大塚周夫さんのご冥福をお祈り致します。
大塚さんはリチャード・ウィドマークさんがお好きだったそうで、自ら進んで吹き替えたいと仰ったと聞きました。
最初の吹き替えは日本テレビの「襲われた幌馬車」(1963年吹き替え)ですが、その後NET初め全局(NHK、地方局含む)でウィドマークさんを担当なさっています。(ざっと数えたところ62作ありました。)
ウィドマークさんの吹き替えリストをこちらに載せています。
興味のある方はご覧下さい。
https://ameblo.jp/nayagorofan/entry-12505479445.html
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「アラモ」のリチャード・ウィドマーク(大塚周夫)
大塚さんの追悼に悟朗さんと共演なさった「アラモ」をご紹介します。
「アラモ」は悟朗さんの最初のジョン・ウェインさんです。
それに対して大塚さんはウィドマークさんの吹き替え29作目でした。
まだ試行錯誤中だったかもしれない悟朗さんに比べて、大塚さんはもうすっかりウィドマークさんになりきっていらっしゃったのではないでしょうか。
太一郎さんのローレンス・ハーベーさんの吹き替えも複数ありますが、この「アラモ」が何作目にあたっていたのか分かりませんでした。
<2015年1月22日>
太一郎さんのハーベーさんの吹き替えは6作あり、この「アラモ」は5作目だったそうです。自称吹替評論家様資料。有難う御座いました。
大塚周夫、広川太一郎、納谷悟朗
主要キャラクターの三人の関係ですが、クロケット大佐(悟朗さん)とボーイ大佐(大塚さん)は最初から馬が合っている感じでした。
ボーイ大佐とトラビス大佐(太一郎さん)は衝突を繰り返しています。
クロケット大佐(悟朗さん)とトラビス大佐(太一郎さん)は、普通に同僚(?)の関係でしょうか?
トラビス大佐がクロケット大佐に一目置いている為、関係がこじれる事はありませんでした。
(実際のセットでは、ジョン・ウェインさんとウィドマークさんの仲はあまり良くなかったそうです。笑)
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大塚さん、悟朗さん、太一郎さん、皆さんの追悼に、3人のシーンをご紹介します。
太一郎さんのトラビス大佐が指揮官です。
大塚さんと太一郎さんはかなりテンション高く激論していますが、悟朗さんは最初から最後まで冷静です。
悟朗さんのジョン・ウェインさんの声はちょっと暖かい感じがあるのが好きです。
大塚周夫、納谷悟朗、広川太一郎
広川: これで、顔が揃った訳だな。葉巻は?
まあ、どうぞ皆さんお楽に。
いい知らせがある。ファニンが期待に答えてね。1000名の義勇軍を集め、来週早々南へ下り始める。
大塚: 1000名?とても信じられんな。
広川: 実は私も疑いを禁じえないんだ。しかしそれをはばからずに言えるのは、我々だけのプライベートな場だけだ。
他の志願兵達に対しては、ファニンが1000名の義勇軍を連れて来る事にしよう。
大塚: 俺は嘘を言わない男で通ってんだぞ。
納谷: 俺は違う。生まれながらのホラ吹きと言われてる。しかし今となってはホラを吹こうとどうしようとそんな事はもう問題じゃない。
大事なのはファニンが何人集めて、いつここへ来られるかだ。
大塚: たとえ援軍が来ても俺たちは袋のねずみだ。無駄死にするぞ。だから一刻も早く、町もこの教会も焼き払ってだな・・・
広川: ゲリラ戦法で戦いか?サンタ・アナがテキサスを蹂躙しているのを横目で見ながら。これがボーイ大佐の意見だ。
大塚: やつらが川を渡る前に襲撃をかければ大いに成果は上がるはずだ。
(このあたりは太一郎さんと大口論で、セリフが被っている為、正確ではありませんがご了承下さい。お二人ともテンション高いです。)
広川: 大事な事を忘れてるぞ。
大塚: 何だ。
広川: 指揮官は私だ。指揮官が君のプランに反対しているんだ。(この辺までずっと激しています。)
では更に重大な問題にふれよう。クロケット大佐はテネシー人だ。彼らは戦うのか?
