ジューンベリーに忘れ物

シンボルツリーはジューンベリー
どこかに沢山の忘れ物をしてきた気がして

晴れたり曇ったり その12 <3話>

2025-01-11 12:34:21 | 北の湘南・伊達
  ① コロナと診断されたのは、クリスマスの日だった。
2日間は、薬がきれると高熱になった。
 発症から3日後、家内も感染し同じ症状で苦しんだ。
まさに『とんだ年の瀬』だった。

 実は、発症した時はまだ年賀状が出来ていなかった。
例年より遅れていたが、
クリスマス後に急ピッチでと考えていたが、予定が狂った。

 でも、咳をし喉と頭の痛さに耐えながら、
年賀状に載せる詩を書き上げた。

      到  来
 
  私の盛夏はいつまでだったろう
  50メートル走で6年生に負けた
  バドミントンで息子にかなわなくなった
  でも 今とは時代が違い
  深夜までテストの採点をしていた

  秋を感じたのはいつ頃だろう
  文庫本に老眼鏡が必需品になった
  ゆっくり煎れたお茶は美味しいと知った
  家族がそろう日を心待ちした

  そして今 晩秋を迎えて
  お隣さんより雪かきに時間がかかること
  気づくと散歩の歩調の遅いこと
  でも この時季がきて
  やっと自分探しの旅がエッセイ集に

 その後、家内は解熱の頓服を飲みながら、
その詩を手書きし、年賀状に仕上げてくれた。
 パソコンでプリントし、宛名印刷を終え、
何とか31日の朝には投函できた。

 コロナに邪魔されながらも、
年内に年賀状だけはと、二人とも頑張った。
 詩を添えた年賀状は、もう50年も続けて来たこと。
何とか続けられたことに、こんなに安堵したことはなかった。


 ② 大晦日の午前中に、姉から例年通り、
勤め先の旅館が予約販売している『高級おせち』が届いた。
 言うまでもないが、姉からのプレゼントだ。

 しかし、3年前から続いている兄と3人での、
そのおせちを囲んだ元旦の宴席は、取りやめになってしまった。

 お酒を飲む元気も、初詣に行く体力も戻らないまま、
それでも幸いなことに、
『高級おせち』だけは正月気分を演出してくれ、
正月三が日を送ることができた。

 そのコロナからの回復状況であるが、
今も「完治!」とは言えないでいる。
 当初は、一般的な風邪と同じで、
発熱に咳、喉の痛み、頭痛、気だるさが主な症状であった。
 
 だが、高熱は3日ほどだったものの、その後も時折悪寒をくり返した。
1週間前から、やっと朝の検温が平熱で安定した。
 しかし、咳は、病院からの薬を全て飲みきっても治まらず、
今も突然咳き込むことがある。
 咳と同時に喉に刺すような痛みが走る。

 頭痛は薄れたが、スッキリとした感じがなく、
気分が晴れない。
 倦怠感までではないが、
こんなのを「体調が優れない」というのだろう。

 発症から半月が過ぎた。
徐々に良くなってはいる。
 でも、こんなに長期化するとは・・・。
これが「コロナ」なのかと痛感させられている。

 誰に言う訳でもないが、
「もうそろそろ、いい加減にしてほしい!」のが本音だ。



 ③ 今年も沢山の方から年賀状を頂いた。
年に1回、年賀状交換だけの方もいるが、
それでも、年賀状から伝わってくるものに想いを馳せ、
1枚1枚についつい時間をかけ、見入ってしまった。

 気になったことが2つあった。
1つ目は、『年賀状じまい』である。
 年々、この手の一筆が増えてきた。
その度に寂しい想いをしながら、
年賀状の宛名名簿からその方の氏名を削除している。

 今年はその数がさらに増えた。
しかも、年齢層がバラバラだ。

 以前は、
「高齢のため、今年をもって・・」が大半だった。
 ところが、今年のそれは3、40代の方からも、
「今年をもちまして、失礼致します」と。

 今年頂いた年賀状の最高齢は、
児童文化研究会の大先輩、96歳になるY先生から。
 その年賀状には、
『今年を最後に賀状止めますと言わぬが花の老気質』
とあった。
 
 どれだけ勇気づけられたことか。
私も大先輩同様の老気質で、いつまでも貫こうと決めた。

 2つ目は、年賀状に添えられた同世代からの近況報告である。
『ボケ防止のため』のフレーズが、多くなったこと。
 後期高齢者になり、一番気になることがそれなのだと気づいた。
でも、やけに寂しさを感じる。

 確かに、1年1年体力は衰えている。
自分の体に自信が持てなくなっている。
 気づかないうちに、認知症の兆しが押し寄せているのかも・・・。

 11月下旬から風邪が完治せず、
追い打ちをかけるようにコロナにも感染した。
 事実、高齢者を今思い知らせているところだ。

 でも、カラ元気でもいい。
「『ボケ防止』なんて、まだ先の先!」と思いたい。
 それより、「まだ鍛えれば、できることはいっぱいある」
と、今年もチャレンジャーでいたい。
 そう! 前を見て、新しい私を追いかけたい。


 

     まさか 早春では! 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« とんだ 年の瀬 | トップ |   
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

北の湘南・伊達」カテゴリの最新記事