、クッキリと見えていました。


そして目の前に、登ってきた「燕岳」がその姿を見せていました。
この時ハッキリと、私は翌日の快晴を確信したのです



コメント (18)
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