納谷: 今のところ戦うのは金輪際いやだと言ってる奴はまだいないようだな。
広川: 全員この砦にこもる様に説得出来るか?
納谷: 一応言ってみる。
広川: あなたは説得力があると言う評判だからな。
ファニンが1000名のいや2000名の援軍を連れてくると言いふらしたらどうだろうか。
サンタ・アナに抵抗・・・
大塚: またその話を繰り返すつもりか。(このあたりからまたお二人の激論です。)
こいつは俺の部下にも、同じ嘘をつけと頼みやがったんだ。
広川: サンタ・アナの絶対的優勢がみんなに知れ渡ってみろ。明日はもう一人もこの砦にはいないぞ。
大塚: 俺たちが腰抜けだと言うのか。
広川: 見え透いた様な虚勢を張るのはよしたまえ。現実を受け入れたらどうなんだ。
大塚: 俺が連れて来たのはみんな志願者だ。戦う為に進んでここへ来たんだ。
しかし指揮官がこういう男なら、俺たちはよそで戦う。
広川: 君が連れて来たのは義勇軍だ。規律を知らぬ、烏合の衆にすぎん。話合う必要はない。
ウィドマーク、去る。
納谷: 俺の仲間もそうだぞ。みんな規律などへとも思っちゃいない連中だ。
広川: 絶対絶命の危機なんだ。彼らはクロケットが行く所、どこへでもついて行く。
納谷: そうだ。だから俺は苦しんでるんだ。重大な責任がある。
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<オマケ>
悟朗さんのクロケット大佐は太っ腹で物に動じず、声を荒げる事もほとんどありませんでした。
数少ない例外として、池田昌子さんのフラカとの別れのシーンで、少し熱く語っていました。
その部分から少しだけご紹介します。
リンダ・クリスタル(池田昌子)
リンダ・クリスタルさんはテレビ「ハイシャパラル」のビクトリア役の人です。
納谷悟朗
納谷: ・・・正義か悪か。人間はどっちかを選ぶんだ。誠の道を生きるか。それとも手足は動くが中味は腐った人生を歩むかどっちかだ。
ラストシーンです。生き残ったディキンソン大尉(小林修)の奥様(声は分かりません)とお嬢ちゃん(貴家堂子)、ウィドマークさんの奴隷のおじいさんの孫?です。
この女の子ですが、ジョン・ウェインさんの実娘アィッサ・ウェインさんだそうです。
今回チェックするまで知りませんでした。
この役にはちゃんと名前があって「リサ・アンジェリカ・ディキンソン」と言うそうです。
パトリック・ウェインさんも勿論劇中で見かけました。(笑)
ジョン・ウェインさんとアィッサさん
撮影セットでの写真から
ウィドマーク(大塚周夫)、リンダ・クリスタル(池田昌子)、ローレンス・ハーヴェイ(広川太一郎)、ジョン・ウェイン(納谷悟朗)
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キャスト詳細をこちらに載せています。
https://blog.goo.ne.jp/nayagorofan/e/802c5246490a862b69551453aa70e922
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大塚さんの追悼をもう少し続けたいと思っています。
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文章を少しだけ修正しました。
(2024年8月28日)
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ウィキ、IMDb他
どうも有難う御座います。
ほぼ完全版ですね。スゴイです。
情報をありがとう御座いました。
ご無沙汰しております。
発売日が近づいてきた「アラモ」ブルーレイですが、
ニューラインの公式Xが、6秒のみセリフが欠落しているとアナウンスしています。
それでも長尺版の吹替が視られる事は、楽しみです。
いつもありがとうございます。
嬉しいニュースをありがとう御座いました。
楽しみですね!
「アラモ ノーカットNET版吹替」のブルーレイが、
12月4日に発売が決定しました。
私は、3時間枠しか視聴した事がなく、今回のソフト化が楽しみです。